日本銀行「中央銀行デジタル通貨の実証実験」開始|CBDCの基本機能を検証
日本銀行は2021年4月5日に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始したことを発表しました。本日から開始された概念実証フェーズ1では『システム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす発行・送金・還収などの基本機能に関する検証を行う予定』だと説明されています。
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発行・送金・還収など「CBDCの基本機能」を検証
日本銀行は中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を2021年春から開始する予定であることを以前から報告していましたが、本日2021年4月5日には『必要な準備が整い、CBDCの概念実証フェーズ1を本日から開始した』ということが発表されました。
CBDCの概念実証フェーズ1では、システム的な実験環境を構築し、決済手段としてのCBDCの中核をなす発行・送金・還収などの基本機能に関する検証を行う予定だとされており、実施期間は2022年3月までの1年間を想定していると報告されています。
なお、この内容は2020年10月に日銀が明かしたCBDCの実証実験計画で説明されていた内容に沿うものであり、当時の報告では『概念実証フェーズ2ではフェーズ1で構築した実験環境にCBDCの周辺機能を付加して、その実現可能性などを検証、概念実証を経て、さらに必要と判断されれば、民間事業者や消費者が実地に参加する形でのパイロット実験を行うことも視野に入れて検討していく』と説明が行われていました。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)の研究・開発は世界中の様々な国で進められており「バハマ中央銀行」や「東カリブ中央銀行」はすでにCBDCを発行していますが、今後は日本国内でもCBDCの開発が本格化していくことになると予想されます。
なお、日本銀行はCBDCの研究・開発を以前から進めているものの、現時点では『CBDCを発行する計画はない』との立場が維持されており、これらの研究開発が『将来的な決済システムの安定性を確保し、国際的な環境の変化に対応する準備を進めるため』であることが説明されています。