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仮想通貨取引のルール強化!インサイダー規制に続き業務改善命令も

仮想通貨取引の規制強化がさらに加速しています。本日19日に日本の金融庁は、国内で営業している複数の仮想通貨交換業社に対して新たに業務改善命令を下す方針を固め、主要取引所が参加している『日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)』は自主的にインサイダー規制を導入する方針を明らかにしました。

取引所への業務改善命令|金融庁

金融庁は仮想通貨取引所bitFlyer(ビットフライヤー)などの複数社に対して改正資金決済法に基づく業務改善命令を今週中にも出す方針を固めました。対象となっているのはいずれも金融庁の審査を通過した登録業者で、マネーロンダリング(資金洗浄)対策など内部管理体制に不備があると判断されています。

今回の業務改善命令は、
bitFlyer(ビットフライヤー)
bitbank(ビットバンク)
Techbureau(テックビューロ)
GMOコイン
・QUOINEX(コインエクスチェンジ)
などの複数社が対象となっています。

今年の1月にcoincheck(コインチェック)から約580億円相当の仮想通貨ネム(XEM)が不正に流出した事件を受けて、金融庁は登録申請中のみなし業者への立ち入り検査を実施するとともに、これら登録業者への立ち入り検査を進めてきました。

検査を行った結果、仮想通貨取引量が拡大しているのに対して従業員の数が足りていなかった他、資金洗浄など犯罪に関係があると見られる取引の確認が不十分であったことなど、内部管理体制の問題が相次いでみつかったと報じられています。

仮想通貨の取引量が急速に増加していることや、ユーザー数の増加、預かり資産が拡大していることなども踏まえて、業容拡大に伴うセキュリティ対策や資金洗浄対策などの強化を促すために厳しい姿勢で臨むとされています。

インサイダー規制

また、日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)は、仮想通貨取引のインサイダー規制を導入する方針を明らかにしています。

日本国内における仮想通貨交換会社の役職員に対して、事前に入手した情報を基にした取引を禁じることなどをメインとした自主規制案を27日のJVCEA総会で発表する予定となっています。金融庁も自主規制ルールを整備するとしており、自主規制団体の認定が出次第、適用が開始されます。

今回新たに作られる規則では『仮想通貨の内部関係者のみが知り得る情報を使用した不適切な取引を未然に防ぐ』ことが明記されました。これによって今後は、市場で意図的な情報流出により価格のつり上げが行われ、関与していたことがわかった場合には規則違反になります。

内部関係者の対象者には、
・仮想通貨の発生・移転の記録者
・株主
・役職員
・その配偶者と同居人
などが含まれています。

具体的な罰則などについては、今後の話し合いによって詳細が決定されることになっており、不正取引の排除を目指した取り組みが実施されることになります。

モネロ不正採掘で逮捕者

この他にも仮想通貨関連の新たなルールが定められています。
新しいルールでは、マネーロンダリングやテロ資金供与に利用される可能性が高い通貨や転移記録や追跡が難しい通貨、公認会計士や監査法人による監視が難しい通貨の取り扱いは禁止されています。

このルールによって、モネロ(XMR)ジーキャッシュ(ZEC)ダッシュ(DASH)などの取引記録の追跡が困難な通貨は、日本の取引所では取り扱いができなくなります。この件については以前からユーザーにも報告されており、コインチェックも6月18日からこれらの通貨の取り扱いを廃止しています。

6月14日には、愛知県警が仮想通貨の「不正採掘」を巡り、アダルトサイトを運営する20代の男性を書類送検しています。

今回の規制強化によって、今後も新たな逮捕者も出てくることも考えられます。これからも新しく定められるルールにも常に注意も向けて、法律や決まりに基づいた適切な取引を行うようにしましょう。

逮捕者に関するニュースはこちらの記事で紹介しています