Pig Butchering(豚の屠殺)と呼ばれる新しい種類の仮想通貨投資詐欺が世界的に広まってきていることが明らかになりました。この投資詐欺は長い期間をかけて被害者との信頼関係を構築した上で、詐欺的なプラットフォームでの投資に誘導するものとなっており、実際に数百万ドルを失った被害者も出ていると報じられています。
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Pig Butchering(豚の屠殺)とは?
仮想通貨業界では投資家の暗号資産を騙し取ろうとする様々な詐欺行為が行われていますが、最近では「Pig Butchering(豚の屠殺)」と呼ばれる新しい種類の仮想通貨投資詐欺が世界的に広まってきていると報告されています。
Pig Butchering(豚の屠殺)とは、比較的長い期間をかけてターゲットとなる被害者との信頼関係を構築した上で詐欺的なプラットフォームへの投資に促し、最終的に投資された資金を持ち逃げするといった手法の投資詐欺であり、『豚を肥育してから屠殺する=被害者を信頼させてから資産を奪う』という点が豚の屠殺に似てることからこの名前が付けられています。
この投資詐欺は、最初にソーシャルメディアや出会い系サービスでターゲットを集めることから始められるとのことで、実際に連絡が取れるターゲットを見つけた詐欺師は数週間〜数ヶ月の期間をかけてターゲットとの信頼関係を構築していくと報告されています。
具体的には「電話番号の間違い・古い知人などを装ってターゲットに接触した後に親しげな会話に移行する」といった方法がとられているようで、交際や結婚を申し込んでからお金を騙し取ろうとする「ロマンス詐欺」のような手法で信頼関係を構築しようとする詐欺師も存在すると報じられています。
実際にある程度の会話が成立した後は、徐々に「ビットコイン投資」や「仮想通貨投資」などに関する話題が振られるものの、これは「詐欺的なプラットフォームへの投資」などに勧誘するための前準備の段階で、最終的には「詐欺的なウェブサイトやアプリに誘導→ターゲットが実際に投資した後に詐欺師がそのお金を持ち逃げする」といった方法で資産を盗み取られると報告されています。
複数の報道によると、被害者の中には実際に少額のリターン(収益)を渡されたことによって詐欺師を信じ込んでしまった人もいると報じられているため、仮に少額の収益が渡されたとしても安易に他人を信じないよう注意が必要です(※この場合の詐欺師は少額のリターンを提供して投資額を増やさせたタイミングでそのお金を持ち逃げします)。
また『詐欺師に紹介されたプラットフォームでは、最初の数回まで問題なく暗号資産を出金できたが、その後突然暗号資産にアクセスできなくなった』といった事例も報告されているため、本当に信頼できる情報が少ないサービスやサイトを利用している場合は十分に注意する必要があると考えられます。
『豚の屠殺』は元々東南アジアで生まれたとのことですが、現在は国や言語の壁を超えて世界的に被害者が広がってきていると報告されています。仮想通貨関連詐欺の手口はこの数年間で巧妙化してきているため、今後も疑わしい勧誘や案件などには十分注意することが重要です。