南アフリカ共和国の中央銀行である「南アフリカ準備銀行(SARB)」は2021年5月25日に、現金を補完する役割を持つ「リテール型中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の実現可能性・有用性・妥当性を評価するための調査を開始したことを発表しました。
こちらから読む:Moonstake、”IOSTのステーキング”に対応「暗号資産」関連ニュース
「リテール型CBDCの実現可能性・有用性」などを調査
南アフリカ準備銀行(SARB)は2021年5月25日に、現金を補完する役割を持つ「リテール型中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の実現可能性・有用性・妥当性を評価するための調査を開始したことを発表しました。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、金融機関が主に利用する「ホールセール型」と個人・家計・企業が利用する「リテール型」に分けられますが、南アフリカ準備銀行は現在流通している現金をデジタル化した形で使用することができる「リテール型CBDC」の調査に着手しています。
調査の目的は『汎用型CBDCの発行が南アフリカ準備銀行の政策と任務にどのように影響をもたらすかを検討すること』だとされており、具体的には南アフリカの消費者が一般的な取引目的で使用できる国内流通型CBDCの発行に焦点を当てて、ポリシー・規制・セキュリティ・リスク管理への影響などといった様々な要因を考慮した、新しいプラットフォームの実験などを行うと説明されています。
南アフリカ準備銀行は2018年に、銀行間の高額決済処理などに焦点を当てた「Project Khokha」と呼ばれるイーサリアム関連のブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨決済プロジェクトを立ち上げていましたが、今回の発表では『今回のリテール型CBDC調査はKhokhaとは異なるものの、これら2つの調査によってより良い政策整合がもたらされると期待される』と説明されています。
なお、今回発表されたリテール型CBDCの実現可能性調査は2022年に終了する予定だとされていますが、南アフリカ準備銀行は『SARBは現段階でリテール型CBDCを発行すると決定してはいない』と説明しています。