SHIB提携のZAMA「機密性ブロックチェーン・プロトコル」と「5,700万ドルの資金調達」発表

SHIB提携のZAMA「機密性ブロックチェーン・プロトコル」と「5,700万ドルの資金調達」発表(Zama, Partnered with SHIB, Launches Confidential Blockchain Protocol and Raises $57M)
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「Zama Protocol」と「資金調達」の発表

シバイヌ(Shiba Inu/SHIB)と提携していることでも知られる暗号技術企業「ZAMA」の共同創設者兼CEOであるランド・ヒンディ氏は2025年6月26日に、完全準同型暗号(FHE)を活用したプロトコルである「Zama Confidential Blockchain Protocol」と、5,700万ドル(約82億円)のシリーズB資金調達(企業評価額10億ドル超)を発表しました。

ZAMAは、データを復号化することなく暗号化したまま処理できる暗号化技術である完全準同型暗号(FHE)を活用したソリューションを開発しているオープンソースの暗号技術企業であり、2024年2月末には仮想通貨プロジェクトの「SHIB」とのパートナーシップを締結したことでも注目されています。

今回の資金調達ラウンドは「Pantera Capital」と「Blockchange」が主導したもので、2025年7月1日に「Zama Protocol」のテストネット公開を予定していることも報告されています。

Zama Confidential Blockchain Protocolとは

Zama Confidential Blockchain Protocol(Zama機密性ブロックチェーンプロトコル/Zama Protocol)は、ブロックチェーン上で完全なプライバシーを保ったままスマートコントラクトを実行できるプロトコルであり、公式発表では「既存のL1/L2チェーン上に機密性を備えたスマートコントラクトを実装できるクロスチェーン・レイヤー」として紹介されています。

このプロトコルは完全準同型暗号(FHE)を活用したもので、トランザクションやデータを暗号化したまま処理・検証することを可能にしています。

また、Zama Protocolは新しいチェーンではなく「既存チェーンに機密性の機能を追加する中間レイヤー」として機能するため、イーサリアムソラナなどの既存ブロックチェーン上に存在する分散型アプリケーション(DApps)にも機密性機能を拡張することが可能となっています。

このプロトコルは「ブロックチェーン×プライバシー保護」の分野で幅広く活用できる技術として注目されており、具体的な特徴や主なユースケースとしては以下のようなものが挙げられています。

Zama Protocolの主な特徴

  • 機密性スマートコントラクト
    スマートコントラクトを用いた取引に含まれる「トランザクション入力」や「ステート」などのデータを完全暗号化するため、ノード運営者を含め誰もトランザクションの中身を見ることができない。例えば、支払い金額や受取人アドレスなどもすべて暗号化された状態で処理される。
  • 既存チェーンに対応するレイヤー型プロトコル
    新しいブロックチェーンを作るのではなく、イーサリアムやソラナなどの既存L1/L2の上で動作するため、ユーザーは別チェーンにブリッジすることなく、そのままZamaの機能を利用できる。
  • プライバシー関連設計を自由にプログラム可能
    機密・非機密コントラクトの組み合わせや相互運用が可能で、開発者は「誰が何を復号できるか」を細かく制御できる。開発者は「誰が何を復号(閲覧)できるか」をスマートコントラクト内で自由に設計できるため、例えば「ユーザー自身のみが閲覧できる設定」などを実現できる。

従来の完全準同型暗号(FHE)は「遅い・扱いにくい・用途が限定的」などの問題を抱えていたものの、Zamaは5年をかけてこの課題に取り組むことによって「PythonやSolidityで使える開発環境・過去比100倍以上の高速化・量子コンピュータ耐性(ポスト量子安全)」を実現し、マルチパーティ計算(MPC)やゼロ知識証明(ZK)を組み合わせることによって他のプライバシー技術では困難な課題も解決していると説明されています。

Zama Protocolの主なユースケース

  • プライバシー対応のステーブルコイン決済
    機密性のある決済が可能なため、金額・残高を完全に秘匿したままのステーブルコイン決済を行うことが可能になり、本人確認(KYC)や資金洗浄対策(AML)にも対応できる。
  • 金融資産のトークン化とRWA対応
    株式・債券・ファンド持分といった現実資産(RWA)を既存のパブリックチェーン上で秘匿性を保ったままトークン化することが可能になる。
  • 秘匿オークション
    オンチェーンの入札にも活用できるため、入札金額が他人にバレない「密封入札」などが可能になる
  • 秘匿エアドロップ
    エアドロップ(トークンの無料配布)に技術を活用すれば、分配額を非公開にして、配布数量や報酬を公開せずにトークンを配布することが可能になる。
  • 機密性の高いDAO運営
    オンチェーン企業の運営に技術を活用すれば、取締役会議事録・財務情報などを暗号化することが可能で、DAO運営で投票内容や財務情報なども非公開のまま運用できる。

なお、ランド・ヒンディ氏の発表では「現在の処理性能は毎秒約20トランザクション(tps)であるものの、ASICなどの専用ハードウェア加速によって1チェーンあたり10,000件/秒以上のスケーリングを目指す」ということも説明されています。

今後の展開について

ランド・ヒンディ氏の発表によると、2025年7月1日には「Zama Protocolのテストネット開始」が予定されているとのことで、数ヶ月以内にはイーサリアムでの本番稼働も予定されていると報告されています。

イーサリアムでの本番稼働後は、イーサリアム仮想マシン(EVM)チェーン全般への展開も予定されており、その後はソラナへの展開も予定していると報告されているため、Zama Protocolの活用範囲は今後大きく広がっていくことになると予想されます。

また、発表内では「$ZAMAトークンも同時にローンチ予定」と報告されていて、詳細は追って発表すると説明されているため、今後の続報などにも注目です。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.22円)

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source:ランド・ヒンディ氏発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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