LayerX(レイヤーX)は2020年11月5日に、茨城県つくば市が設置したスマートシティの実現に向けた活動を行う協議会「つくばスマートシティ協議会」に加入したことを発表しました。同社はブロックチェーン技術を活用した電子投票システムなどを用いて、行政サービスのデジタル化に関する技術課題の解決などに貢献していくと説明しています。
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地方自治体への技術提供を加速
ブロックチェーンなどの技術を活用して経済活動のデジタル化を推進している「株式会社LayerX」は2020年11月9日に、茨城県つくば市が”スマートシティ”実現に向けて設置した「つくばスマートシティ協議会」に加入したことを発表しました。
「つくばスマートシティ協議会」は、企業・学術機関・政府・自治体・金融機関などが連携してスマートシティ関連の事業を推進していくために設置された協議会であり、電子投票に関する実証実験を過去3回に渡って実施するなど、デジタル化に向けた新しい取り組みを積極的に推進しています。
LayerX(レイヤーX)の研究開発組織である「LayerX Labs」は、以前から行政のデジタル化を推進するための施策の1つとして、透明性と秘匿性を両立した電子投票の実現に向けた取り組みを強化していましたが、今後は地方自治体への技術提供を積極的に進めていくと説明されています。
LayerX Labsではブロックチェーンなどを活用した独自技術を用いて、スマートシティの肝となる個人情報の活用とプライバシー保護の両立のため、秘匿化・匿名化技術の研究開発を推進してきており、この度、つくばスマートシティ協議会に加入することとなりました。
今後、電子投票をはじめとした行政サービスのDXに係る技術課題の解消、ひいては多様な人々が快適に過ごせるまち作りに貢献していきます。
独自技術で電子投票システムの課題解決
新型コロナウイルスなどの影響によって近年では「電子投票システム」の導入に注目が集まっており、日本では2002年に施行された「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」によって地方自治体の一部選挙でも電子投票を行うことができるようになりました。
しかしながら「二重投票の防止や投票の秘密を高いレベルで担保できない技術的課題、投票所のネットワーク整備環境の不足、電磁的記録式投票機の導入・運用コストなどの課題」などによって、地方自治体における電子投票は2018年を最後に実施されていないとのことです。
LayerX Labsが開発した電子投票プロトコルは、ブロックチェーンなどを活用した独自技術によって「投開票プロセスの透明性」と「投票内容の秘匿性」の両方を実現しているため、電子投票システムで求められる「二重投票の防止、投票内容の正確な保存、投票の秘密、操作記録の管理」などの技術的要件を満たすことができるようになっており、選挙人が『投票が正しく集計されているか』を後から検証することもできると説明されています。
つくば市は「つくばスマートシティ協議会へのLayerX社参画」について次のようにコメントしています。
つくばスマートシティ協議会への株式会社LayerXのご参画を歓迎いたします。この協議会は、筑波研究学園都市の都市基盤と科学技術イノベーションに対する市民の高い理解をSociety5.0の実装フィールドとし、つくば地域の課題解決と都市機能の向上に資するため、デジタル・ロボティクス等最先端技術とこれに呼応する施策を連携させて形成する「つくばスマートシティ」の実現を目指しています。ブロックチェーン技術で先頭を走るLayerX社の加盟により、協議会の取組が加速されるものと期待しています。
LayerXは今回の発表の中で『電子投票に加えて様々な行政サービスのDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する技術的課題の解決に貢献するための取り組みを推進していく』と語っています。