暗号資産取引所「KuCoin」大規模な出金を検出|複数銘柄でハッキング被害か
暗号資産取引所「KuCoin(クーコイン)」は2020年9月26日に、同取引所で多額の出金が行われていたことについての公式発表を行い『現在大量出金に調査を行なっている』と説明しました。KuCoinの公式発表によると、今回の出金では同取引所のホットウォレットに保管されていたビットコイン(BTC)やERC20トークンなどが移動されたと報告されています。
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KuCoin「暗号資産複数の大量出金」を確認
KuCoin(クーコイン)は2020年9月26日のツイートで、同取引所から大量の出金が行われたことを報告し、現在その調査に取り組んでいることを報告しました。KuCoinの報告によると、今回出金されたのはKuCoinのホットウォレットに保管されていた暗号資産であり、それらの中にはビットコイン(BTC)やERC20トークンを含めた複数の暗号資産が含まれていたとされています。
(1/4) We detected some large withdrawals since Sep 26 at 03:05 UTC+8. According to the latest internal security audit report, part of BTC, ERC-20 and other tokens in KuCoin's hot wallets were transferred out of the exchange, which contained few parts of our total assets holdings
— KUCOIN (@kucoincom) September 26, 2020
(1/4)私たちは9月26日03時05分(UTC+8)以降に複数の大規模な出金を検出しました。最新の内部セキュリティ監査レポートによると、KuCoinのホットウォレットに保管されていたBTC、ERC-20、その他トークンの一部が取引所から転送されました。これには保有している総資産の一部が含まれていました。
コミュニティの間では『ハッキング攻撃を受けたのではないか?』との声が上がっていますが、KuCoin側はハッキングという表現を使用しておらず「セキュリティインシデント(セキュリティ事故)」として今回の大量出金についての説明を行なっています。
現時点では「事故原因を特定している段階」にあるため大量出金の詳細は明らかになっていないものの、KuCoin側は『今回の事件でユーザーの資産に影響があった場合には、KuCoinと当社の保険ファンドが全額賠償する』と説明しています。
コールドウォレットに保管されている暗号資産に関しては安全に保管されていることが報告されていますが、現在はユーザー資産のセキュリティを確保するための徹底的なセキュリティレビューが実施されているため、この期間中は入出金サービスが停止されていると報告されています。これらのサービスは安全性が確保された後に徐々に復旧される予定となっています。
BTC・ETHなど「約158億円相当」流出か
KuCoin(クーコイン)から「移動された暗号資産」に関する詳細情報は明かされていないものの、複数の報告によると今回の出金によって1億5,000万ドル(約158億円)相当の資産が失われた可能性があると報じられています。
出金された可能性のある暗号資産の種類としては、現時点で以下のようなものがあると報告されています。
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・テザー(Tether/USDT)
・グラディウストークン(Gladius Token/GLA)
・メイカー(Maker/MKR)
・オーエムジー(OMG Network/OMG)
・ヤーン・ファイナンス(Yearn.finance/YFI)
KuCoinのCEOであるJohnny Lyu氏は、日本時間2020年9月26日14時00分からYouTube上で事件の詳細について説明を行なっています。
追記:KuCoin CEO「ハッキング被害」を正式発表
KuCoinのCEOであるJohnny Lyu氏はYouTube上で行なったビデオ会見の中で、同社がハッキングを受けたことを明らかにしました。ハッカーに盗まれた資金の詳細などは明らかにされていないものの、ハッカーのアドレスや盗まれた資金などの詳細情報は「KuCoin」の公式サイトで発表していく予定だとされています。