日本を世界的「ブロックチェーン・リーダー」に:元マウントゴックスCEO
仮想通貨交換所「マウントゴックス(Mt.Gox)」でCEOを務めていたことで知られ、現在は法律とテクノロジーを掛け合わせたリーガルテックを扱っている企業「Tristan Technologies(トリスタン・テクノロジーズ)」で取締役を務めているMark Karpelès(マルク・カルプレス)氏は、2019年6月5日に報道陣に対して「日本をブロックチェーン技術のリーダーにしたい」と語ったと報じられています。
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Mark Karpelès(マルク・カルプレス)氏の経歴
Mark Karpelès(マルク・カルプレス)氏は、2013年時点で世界のビットコイン取引量の70%を占めていた仮想通貨交換所「マウントゴックス(Mt.Gox)」の元CEOとして知られるフランス・イスラエル国籍、日本居住の実業家・ソフトウェア開発者です。
2010年に「トレーディングカード交換所」から「ビットコイン事業」へと転身した「Mt.Gox」を2011年から引き継いだマルク氏は、同社を"世界最大級のビットコイン交換所"へと成長させたものの、2014年に起きた有名なハッキング事件「マウントゴックス事件」によって約85万BTC(約465億円)と約28億円の現金を消失することとなり、同社は経営破綻に陥ります。
2015年8月1日に「自身の口座データを改竄し、口座残高を100万ドル(約1.1億円)水増ししたという私電磁的記録不正作出・同供用」の容疑で逮捕された同氏は、その後に顧客の資金を着服したとして「業務上横領」の容疑で再逮捕・起訴されました。その後「業務上横領罪」など一部に無罪判決が下されたものの、データ改竄の点は認められ「懲役2年6カ月執行猶予4年」が下されています。
フランス出身のマルク氏は「大の日本好き」としても知られており、日本のマンガやアニメをこよなく愛していると伝えられています。同氏は、メディアからのインタビューに答えた際に『7カ月の拘置所生活で、35キロ痩せた』とも語っているものの、逮捕後も日本への愛情は冷めておらず、"日本に根を下ろすつもりである"ということも語っています。
日本の「潜在的技術力」を呼び覚ますために
マルク氏は現在「法律(Legal)」と「テクノロジー(Technology)」を掛け合わせたIT活用した法律関連サービスやシステムである「リーガルテック(Legaltech)」を扱っている日本の企業「Tristan Technologies(トリスタン・テクノロジーズ)」で取締役を務めており、同社の公式サイトには『リーガルデザインと最先端技術とが融合し、世界基準になりうる新たなソリューションを日本から発信し続けていく』説明されています。
海外の仮想通貨・ブロックチェーンメディアでは、現在マルク氏が取り組んでいる事業のことが多数取り上げられており、同氏が「日本をブロックチェーン技術の世界的リーダーにする」という目標に向かって取り組んでいることに注目が集まっています。
複数の報道によると、トリスタン・テクノロジーズは「現在使用されているものよりもはるかに高速で、新しい安全なオペレーティングシステム(OS)を作成すること」を目的にしているとされており、マルク氏は「日本の潜在的な能力を発展させることによって、かつては世界一だった日本の技術力を取り戻し、GoogleやAmazonに匹敵するような日本初のサービスを提供したい」と語っていると伝えられています。
マウントゴックスは現在「民事再生手続き」を行なっており、2019年10月28日を期限として再生計画書を提出すると伝えられています。世界中から大きな注目を集めた事件はまだ終結していないものの、前向きに日本で目標に向かって突き進んでいるマルク氏には現在も注目が集まっています。
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