ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が決済サービス市場の近代化とさらなる発展を目的とした「支払いサービスについて」という法案に署名したことが明らかになりました。これにより、ウクライナ国立銀行は中央銀行デジタル通貨(CBDC)を発行することができるようになったと報告されています。
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ウクライナ国立銀行のCBDC発行を許可
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の公式ウェブサイトは2021年7月29日に、ゼレンスキー大統領が「支払いサービスについて」という法案に署名したことを発表しました。
この法案は6月下旬にウクライナ議会によって承認された”決済サービス市場の近代化とさらなる発展”を目的とした法案であり、ウクライナの金融分野のイノベーション導入に貢献するものだと説明されています。
法案の中には近年世界各国で研究開発が進められている中央銀行デジタル通貨(CBDC)に関する内容を含まれているとのことで、同国の中央銀行にあたるウクライナ国立銀行は「中央銀行デジタル通貨を発行する権利」や「規制サンドボックスを作成する権利」を有することになると伝えられています。
規制サンドボックスとは、現行の規制に縛られることなく新たな技術やビジネスモデルをテストできるようにするための制度であり、規制の整備が完全に整っていない仮想通貨や中央銀行デジタル通貨などの新技術を特定の環境下で事前にテストできるようにするためにも使用されています。
ウクライナ政府は数年前から仮想通貨やブロックチェーン技術に前向きな姿勢を見せており、中央銀行デジタル通貨に関する検討も続けていましたが、今回の署名によって今後は中央銀行デジタル通貨の発行に向けた取り組みが本格的に進められていく可能性があると注目されています。
ウクライナのデジタル改革省は2021年1月に、中央銀行デジタル通貨の開発や仮想通貨エコシステムの構築に向けて仮想通貨「ステラ(Stellar/XLM)」を開発している「Stellar Development Foundation(ステラ開発財団)」との覚書に署名したことも発表しています。