Bithumbが仮想通貨取引を一部禁止|厳し過ぎる規制の理由は?
韓国最大の仮想通貨取引所であるBithumb(ビッサム)が、マネーロンダリング(資金洗浄)防止に非協力的な国に住む人々の取引を完全に禁止することが明らかになりました。
資金洗浄防止のために規定を改正
Bithumbは「資金洗浄行為防止に関する規定」を改正しており、改正された規定に基づいて『資金洗浄の防止に非協力的な国(NCCT)』として指定されている11ヶ国すべての取引を5月28日から全面禁止すると発表しています。
資金洗浄の防止に非協力的な国(NCCT)とは、資金洗浄防止金融対策機構(FATF)が資金洗浄防止のための努力が足りないと指摘している国であり、北朝鮮、イラン、イラク、スリランカなどの11カ国が含まれています。
その他すべての利用者にも厳格な規制を適用
Bithumbは、その11ヶ国に住む全て人々を新規会員として認めないとしており、すでにサービスを利用しているユーザーに関しては、6月21日からアカウントが停止される予定となっています。
なお、すべての利用者に居住地の確認が求められているため、対象国以外の国に住むユーザーでも居住地を登録していないユーザーは、6月1日からサービスを利用することができなくなります。
また本人確認手続きも強化されており、韓国以外の国にするユーザーも会員登録の際に携帯電話の本人認証を受けることが義務付けられています。
自主規制で世界をリード
今回の決定は、仮想通貨が国際的なテロや犯罪の資金として利用されるのを防止するための措置とされており、Bithumbはこの他にもボイスフィッシングをはじめとする詐欺の被害を防止し、迅速な回復をサポートするために自主的に電気通信、金融詐欺の被害防止のための規定を作成しています。
Bithumbの関係者は「仮想通貨市場組成と投資家保護のために自主的に厳格な規制を適用し、当局にも積極的に協力したい」と語っており、「一歩先の自主規制で世界の仮想通貨取引所の標準をリードしていく」と述べています。
規制への取り組みは以前から?
韓国の金融監督当局は、4月初めに韓国の3つの銀行に立ち入り調査を行なっています。
立ち入り調査では銀行の仮想通貨取引口座などがマネーロンダリング防止の規則に準拠しているかどうかについての検査が行われており、対象となったNongHyup BankはBithumbにも実名検証プロセスを提供していました。
この調査が実施された際には、その他の金融機関にも新しいマネーロンダリング防止法と実名検証のガイドラインに従うように独自のチェックを実施することが求められているため、このような当局の発言もBithumbの自主規制に影響を与えた可能性もあります。
しかし今年3月にBithumbと提携を結んだBitPayの最高執行責任者であるSonny Singh氏は当時のコメントの中で「我々は規制を歓迎する」と述べており、「Bithumbも同様に規制を歓迎している」とも語っています。
「韓国のどの取引所もBithumbと同様だと思います。彼らも規制を歓迎している。彼らは適切な顧客確認やマネーロンダリング対策をしているはずです」
規制を望んでいる仮想通貨関係者はこの他にも非常に多く、先日イスラエル財務省が発表したマネーロンダリングと仮想通貨に関する規制草案についても、現地のビットコインコミュニティからは好意的なコメントが語られています。
イスラエルの新たな規制に対する現地の反応は?
今後はその他の国や仮想通貨取引所でも同様の規制が定められることになるのかもしれません。
(引用:yonhapnews.co.kr)