国家安全保障局(NSA)の告発者として知られるEdward Snowden(エドワード・スノーデン)氏は、McSweeney誌とのインタビューの中で、新しいデータベースであるブロックチェーン(Blockchain)には大きな可能性が秘められており、ビットコイン(BTC)は世界初の「自由なお金」だと語りました。同氏は”信頼”に基づく仮想通貨は銀行なしでの取引を望む人がいる限り評価され続ける可能性が高いと述べています。
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Edward Snowden(エドワード・スノーデン)とは
Edward Snowden(エドワード・スノーデン)氏は、アメリカ国家安全保障局(NSA)および中央情報局(CIA)の元局員であり、アメリカ連邦政府の情報収集活動に関わりを持っていた人物です。2013年6月に複数のメディアを通じてNSAによる「個人情報収集」の手口を告発し、機密文書を公開したことによって世界的に知られる人物となりました。
その後、米国の司法当局によって逮捕命令が出されたことによって、アメリカ国外への亡命を行い、現在はロシアに滞在しています。スノーデン氏はNSAやCIAに勤務していた時に目撃したアメリカ政府の悪質な行為に幻滅したと語っており、そのような複数の要因から「機密資料」を公開する決断に至ったとされています。
McSweeney誌に掲載されたインタビュー記事には、アメリカ自由人権協会(ACLU)の弁護士であるベン・ウィズナー(Ben Wizner)氏とスノーデン氏の会話の中で彼がブロックチェーンやビットコインの利点について語った内容が記されています。
ブロックチェーンは「新しいデータベース」
スノーデン氏は、ブロックチェーン技術は基本的に「新しい種類のデータベース」だと述べており、ブロックチェーンは理論的には様々な形で応用することができるものの、機械的に理解することが重要だと説明しています。
同氏は「公共の重要なデータが一部の合同会社によって独占的に保管されている社会システムの代わりに、100の管轄を持ち1,000箇所に分散化されたシステムでそれらのデータを管理できること」を想像してみるべきだと勧めています。スノーデン氏は、それらのシステムには突然閉鎖されるような仕組みがなく、悪いものへと切り替えるボタンもなく、ルールを変更しようとする場合には少なくとも51%の合意が必要であると付け加えました。
スノーデン氏は、優れた設計がなされているブロックチェーンであれば実際に改ざんすることは不可能だと述べており、何が真実であるかを証明することができれば今の世の中を大きく発展させることにつながると説明しています。
しかしながらスノーデン氏は、ウィズナー氏からの『ブロックチェーン技術が”Amazon”や”Google”などの大手企業による独占状態を弱める可能性があるか?』という問いに対しては、そのような主張は「希望的な考え方」に過ぎないと述べています。
仮想通貨は「自由への鍵」
ビットコイン(BTC)についても語ったスノーデン氏は、ビットコインを「匿名性の高いお金」と呼ぶのは間違っていることを指摘しており、実際には世界初の「自由なお金」であり、仲介者を必要とせずに取引を行うことができることによって評価されていると説明しています。
スノーデン氏は以前にも、国家安全保障局(NSA)が世界中のビットコイン取引を数年間に渡って監視していると述べており、ユーザのパスワード、インターネット活動状況、固有機器識別番号などの個人情報は全て収集されていると語っています。
同氏は”お金”がなぜ価値を持っているかについて「金」を例えに説明を行なっており、実際には”実用的な使用用途”をそれほど多くは持っていない”金”に高い価値がつけられているのは、人々が「金には”実用的な価値”よりも高い価値がある」ということで合意しているからだと説明しています。これはつまり「現在の”金の価値”を支えているのはそれを購入する人々からの”信頼”である」ということになります
スノーデン氏は、ビットコインの価値の基盤を支えているのも人々による”信頼”であると述べており、これまで使用されていた”古いデータベース”では『新しい情報をその上に上書き保存するだけで簡単に内容を変更することができる』と説明した上で、そのような古いデータベースで自分自身の”銀行残高”が記録されていることをもう一度深く考えるべきだと述べています。
仮想通貨に価値を生み出す唯一のものは「人々の交換手段として有用性が高いという信頼」だと語るスノーデン氏は、銀行を必要とせずにお金を移動したいと考えている人がいる限り、仮想通貨は評価される可能性が高いと述べています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の価格|2018年11月25日
スノーデン氏は、自由な取引を望む人々によって仮想通貨が長期的に評価を受ける可能性があると語っていますが、最近ではビットコインの価格上昇につながる要因の一つとして考えられていた仮想通貨取引プラットフォーム「Bakkt(バックト)」によるビットコイン先物取引が延期されることも発表されており、BTC価格はこれから約34万円ほどにまで下落するとの意見も出てきています。
度重なるネガティブな報道などの影響もあり、2018年11月25日時点のビットコイン価格は「1BTC=約420,000円」にまで下落しています。
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