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仮想通貨業界「教育」が今後の重要課題|知識不足が多くの問題を招く:Mati Greenspan


仮想通貨の専門家として知られるeToro(イートロ)のシニアアナリストMati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏は、Express UKとのインタビューで『暗号通貨の認知度はすでにピークに達した』と語り、今後は一般の人々が「暗号資産の根底にある技術」や「ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは何なのか」を理解した上で使用し、その価値を理解することが重要になると説明しました。

こちらから読む:仮想通貨の根底を支える「ブロックチェーン技術」とは?

資産運用会社でさえも「知識不足」

Mati Greenspan(マティ・グリーンスパン)氏は、仮想通貨の認知度は十分に高まっているものの、それらの技術に関連する知識理解は多くの面で欠如していると指摘しており、技術に関する教育の欠如が仮想通貨業界に多くの問題を引き起こしていると説明しています。

仮想通貨やブロックチェーン技術について深く理解するためには、コンピューターやプログラミングに関する基本的な知識に加え、経済などに関する問題点や国際的なニュースなどにも目を向けることが重要になります。これらが複雑に絡み合うことによって「仮想通貨=難しい」というイメージも生まれており、誤った認識が広がり誤解が一般化するようなことも頻繁に発生しています。

グリーンスパン氏は米国で世論調査を行なった結果、非常に多くの人々が「仮想通貨についてもっと学び、業界に参加したい」と考えているのと同時に「自分自身の仮想通貨に関する知識に自信がない」とも思っていることが明らかになったと説明しています。

さらに同氏は英国で同様の調査を行なった結果、一般の消費者だけでなく資産運用会社もこの分野の知識が欠如していることが明らかになったとも述べており、『2019年は仮想通貨やブロックチェーンの”教育”が最重要課題となるべきだ』と語っています。

成長の鍵は「質の高い教育」

世界的にも有名な英国の学者であるSally Eaves(サリー・イーブス)教授もグリーンスパン氏と同様の意見を支持しており、最近の調査で「英国人口の38%が仮想通貨を理解できておらず、61%の人々がもっと学びたい」と回答したことを語っています。

イーブス教授は、仮想通貨の採用や成長は「”質の高い情報”への意識の高まり」や「技術の利便性」にかかっていると説明しており、技術面における誤った情報や誤解、それに伴う「技術の誤用」などの問題を解決する必要があると訴えています。

同氏はこのような問題は「偏りのない教育」を提供することができれば大きく改善することができると考えており、基本的な知識理解を多くの人々に浸透させることによって、自然と誤解がなくなり、より良いアプリケーションを生み出すことにも繋がるため、しっかりとした「教育」を行なっていくことが非常に重要であると語っています。

ブロックチェーン教育活動への取り組み

イーサリアム(Ethereum/ETH)の共同設立者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、昨年9月時点でグリーンスパン氏らと同様の意見を語っています。

ブテリン氏は当時、価格下落が続くETH市場への見解として『技術的な認知度が十分に高まったため「マーケティング効果」による過度な価格上昇は今後起こらない』という意味で『仮想通貨は今後、1,000倍も成長するようなことはない』と発言しました。

当時は”仮想通貨が成長することはない”という点が注目を集めていたため、反対する意見も出ていましたが、ブテリン氏はこの発言と共に『次のステップへと進むためには既に仮想通貨に興味を持っている人たちの中から経済活動に本当に応用したいと考えている人々を関与させることが重要』だと説明しています。

仮想通貨業界の回復・成長のためには「教育」が必要不可欠だと考えている専門家は非常に多く、ブロックチェーン業界を牽引している主要人物や企業は価格の下落は気にせずに、世界各国の大学などを通じて人材育成や教育のための活動を続けています。

Ripple(リップル)ConsenSys(コンセンシス)NEM財団などは技術者を育成するための取り組みをすでに進めており、複数の大学などに対する支援活動なども行なっています。

2018年の仮想通貨業界は、技術開発の面では大きな成長を遂げたとも伝えられているため、2019年はこれらの技術を「よりわかりやく解説できるプロジェクト」や「技術的にも理解しやすく、利便性も高いアプリケーション」などが業界成長の鍵となると予想されます。


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