BRICS、独自デジタル決済プラットフォーム構想が進展
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)による独立したデジタル決済プラットフォームの設立計画が着実に進展していることをロシア連邦議会のワレンチナ・マトヴィエンコ議長が8月1日の記者会見で明らかにしました。
マトヴィエンコ議長は、このプラットフォームの創設について「中央銀行と財務省の両方と話をした」と述べ、「新規加盟国も含め、BRICS各国の中央銀行や財務省の同僚と議論している」と報告しました。同氏は現在のBRICS議長国であるロシアがこのイニシアチブを監督していることも言及しています。
同議長は、10月にロシア連邦タタールスタン共和国の都市カザンで開催予定のBRICS首脳会議でこの議題が検討されることに期待を示し、「おそらく、そこで承認されるか、少なくとも、いつ、どのような形式で最終決定されるべきかについての議論がなされるだろう」と述べています。
ロシアへの経済制裁や、同国銀行のSWIFTからの締め出しを受け、ロシア銀行は独自の決済システムを開発し、すでに多くの国が参加していると指摘されています。
マトヴィエンコ議長は、米国の国家債務増大に伴うドルの世界的な弱体化傾向に触れ、各国通貨による相互決済システムが拡大していることも指摘しました。「BRICSが作り上げたシステムがトレンドとなり、BRICS諸国だけでなく、他の多くの国々が後に参加する手本となることを願っている」と述べ、この問題は上海協力機構(SCO)でも議論されていると報告しています。
昨年3月には、BRICSグループが決済における「脱米ドル」を目指す努力をしていることが報じられていました。このような動きは、世界経済の多極化と、従来の国際金融システムへの挑戦を示唆しているとも言えるでしょう。
BRICSは今年1月、エジプト、エチオピア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イランを新たに迎え入れました。これにより、BRICSの経済規模は日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダで構成される主要7カ国(G7)を上回るまでに成長しています。
今後の展開、特に10月のBRICS首脳会議での議論や決定が注目されます。このプラットフォームがどのような形で実現し、どの程度の影響力を持つことになるのか、世界経済の構造変化にどのような影響を与えるのか、引き続き注視が必要です。
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