デジタル・ドル・プロジェクト「米国初のCBDCテスト」2021年内に開始
Accenture(アクセンチュア)は2021年5月4日に、同社が「Digital Dollar Foundation(デジタル・ドル財団)」と協力して立ち上げた非営利団体「Digital Dollar Project」が、米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を2021年内に開始することを明らかにしました。デジタル・ドル・プロジェクトは今後12ヶ月間で合計5つのパイロットプロジェクトを実施することを予定しています。
こちらから読む:ドージコイン価格、70円台まで高騰「暗号資産」関連ニュース
今後1年間で「最低5つの試験的プログラム」を実施
Accenture(アクセンチュア)は2021年5月4日に、同社が「Digital Dollar Foundation(デジタル・ドル財団)」と協力して立ち上げた非営利団体「Digital Dollar Project」が、米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の試験運用を2021年内に開始することを明らかにしました。
デジタル・ドル・プロジェクト(Digital Dollar Project/DDP)は米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する調査進めるために立ち上げられたプロジェクトであり、プロジェクトの目的は『デジタルドルの潜在的な利点に関する研究と公開討論を奨励し、民間部門の思想的指導者と関係者を招集し、公共部門を支援するための可能なモデルを提案すること』だと説明されています。
アクセンチュアはデジタル・ドル・プロジェクトの今後の取り組みについて『関心の利害関係者やDDP参加者とともに、今後12ヶ月間で少なくとも5つのパイロットプロジェクトを開始し、米国版CBDCの価値を測定して将来の設計に役立てるための情報を政策立案者に提供する』と述べています。
最初のパイロットプロジェクトでは「技術的・機能的要件の調査・分析・特定」「メリットや未解決課題の評価」「アプリケーションとアプローチのテスト」「小売・卸売の商業利用におけるユースケースの検討」などを行うとされており、これらのテストの結果などは一般向けに公開すると報告されています。
また「デジタル・ドル・プロジェクト」のパイロットフェーズで焦点を当てる分野としては以下の3点が挙げられています。
- 公的機関が検討する必要のある公共政策・技術的決定を通知するための経験的な証拠を収集する
- 米国版CBDCの「メリット、課題、機会、設計、実装方法、具体的な使用方法」などを全ての利害関係者に知らせる
- 「国際的な相互運用性、主要な規範、消費者保護」などといった米国版CBDCのための基準と政策を評価・カタログ化する
「米国商品先物取引委員会(CFTC)」の元委員長でありながら、「デジタル・ドル財団」の共同設立者でもあるChristopher Giancarlo(クリストファー・ジャンカルロ)氏は、デジタル・ドル・プロジェクトの取り組みについて次のように語っています。
米国はCBDCを第一に考える必要はありませんが、未来のデジタル通貨の基準を設定するリーダーである必要があるため、アクセンチュアや他のパートナーとパイロットテストで協力することは非常に重要です。
CBDCの複雑な問題のバランスをとる方法と、プライバシー・金融包摂・法律などといった主要な社会的価値を組み込む方法をよりよく理解する必要があります。
デジタル・ドル・プロジェクトのチームは、公共政策に情報を提供するために、オープンな方法で研究・実験を行い、思想的リーダーシップを築きます。
デジタル・ドル・プロジェクトは、今後2ヶ月間で3つのパイロットプログラムを実施し、デジタルドルの機能的・社会的・ビジネス的なメリットに関するデータを作成すると報告されています。