この記事の要点
- 全米友愛警察組合(FOP)、CLARITY法案の改訂版への支持へ転換
- 法執行3団体の支持拡大、上院60票確保へ追い風
38万人超の警察団体、クラリティ支持へ転換
全米友愛警察組合(FOP)は2026年7月24日、米国の仮想通貨市場の構造を定める「CLARITY(クラリティ)法案」の最新改訂版を支持する書簡を上院銀行委員会に送付しました。
FOPは38万2,000人超の会員を抱える法執行官の団体で、4月に反対を表明してから約3ヶ月で賛成へと転じ、CLARITY法案への支持を打ち出しました。
改訂版では、疑わしい取引の一時停止に関する免責や捜査権限の明確化など法執行機関向けの規定が追加・修正されており、FOPはこれらの見直しによって当初の懸念が解消されたとの認識を示しています。
書簡は上院銀行委員会のティム・スコット委員長と筆頭委員のエリザベス・ウォーレン議員に宛てられ、パトリック・ヨーズ全国会長は「FOPの当初の懸念は十分に解消された」として、法案成立への協力を表明しました。
TDC、CLARITY法案支持サイト開設
CLARITY改訂版に盛り込まれた法執行支援策
疑わしい取引の一時停止で免責を付与
改訂版では、デジタル資産企業やステーブルコイン発行者が法執行機関の要請または自主判断で疑わしい取引を一時停止した場合に、法的責任が免除される規定が新たに設けられました。
デジタル資産は管轄を越えて瞬時に移動するため、FOPは、不正が疑われる段階で取引を保留できれば捜査当局は資金と証拠を押さえる時間を確保できるとの認識を示しています。
この仕組みによって詐欺被害の拡大防止や盗難資産の回収、違法な資金移転の遮断を捜査の初動段階から進められるようになるとFOPは評価しています。
BRCA条項の修正が支持転換の決め手に
FOPが4月の書簡で強く反対した核心は、CLARITY法案に組み込まれたブロックチェーン規制確実性法(BRCA)の当時の第604条にあたる条項にあります。
同条項は顧客資金を管理しないソフトウェア開発者を資金送金業者の規制から除外する内容で、FOPはこの保護が仮想通貨(暗号資産)犯罪の捜査・訴追を制約しかねないと主張していました。
改訂版ではこの条項が第10604条として見直され、開発者や分散型技術の扱いが法執行機関の捜査・訴追能力を制限しないことが条文に明記されました。
犯罪収益と知りながら資金を移転する意図を持つ者や、違法行為の促進を目的とする者への責任も引き続き保持され、連邦法(18 U.S.C. § 1960)の適用は維持されるとしています。
一連の修正を受けてFOPは、法執行に必要な確実性を確保しながら、責任あるイノベーションも阻害しない内容になったとの認識を示しました。
ATM詐欺から高齢者保護まで包括的に整備
BRCA条項の修正に加え、デジタル資産ATM(キオスク)を悪用した詐欺への対策や、AML(マネーロンダリング対策)・制裁遵守の義務を事業者全体へ広げる規定も書簡は取り上げました。
BSA(銀行秘密法)上の通貨性資産の扱いも更新され、既存の報告義務や執行の仕組みがデジタル資産取引にも明確に適用される方針が示されています。
タイトルIX(第9編)には、州・地方の法執行機関向けの助成金や研修プログラム、デジタル資産サイバーイノベーションセンターの設立、高齢者を詐欺から守るための施策も盛り込まれています。
国際的なAML・制裁協力の強化や省庁間の情報共有改善も盛り込まれており、FOPは一連の規定が消費者保護と捜査手段の強化の両立を図る内容だと評価しています。
クラリティ法案成立へ総力戦
法執行団体の支持拡大も採決の行方は不透明
FOPが支持を表明した改訂版は、シンシア・ルミス上院議員が2026年7月22日に公開したもので、連邦高官による在職中の仮想通貨発行を禁じる倫理規定が新たに追加されています。
一方でウォーレン議員は、この倫理規定ではドナルド・トランプ大統領の仮想通貨を通じた利益相反を防げないとして骨抜きだと批判し、草案の廃案を要求しました。
法執行機関では、NOBLE(全米黒人法執行幹部機構)の支持表明やMCSA(主要郡保安官協会)の中立転換が先行しており、今回のFOPによる支持表明もこれに続きました。
上院本会議での可決には引き続き60票の確保が必要となっており、8月の夏季休会入りを前に、倫理規定の実効性を含む残る論点をめぐる与野党協議が続いています。
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Source:FOP公式書簡
サムネイル:AIによる生成画像




























