ビットコイン(BTC)の少額送金などに役立つLightning Networkなどの技術も活用している話題の分散型SNS「Damus」が、アプリ公開からわずか2日ほどで中国版App Storeから削除されたことが明らかになりました。
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「中国で違法なコンテンツ」と判断
2022年2月1日にApple社の「App Store」で公開された分散型SNSアプリ「Damus」が、アプリ公開からわずか2日ほどで中国のApp Storeから削除されたことがDamusの公式ツイートで明らかになりました。
「Damus」は検閲に強いグローバルSNS構築を目指すオープンプロトコル「Nostr」の技術を用いて構築されたユーザー自身が自分で管理できる分散型SNSアプリであり、秘密鍵/公開鍵を用いたアカウント管理の仕組みや、ビットコインの少額送金技術である「ライトニングネットワーク」などを採用、Twitterの元CEOであるジャック・ドーシー氏が支援していることでも知られています。
Damusの報告によると、今回のアプリ削除は中国サイバースペース管理局(CAC)からの要求に応じるためのものであるとのことで、Damusのアプリは「世論の形成または社会的動員を可能にするインターネット基盤の情報サービス」に該当し、中国で違法とされるコンテンツに該当するため、中国版App Storeからの削除が命じられたと報告されています。
Damusでは氏名・電話番号・メールアドレスなどを登録することなくアカウントを作成することが可能で、中国で禁止されているビットコインを用いた投げ銭関連の機能も搭載されているため、そのような複数の特徴が提供禁止の原因になっているとみられています。
Damusの大きな特徴の1つとしては「検閲耐性があること」も挙げられており、公式サイトでは『Damusはオープンなインターネットプロトコル上に構築されているため、ユーザーを禁止・検閲できるプラットフォームはない。あなたは自分のデータと投稿をコントロールできる』と説明されていますが、そのような検閲耐性を持つプラットフォームは犯罪や詐欺などに悪用される可能性があることから問題視もされています。
中国は特に検閲が特に厳しい国の1つとして知られていますが、最近では日本を含む他の国でも「匿名性が高いアプリ・サービス」や「検閲耐性があるサービスを利用した犯罪」が問題視されているため、今後の各国の対応などには注目が集まっています。