中西金属工業株式会社は2020年10月8日に、ブロックチェーン技術を活用した物流倉庫向け配送システム「Hacologi」を開発したことを発表しました。同社は「NKC 輸送機事業部 滋賀工場」や「大沢運送株式会社」と協力して、2020年10月から「Hacologi」の実証実験を実施します。
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物流倉庫向け配送システム「Hacologi」を開発
中西金属工業株式会社は2020年10月8日に、コンベア・物流・マテハンシステムなど倉庫自動化サービスを提供する輸送機事業部が中心となって、ブロックチェーン技術を活用した物流倉庫向け配送システム「Hacologi」を開発したことを発表しました。
「Hacologi」は注文・生産・製造・保管・手配・出荷・配送・納品などといった様々な工程で複雑な業務に追われている物流業界の作業をブロックチェーン技術を用いてデジタル管理することによって効率化し、配達中の責任の所在を信頼性の高い情報として保持しつつ、手入力のミス軽減・不正配達の撲滅・煩雑な伝票管理の軽減などを実現することを目指しています。
具体的には、自動的に契約を成立させることができるスマートコントラクトを用いて荷物受け渡し時の契約を成立させると共に、責任の所在を明確化し、各担当者が現在のステータスを容易に確認できるようにすると説明されています。さらに煩雑な伝票も廃止し、荷物の受け渡しもスマートフォンを活用してデジタルデータとして保存していくとされています。
「Hacologi」4つのポイント
「Hacologi」を活用することによって可能になる4つのポイントとしては以下のようなことが挙げられています。
配送に関わる企業と同じデータを共有
自社内のみのデータ管理ではなく、配送に関わる顧客・製造元・配送業者の3社を繋ぐ。コンセンサスアルゴリズムにより、正しい配送物のステータスを必要な時に必要な担当者が状況を閲覧できるようになる。
配送物に関する責任の所在を明確化
紛失などといった万が一の事故が発生した場合に備え、スマートコントラクトにより、荷物の受け渡し時には契約が成立し、責任の所在が明確化される。
煩雑な伝票管理を排除しコスト削減
突合に時間がかかっていた、送り状・見積/請求などをデータ管理することによって簡単に検索が可能。また関係する企業で合意の取れたデータを保管するため、社内だけでなく取引先ともスムーズなコミュニケーションを行うことが可能。
人的ミスを軽減
「電話での言った言わない、Faxの不達」などを無くし、正しいデータを保存する。数字の変更に関しても変更履歴はデータとして保管されるため、いつ誰が修正したかを明確にすることができる。
「11月のベータ版提供」に向け実証実験
中西金属工業株式会社は「Hacologi」の実用化に向けた検証を行うために、2020年10月から「NKC 輸送機事業部 滋賀工場」や運送事業を行っている「大沢運送株式会社」と協力して実証実験を実施します。
この実証実験では「NKC 輸送機事業部 滋賀工場」と取引のある「大沢運送」も協力することによって、企業を跨いだデータ管理に挑戦すると説明されています。
具体的には「NKC 輸送機事業部 滋賀工場」でHacologiを導入して実証実験を行うことによって、コスト削減・工数削減・人的ミスの軽減などといったパフォーマンスを検証すると共に機能向上を行い、2020年11月からベータ版サービスを提供することを目指すとされています。
物流業界ではブロックチェーン技術が積極的に活用されており、数年前から世界中の大手企業などで技術活用が進められているため、今後もこのような取り組みは日本国内でも増加していくことになると予想されます。