タイの大手商業銀行であるサイアム・コマーシャル・バンク(SCB)は今年第3四半期までに、現在採用しているRipple社のブロックチェーン技術による国際送金サービスにユーロとポンドのサポートを追加する予定です。
SCBが欧州のリップルパートナー銀行を検索した結果サービスをサポートしていたことから、ヨーロッパからの送金を見ている小売顧客にはブロックチェーンの送金が当初から利用可能であることが明らかになりました。
SCBの最高戦略責任者であるArak Sutivong氏によると、小売顧客からのタイへ向けた、ユーロとポンドの強い支払い流入があるとのことです。
タイ銀行のサンドボックス(*1)でサービスがテストされているにもかかわらず、これまで国際送金に利用可能であった通貨は日本円のみとなっていたようです。
(*1)サンドボックスとは、外部から受け取ったプログラムを保護された領域で動作させることで、システムが不正に操作されるのを防ぐセキュリティ機構のことです。
ヨーロッパの通貨のサービスは、最初はインバウンドの国境を越えた送金を利用している小売顧客に利用可能であり、銀行はリップルネットワークに参加する新しい銀行を探しています。
またアラブ首長国連邦準備銀行は、自らのサービスでも同じ技術プラットフォームを使用しているため「SCBが他の通貨を使用するだけであれば、規制サンドボックスで再度実験する必要はない」と語っています。
中央銀行は昨年6月に開始されたテストの後に、国際送金サービスがサンドボックスから出る許可を承認するのを待っています。
タイの銀行は「包括的に監視したいと考えているが、サービスシステムは安定している」と述べています。中央銀行はブロックチェーン技術を採用して、サプライチェーン部門の商業顧客にサービスを提供しています。
SCBは、SBIグループのサービスである「SBIレミット」と協力しリップルソリューションを利用して日本とタイ間でのリアルタイム送金を行っており、初期の段階では日本で働いているタイの小売顧客向けにサービスを提供しています。
日本には約40,000人のタイ人が住んでおり、日本からタイへ送金される額は、年間約2億5000万ドルにものぼるとされています。
(引用元:bangkokpost.com)