金融庁「8カ国の金融制度」を調査、ステーブルコインで各国方針に差

金融庁「8カ国の金融制度」を調査、ステーブルコインで各国方針に差

この記事の要点

  • 金融庁が米英中など8地域の暗号資産規制を調査・公表
  • 米国は発行者を認可制、中国は取引を全面禁止で対照的

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目次

8カ国の暗号資産・SC規制を調査

金融庁は2026年10月30日、米国・英国・EU・ドイツ・フランス・シンガポール・中国・香港の8カ国・地域を対象とした「諸外国における金融制度の概要に関する調査」報告書を公表しました。

609ページに及ぶ報告書では、銀行・証券・保険などの金融制度に加え、暗号資産交換業者やステーブルコインに関する規制も対象となっており、各国の制度や監督体制が整理されています。

ステーブルコインについては、米国で「GENIUS(ジーニアス)法」が成立し、香港でも発行者の免許制度が導入されるなど、発行者に対する規制の枠組みが設けられています。

これに対して中国は、暗号資産(仮想通貨)に関する金融活動の全面禁止を維持しており、ステーブルコインの発行を認める地域とは異なる規制方針を採用しています。

発行者規制めぐり各国で方針に違い

米国、発行者に認可を義務付け

金融庁の報告書では、米国のステーブルコイン規制に関する主要な動きとして、2025年7月18日に成立した「GENIUS法」が取り上げられています。

同法は決済ステーブルコインの発行主体を「認可決済ステーブルコイン発行者(PPSI)」に限定し、準備資産の確保や償還、情報開示などを義務付けています。

また、認可された発行者がステーブルコインの保有や利用を理由として、保有者に利息を支払うことを禁止する規定も盛り込まれました。

同法は2027年1月18日、または規制当局による最終規則の公布から120日後のいずれか早い日に施行される規定となっており、米通貨監督庁(OCC)は10月21日に公表した最終規則で、2027年1月18日の施行を確認しています。

英国・香港も発行者を規制、EUは移行終了

発行者の資産管理や償還に関する規制は英国でも検討されており、金融庁の報告書には、金融行為規制機構(FCA)が公表したステーブルコイン発行者に対する規制案が記載されています。

英国の規制案では、発行者グループから独立した第三者による裏付け資産の保管や、償還請求を受けた翌営業日末までの額面払い戻しが求められ、保有者への利息分配も禁止する方針が示されました。

香港では同様の資産管理や償還に関する要件が既に制度化されており、2025年8月1日に施行された「ステーブルコイン条例」により、原則最低2,500万香港ドル(約5.0億円)の払込資本や、発行済みトークンの額面価値以上の準備資産の確保が義務付けられています。

EUでも暗号資産の発行者やサービス事業者を対象とする「MiCA規則」が適用され、既存の暗号資産サービスプロバイダー(CASP)に認められていた経過措置は2026年7月1日に終了しました。

中国は仮想通貨取引を禁止、RWAも規制

これに対して中国では、中国人民銀行など8部門が2026年2月6日、暗号資産に関する新たな通知を公布し、2021年の旧通知を廃止しました。

新通知では暗号資産関連の金融活動に対する禁止措置が維持され、法定通貨との交換や暗号資産間の取引、取引仲介などが違法な金融活動とされています。

禁止対象には人民元に連動するステーブルコインの無許可での海外発行も含まれており、中国国外での発行活動にも規制が及んでいます。

暗号資産に関連する金融活動の規制はRWA(現実資産トークン化)にも及び、中国国内での発行・取引や関連サービスを原則禁止とする一方、主管部門の承認を受けた特定の金融インフラ上での活動には例外が認められています。

法域 暗号資産・ステーブルコイン規制の方向性
米国 ジーニアス法で認可発行者制度を導入、2027年1月18日施行予定
英国 FCAが第三者保管・翌営業日末までの償還・利息分配禁止を含む規制案を提示
EU MiCA規則を適用、既存CASPの経過措置は2026年7月1日に終了
中国 暗号資産関連の金融活動を原則禁止、人民元連動型の無許可海外発行も禁止
香港 ステーブルコイン条例で発行者を免許制とし、原則最低資本2,500万香港ドルを要求

米OCCが追加指針、認可手続を具体化

今回の報告書は渥美坂井法律事務所・外国法共同事業が2026年3月付でまとめたもので、金融庁は日本を含む金融監督体制の比較表も併せて公表しました。

報告書で取り上げられた米国のジーニアス法については、作成後の2026年10月21日に米通貨監督庁(OCC)が発行者の認可申請手続を明確化する追加指針を発表しました。

同指針では、認可申請が審査中の既存発行者について、一定の条件を満たす場合に最長12カ月間の要件免除を申請できることが明示されており、金融庁の調査報告書がまとめられた後も、米国では制度の施行に向けた移行措置が具体化しています。

Source:金融庁 公表ページ / 報告書本体 / 各国比較表
サムネイル:AIによる生成画像

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=円)

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Source:金融庁発表 / 報告書 / 各国比較表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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