ドージコイン(DOGE)「ミームを超えて主流の資産になりつつある」21Sharesレポート

by BITTIMES

ドージコイン、主要仮想通貨へ成長

仮想通貨(暗号資産)の投資信託を手がけるスイスの資産運用会社「21Shares」は2025年4月9日に、仮想通貨ドージコイン(DOGE)が「ジョークの域を超えて主要な投資対象になりつつある」とするレポートを発表しました。

同レポートでは、ジョークとして誕生したドージコインが、熱心なコミュニティの支持や大手企業による導入を通じて「世界的な仮想通貨」へと発展した経緯が詳しく解説されています。

ドージコインは2013年の開発当初、インターネット上の流行ネタ(柴犬をモチーフにしたジョーク仮想通貨)に過ぎませんでしたが、現在では世界で8番目の時価総額を誇る仮想通貨に成長し、その規模は約230億ドル(約3.3兆円)に達しています。

21Sharesレポートが示すドージコインの可能性

21Sharesのレポートによると、ドージコインは過去10年間で13万%を超える目覚ましい収益率を達成し、主要な上位25銘柄の中で最も高いパフォーマンスを記録しました。これは年平均で約127%の成長率に相当します。

また、低い取引手数料や素早い送金処理などの技術的メリットに加え、テスラ、AMC、Neweggなど大手企業による受け入れが、少額決済やチップといった実用的な利用を広げています。

ドージコインを保有するウォレット数も着実に増加しており、2021年5月に史上最高値を記録した後も伸び続けています。ウォレット数は4年弱で約4,400万から8,400万超へと倍増し、個人投資家だけでなく幅広い層にドージコインの利用が広がっていることを表しています。

DOGE価格と保有者推移画像DOGE価格とアドレス数の推移(画像:21Sharesレポート)

さらに同レポートでは、ドージコインが初めて仮想通貨に触れる投資家の入門通貨となっている点にも言及しています。親しみやすいコミュニティやユーモラスな雰囲気が、多くの新規参入者を市場に呼び込んできたとしています。

最近では、ドージコインに連動した上場投資商品(ETP)など従来型の金融商品も登場し始め、これまで仮想通貨に縁のなかった伝統的な投資家層にもアプローチが可能となっています​。

21Sharesはレポートの中で、ドージコインが「古参の犬(oldest dog)」として新たな投資家層に受け入れられつつあると指摘し、ジョーク通貨から本格的な資産への転換期を迎えていると強調しています。

広がるドージコインの活用

ドージコイン(DOGE)は現在、機関投資家向け新商品の登場やETF申請を追い風に金融市場での地位を強めています。また、「House of Doge」が始めた準備金制度など実際の利用拡大に向けた取り組みも進み、決済手段としての使いやすさも向上しています。

こうした動きが本格的な投資対象としての評価を高めています。

機関投資家の参入進む

米国の資産運用大手グレースケールは2025年1月31日、ドージコインに特化した投資信託「Grayscale Dogecoin Trust」を設立しました。

グレースケールは同ファンドについて「ドージコインはネタ通貨から世界的な金融サービス提供手段や実用的な決済手段へと変わってきた」と説明し、当初はジョークと見られていたドージコインが実用性を持つ資産に成長したとの見方を示しています。

グレースケールの責任者レイハネ・シャリフ=アスカリ氏も「ドージコインは従来の金融サービスを十分に利用できない人々に金融参加の機会をもたらしている」と語っています。

ドージコインETF申請の動き

仮想通貨運用会社のビットワイズは2025年1月28日、SEC(米証券取引委員会)現物ドージコインETFの登録申請書を提出しました。

同社のマット・ホーガン最高投資責任者(CIO)は「多くの投資家がドージコインへの投資を求めています。ドージコインは現在、世界で8番目に大きな仮想通貨となり、1日の取引高は10億ドル(約1,430億円)を超えています」と述べ、機関投資家が従来の金融商品を通じてドージコインに投資できる意味を強調しました。

さらにスイスの21Sharesも2025年4月、米国市場初となる可能性のあるドージコイン現物ETFの申請を行っており、ミームコインの投資商品化が続いています。

ドージコインの実需拡大

2025年3月24日には、ドージコイン財団の商業部門「House of Doge(ハウス・オブ・ドージ)」が公式のドージコイン準備金(リザーブ)制度の開始を発表しました。

この準備金制度は、世界中の加盟店がドージコインでの支払いをスムーズに処理できるようにする資金(流動性プール)です。House of Dogeは制度開始にあたり1,000万DOGE(約183万ドル/約2.8億円相当)を市場から調達し、決済の迅速化や安定性向上を進め、日常的なドージコイン利用環境の整備に取り組んでいます。

ドージコイン財団はこの取り組みによって決済の即時処理や安定性向上を実現し、日常生活での利用を促進する考えを示しています。

DOGE「ミームコイン」から本格資産へ

ドージコイン(DOGE)は「ミームコイン」というイメージを脱し、実用性の広がりや投資商品化の進展によって金融市場での地位を着実に固めつつあります。

ETFの申請や準備金制度など具体的な取り組みが前進していることから、これまで仮想通貨に関心が薄かった投資家層からも注目を集めています。

ジョークから生まれたドージコインは、今や世界中の金融サービスを広げる正当な投資資産として新たな一歩を踏み出しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.59円)

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Source:21Sharesレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像

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