暗号通貨(Cryptocurrency)の価値が法定通貨などのその他の通貨に裏付けられている「ステーブルコイン(StableCoin)」を多数採用する仮想通貨取引所が増加しています。世界各国で数多くの銘柄の取引サービスを提供している「Huobi Global(フォビ・グローバル)」は、新たに4つの安定仮想通貨をリストに追加することを発表しました。
こちらから読む:Huobiなどでの採用が続く「ステーブルコイン」とは
ステーブルコイン4銘柄を追加|Huobi Global
世界各国の規制に準拠しつつ事業規模を拡大し続けている「Huobi Global(フォビ・グローバル)」は、2018年10月19日から新たに4つの「安定仮想通貨」を取り扱いリストに追加することを発表しました。
新しく追加される仮想通貨は、
・Paxos Standard Token(PAX)
・Gemini Dollar(GUSD)
・TrueUSD(TUSD)
・USD//Coin(USDC)
という4つの新しいステーブルコインとなっており、これらの通貨はすでに「Huobi Wallet」で利用可能になっているとも伝えられています。
テザー(Tether/USDT)に募る不信感
これまで多くの仮想通貨取引所で一般的に使用されていた安定仮想通貨として広く知られているテザー(Tether/USDT)は、
・ビットコイン(BTC)の価格を吊り上げているのではないか?
・価値の担保となる米ドル(USD)は存在しているのか?
・透明性が欠如している
などのような様々な疑惑が浮上しており、投資家からの信頼を失いつつあります。本来は米ドル価格と連動しているはずのUSDT価格にはここ数日で大きな乱れが生じており、先日はUSD価格との間に4円以上もの価格差も生まれています。
このような背景もあり、現在は世界的に取引量の多い大手仮想通貨取引所がテザー以外の安定仮想通貨を新たに採用し始めています。15日には大手仮想通貨取引所OKExが今回のHuobiと同様の4銘柄の追加を発表しており、その他の仮想通貨取引所もこれに続く動きが見られています。
テザー売りでビットコインが高騰?
Huobiに追加される安定仮想通貨
Huobiで2018年10月19日から取り扱いが開始される安定仮想通貨「4銘柄」の特徴は次の通りです。
Paxos Standard Token(PAX)
Paxos Standard Token(PAX)は、「Paxos Trust Company」が発行しているニューヨーク州金融サービス省が規制している安定仮想通貨です。米ドル(USD)によって完全に担保されており、1対1で償還可能な全く新しいデジタル資産です。
PAXは、金融規制当局の監督下でブロックチェーン技術の利点を活かして参加者が米ドルおよび米ドル建て資産と取引することを可能にしています。
TrueUSD(TUSD)
TrueUSD(TUSD)は、専用の信託会社によって担保された米ドル建ての安定仮想通貨です。米ドルで価値が担保されており、第三者の証明書によって透明性が検証されています。
USD//Coin(USDC)
USD//Coin(USDC)は、Circle(サークル)社が発行しているオープンソースの米ドル建て安定仮想通貨です。定期的に保有額を公表することによって透明性が確保されています。
USDCは、詳細な財務および業務の透明性を備えたソリューションを提供することによって、現在の仮想通貨市場に存在する多くの問題を解決しています。
Gemini Dollar(GUSD)
Gemini Dollar(GUSD)は、米国の仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)が発行する米ドルの価格と価値が連動している安定仮想通貨であり、米国の規制当局から正式に認可を受けた世界で初めての「規制された安定仮想通貨」でもあります。
ここ最近では、米ドルと連動する安定仮想通貨だけでなく、世界各国の法定通貨に基づいた新しい安定仮想通貨が続々と発表されています。今回の流れで多くの安定仮想通貨が複数の仮想通貨取引所で利用できるようになりましたが、新たな安定仮想通貨を採用する動きは今後もさらに加速していくとも考えられます。