この記事の要点
- Arkhamのオンチェーン分析でedgeXエアドロップの不透明な配分が発覚
- 総供給量14%(150億円相当)がパートナー向けに流出していた疑惑
- 同じポイント数でも受取額に最大22倍の差、2次市場購入者に損失
- edgeXはコメント欄を予告なく閉鎖、コミュニティの不信がTGE後も続く
Arkhamが指摘した「総供給量14%」の行方
2026年4月1日、オンチェーン分析プラットフォームArkham(アーカム)がXで公開した分析により、分散型デリバティブ取引所edgeX(エッジX)のトークン「EDGE」エアドロップ配分を巡る疑惑が浮上しました。
同分析によると、エアドロップとして配布された約1億9,500万ドル(約310億円)規模のトークンのうち、総供給量の14%にあたる約9,460万ドル(約150億円)が、一般ユーザーではなく「パートナーおよび流動性提供者」に向けられていたことが確認されています。
EDGEX AIRDROP – FULL BREAKDOWN
EdgeX airdropped $195 MILLION to their users. Or did they?
After on-chain sleuths called them out, EdgeX revealed that 14% of the airdrop was actually directed towards ‘partners and liquidity providers’. That’s $94.6M – almost HALF of the airdrop. pic.twitter.com/WvhMIU0eD4
— Arkham (@arkham) March 31, 2026
EdgeXエアドロップ
EdgeXはユーザーに1億9,500万ドル相当をエアドロップした、と発表しました。本当にそうでしょうか?
オンチェーンの調査で問題が指摘された後、EdgeXはエアドロップのうち14%が実際には「パートナーや流動性提供者」に配布されていたことを明らかにしました。
これは9,460万ドル、ほぼエアドロップ総額の半分にあたります。
コミュニティでは当初、ポイント保有者向けの配分が総供給量の21%に相当するとの認識が広まっていました。Arkhamの分析が示した実態を受け、実質的には7%程度に圧縮されていたのではないかとの見方が広がっており、配分への不信が一気に高まっています。
批判が高まるなか、edgeXはTGE(トークン新規発行イベント)カウントダウン投稿のコメント欄を事前の告知なく閉鎖しており、この対応もコミュニティの不信感をさらに強める要因となっています。
TGE後に発覚、ルール変更と疑惑の連鎖
事後に判明した「重み付け」の存在
EdgeXはTGE(トークン新規発行イベント)にあたり、ポイントプログラムの参加者に対して「ウィッチアカウントの調査を行わない」「ポイントはトークンに変換される」と約束していました。しかしTGE後、同一のポイント数を持つユーザー間でも受取量に大きな差が生じる事態が発覚しました。
プロジェクト側は、ポイントの取得源によって重み付けが異なっていたことを事後に認めました。この仕組みは事前に明示されておらず、コミュニティではルールの後出し変更だとする批判が相次いでいます。
実際、同じ取引量でポイントを獲得したにもかかわらず、受け取れたトークン数はユーザーによって最大22倍の差が生じており、1ポイントあたり0.5トークンしか受け取れなかったケースも報告されています。
インサイダー疑惑と著名インフルエンサーの告発
2次市場でポイントを購入したユーザーへの打撃は特に大きく、受け取れると見込んでいた報酬を大きく下回ったとする声が相次いでおり、損失を被ったユーザーからの批判が集中しています。
こうしたなか、複数の著名インフルエンサーが、低スコアの関連アドレス群がエアドロップの大部分を受け取っていると指摘しており、インサイダーによるフロントランニング疑惑も浮上しています。
中国語圏の著名インフルエンサーである冰蛙氏はXへの投稿で「同じスコアで異なる配分が生じ、ルールが恣意的に変更されるのはなぜか。投稿が削除され、ユーザーが排除され、議論が抑圧されるのはなぜか」と批判し、プロジェクトの姿勢を強く問題視しました。
「69.5%保有」Arkhamが指摘した集中の実態
アーカムの分析では、問題の14%にあたるトークンが複数の新規ウォレットに分散して送付されていたことが確認されています。ウォレット間の資金移動パターンやタイミングの一致から、マーケットメイカーなど特定の主体による管理である可能性が示唆されました。
さらに同分析では、初期開発者ウォレットから直接資金を受け取った関連ウォレット群が、総供給量の約69.5%を保有しているとの指摘もあります。
edgeXの釈明と消えない疑問
アーカムによる指摘を受け、エッジXは公式Xにて配分の内訳を説明しました。総供給量の14%にあたる約1億4,165万EDGEはパートナーおよび流動性提供者向けであり、1年間のロックアップが適用されるとしています。
これらの参加者は他のユーザーと同一条件でポイントプログラムに参加しており「配分額は提供した流動性の規模に基づいて算出された」と述べました。
しかしこの釈明に対しても「流動性提供者向けの14%」が当初公開されていたトークン配分のどこに該当するのか対応関係が示されていないとして、コミュニティ内では事前説明の不足を指摘する声が相次いでいます。
TGE前から予告なく閉鎖されていたコメント欄の存在も改めて問題視されており、プロジェクトへの不信はTGE後も続いています。
IPOを見据えた「ユーザー第一」の設計
DeFi全体に広がる情報開示のあり方
今回の炎上は、EdgeX固有の問題にとどまらず、DeFi(分散型金融)エアドロップ全体の設計への疑問として広がっています。
対比として取り上げられているのがハイパーリキッド(Hyperliquid)で、2024年11月のエアドロップでは総供給量の31%にあたる3億1,000万HYPEをコミュニティへ配布しました。
同プロジェクトはベンチャーキャピタルへの割り当てを行わず、ユーザー還元を優先した設計は業界内で高く評価され、EdgeXとの対比で注目されています。
両者の設計の差が対比されるなか、ポイントプログラムを通じた期待の形成と、TGE後に明らかになった実態との落差がいかにコミュニティの信頼を損なうか、エッジXの炎上を機に業界全体で議論が広がっています。
EdgeXが今後コミュニティの信頼をどう回復するか、また1年後のロックアップ解除時に市場への売り圧力がどう働くかが焦点となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.59 円)
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Source:Arkham投稿
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