香港に本拠地を構える暗号資産(仮想通貨)デリバティブ取引所の運営会社「Diginex(ディジネックス)」は2020年10月1日に、シンガポールの上場企業である「8i Enterprises Acquisition Corp」との逆さ合併によって同社が「NASDAQ(ナスダック)」に上場したことを発表しました。
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仮想通貨取引所運営会社が「NASDAQ」に初上場
Diginex(ディジネックス)は香港に本拠地を構える仮想通貨関連企業であり、今年7月末には特別買収目的会社(SPAC)として新たに立ち上げられたデジタル資産取引所「EQUOS.io」とシンガポールの上場企業である「8i Enterprises Acquisition Corp」の”逆さ合併”を行うことによって、NASDAQ(ナスダック)に上場する計画が明らかにされていました。
逆さ合併とは、事業規模が明らかに小さい会社を存続会社とする合併手法の1つであり、非上場会社が上場企業に合併されることによって上場企業への昇格が可能になり、正式な新規株式公開(IPO)手続きに伴う規制的な複雑さを回避できるというメリットがあります。
今回の発表では、同社が5,000万ドルの資金調達と逆さ合併を経て正式に「NASDAQ」に上場したことが報告されており、『暗号資産取引所の運営会社が初めてNASDAQに上場した』として注目が集まっています。なお、ティッカーシンボルは「EQOS」となっており、現在はすでに取引が開始されています。
Diginex(ディジネックス)のCEOであるRichard Byworth(リチャード・バイワース)氏は、今回のNASDAQ上場について次のようにコメントしています。
暗号資産取引所運営会社のNASDAQ初上場は「Diginex」と「仮想通貨業界」の両方にとって重要な分岐点です。NASDAQへの上場は、米国の資本市場で取引を行っている人々にデジタル資産エコシステムの株式を直接購入する最初の機会を提供し、金融機関がデジタル資産がもたらす巨大な機会に参加するための扉を開きます。
今年1月にはRipple社のCEOであるBrad Garlinghouse(ブラッド・ガーリングハウス)氏が『今後12ヶ月間で仮想通貨・ブロックチェーン関連企業のIPO(新規公開株式)が増加する』との予想を語り、同社がIPOの実施を視野に入れていることなども明かされていましたが、今年6月には中国の大手マイニング機器メーカー「Ebang(エバン)」もNASDAQに上場しているため、今後はNASDAQに上場する仮想通貨関連企業が増えていく可能性もあると予想されます。