XRPレジャー「AI×専任チーム」で先手型防衛へ、10年超のコードベースに3本柱

XRPレジャー「AI×専任チーム」で先手型防衛へ、10年超のコードベースに3本柱

この記事の要点

  • 米Rippleが2026年3月26日、XRPLの新セキュリティ体制を発表
  • AI・専任レッドチーム・審査強化の3本柱を新たに導入
  • 従来の事後対応から事前検知型への運用モデルへ転換
  • 機関投資家利用拡大を背景にインフラ信頼性の要求が上昇
目次

リップル、XRPLに3本柱のセキュリティ体制を導入

Ripple(リップル)は2026年3月26日、XRPレジャー(XRPL)のセキュリティ体制を刷新し、従来の事後対応型から「事前検知・攻撃前提」へと軸足を移す新たな取り組みを発表しました。

今回の施策では、「AI支援によるコードスキャン・レビュー」「専任レッドチームの設置」「アメンドメント(機能追加プロセス)の審査基準引き上げ」という3本柱が導入されます。

グローバル決済やトークン化、機関投資家向けインフラとしての利用が拡大するなか、XRPLの信頼性を継続的に高める体制へと転換する方針です。

XRPLは2012年の稼働開始以来、1億件以上のレジャー処理と30億件超のトランザクションを記録してきました。一方で、10年以上にわたり拡張されてきたコードベースには複雑性が蓄積しており、未知の脆弱性リスクへの対応が不可欠となっています。

今回の取り組みは、こうした長期運用システムに内在する課題に対する構造的な解決策として位置づけられます。

AI・専任チーム・審査強化、XRPLが導入する3つの防衛策

今回導入される3つの施策は、それぞれ異なるレイヤーからXRPLのセキュリティを強化する設計となっています。

AIが手動では追えないエッジケースを探索、多層テスト体制へ

ブロックチェーンの解析とテストは、AIの進化によって従来の手法では発見困難だったエッジケースや潜在的な障害モードを体系的に探索できる段階に入っています。

とくにXRPLのように、10年以上にわたって運用と機能拡張を重ねてきたシステムでは、コードベースの複雑化に伴って潜在リスクも増加しており、AIによる探索能力の重要性が高まっています。

リップルはこの変化を「reactive(事後対処)からproactive(事前発見)への転換」と表現しており、XRPLを対象に開発ライフサイクル全体へAIを組み込む方針を打ち出しました。

具体的には、すべてのプルリクエスト(PR)に対するAI支援レビュー、定期的な敵対的コードスキャン、新旧機能間の相互作用を対象とした脅威モデリングと攻撃面マッピングが実装されます。

手動では生成困難なストレスシナリオをAIでシミュレートする仕組みも加わり、問題の早期発見と迅速な修正を目指す多層的な構造となっています。

専任レッドチームを新設、攻撃者視点でXRPLを継続検証

今回新設された専任レッドチームは、XRPLのコードベースとプロトコル設計を継続的に分析し、攻撃者の視点から脆弱性を探索するチームです。

従来のセキュリティ対応が問題の発覚後に対処する形をとっていたのに対し、専任チームは常時稼働で攻撃シナリオを検証し、本番環境に到達する前に問題を封じ込める体制を担います。

リップルはこのチームにもAI支援を組み込んでおり、人間のセキュリティエンジニアとAIが連携して分析を進める体制をとっています。

XRPLのコードベースが長年の機能追加によって複雑化するなか、AIが人手では追いきれない範囲の探索を担うことで、分析の網羅性を高める方針です。

リップルの公式ブログによれば、レッドチームはすでに10件以上のバグを発見しており、現時点で公開されているのは深刻度の低い案件のみとされています。これは重大な問題が本番環境に影響する前段階で検知されていることを示しています。

「承認前の検証」を多段階化、XRPLの機能追加に新たな安全基準

アメンドメント(機能追加プロセス)とは、XRPLにネットワーク機能を追加・変更する際に使われる正式なプロセスで、バリデーター(台帳の承認者)の80%以上が一定期間承認した段階で有効化されます。

今回の改革では、この有効化前段階のコードレビューと安全性検証の基準が引き上げられます。

新機能が既存の機能との相互作用においてどのようなリスクをもたらすかを事前に精査するプロセスが強化され、本番ネットワークへの影響を最小化する体制が整えられます。

リップルはこの審査強化を「長期稼働システムの保守責任」と位置づけており、規模・複雑性・重要性が増すXRPLにとってセキュリティ投資は選択ではなく継続的な責務だと明らかにしています。

機関投資家の需要が加速、XRPLのセキュリティ水準が問われる局面

XRPLをめぐっては、シンガポール金融管理局(MAS)が主導するイニシアティブ「BLOOM」への参加など、機関投資家向けインフラとしての実用化が着実に進んでいます。

コインベースとEY-Parthenonの調査では機関投資家の25%がXRPの新規組み入れを計画していることも明らかになっており、インフラとしての堅牢性への要求水準は高まっています。

RWA(現実資産)トークン化やグローバル決済を担うインフラとして採用が広がるほど、単一の脆弱性がもたらすリスクの規模も大きくなります。

今回のAI導入とレッドチーム設置は、こうした成長局面における制度的な信頼性の担保を意図したものとみられています。

セキュリティ基盤の強化と機関投資家向けユースケースの拡充が同時に進むなか、XRPLが次の成長フェーズをどのように構築していくか、引き続き注目されます。

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Source:Ripple公式ブログ
サムネイル:AIによる生成画像

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