「米ドルの時代は終わりに近づいている」世界三大投資家ジム・ロジャーズ氏
複数の選択肢やマインドセットが重要
仮想通貨業界では「米ドルなどの法定通貨は近い将来に崩壊する」といった意見が複数語られていますが、世界三大投資家の1人としても知られるジム・ロジャーズ氏も「米ドル優位の時代は終わりに近づいている」と警告しています。
YouTubeチャンネル「Nomad Capitalist」のインタビューに出演したロジャーズ氏は「米国は世界最大の債務国になっている。米国ほど多くの借金を抱えた国は他にない」と指摘した上で、「私には10代の子供が2人いるが、彼らは人生で多くの問題に直面することになるだろう」と語っています。
同氏は、次世代の人々に利益をもたらす方法について「今後数十年で別の選択肢を持つことが非常に重要であることに疑いの余地はない」と述べており、自身が子供たちに言語や文化など"世界中のどこにでもいられるようにするための選択肢"を与えれるように努力してきたことを説明しています。
また、ロジャーズ氏は「選択肢を持つだけでなく、マインドセットも重要である」と述べており、「状況の変化に対応する準備ができていないのであれば、少なくとも何かをする選択肢を持っているべきである」と語っています。
シンガポールが成功した要因
ロジャーズ氏は今回のインタビューの中でシンガポールの成功に要因についてもコメントしています。
シンガポールが成功した要因としては「シンガポールが地理的に重要な港となっていること」が挙げられており、アジアが急成長し始めた時期に独立国家となったことによって、適切なタイミングで適切な位置に存在することができたことが説明されています。
しかし同氏は、シンガポールが成功した要因として「2言語政策を奨励したこと」や「貯蓄と投資を推進したこと」を挙げており、シンガポールの地理的要因とリーダーの懸命な判断が国の成功に寄与しているとの見解を語っています。
米ドル時代の終わりと中国人民元
ジム・ロジャーズ氏は「中国の通貨と米ドルの競争」について尋ねられた際に「私は大量の米ドルを所有しているが、米ドルの時代が終わりに近づいていることは知っている」と語っています。
同氏は「永遠にトップの座に留まり続ける通貨はない」と述べており、歴史上100年〜150年以上トップに君臨し続けた通貨は存在しないと説明しています。
このように語るロジャーズ氏は「現時点では中国の人民元以外に米ドルに競合できる通貨は見当たらない」と述べていますが「中国人民元は"ブロックされた通貨"であり、ユーロやドルのように簡単に売買することはできない」とも指摘しています。
同氏は中国で通貨を解放する動きが見られていることは認めていますが、それはまだ十分ではないとも述べており、「中国が引き続き解放していくことを願っている」と語っています。
仮想通貨やビットコインに対する見解は?
仮想通貨業界では"米ドルに変わる新たな世界通貨"として「ビットコイン」が頻繁に挙げられています。
ビットコイン(BTC)は世界中で利用される国際的な通貨となってきており、2,100万枚の発行上限が定められている他、ライトニングネットワークなどの技術によって安い手数料で簡単に国際送金できるため、"支払い・送金・価値の保存などに活用できるオープンな通貨"として注目されています。
ジム・ロジャーズ氏は今回のインタビューの中で仮想通貨やビットコインについてコメントしていませんが、2014年に「China Money Network」のインタビューに答えた際には以下のようなコメントを語っています。
もし私がもっと賢ければ、最初に人々から仮想通貨について教えてもらった初期段階でそれを購入していたでしょう。私にはまだ投資できるほど十分に仮想通貨を理解できていません。
ロジャーズ氏は仮想通貨に対して極端に否定的ではないものの、2020年には「仮想通貨は政府が有する銃や武力を持っていないため、いずれは政府によって排除される運命にある」との見解も示しています。
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(Nomad Capitalist)
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