ブロックチェーン技術の研究開発を進めているFacebook(フェイスブック)は、その勢いをさらに加速させており、自社の上級エンジニアを「Blockchain研究チーム」のトップに任命するなどの動きを見せています。
チームを率いるのは「coinbase」の取締役
Facebook(フェイスブック)
のブロックチェーン研究チームは、同社のメッセージアプリ「Messenger」部門の幹部を務めるDavid Marcus(デビッド・マーカス)氏により立ち上げが発表されました。彼は米国最大の仮想通貨取引所coinbase(コインベース)の取締役でもあり、以前はインターネットを利用した決済サービスを提供するPayPalの社長でした。
この研究チームには、Marcus氏だけでなく
・James Everingham(ジェームズ・エバーリンガム)氏 / Instagramエンジニアリング部長
・・Kevin Weil(ケビン・ウェイル)氏 / Instagram元副社長
なども参加しており
・Family of app
・Central product services
・New platform and infra
という3つの部門で構成されているとされています。
Blockchain研究チーム各部門の内容はこちら
Facebookのブロックチェーン研究チームには、すでに複数の優れたメンバーが所属していますが、最近チームのトップに任命された一人の男性はブロックチェーンだけでなく仮想通貨にも精通していることがわかっています。
エンジニアリングディレクターは「元Apple」
“Facebookの”シニアエンジニア(技術部長)として勤めていたEvan Cheng(エバン・チェン)氏は、新たに”ブロックチェーン担当の”エンジニアリングディレクターとして任命されています。
Cheng氏のLinkedInのプロフィールによると、彼はApple(アップル)で10年間勤務した後におよそ3年間Facebookでプログラミング言語とランタイム(*1)のエンジニアリングディレクターを務めています。
(*1)ランタイム:プログラムが実行されている状態やそれを支援するためのファイル
また、同氏のTwitterアカウントに記載されている経歴には、プログラミング言語やランタイム、コンパイラ(*2)などに加えて『blockchain(ブロックチェーン)、crypto(暗号)』とも書かれており、ブロックチェーンと仮想通貨の専門知識を持っていることが示されています。
(*2)コンパイラ:プログラミング言語で書かれた言語を機械語に変換するプログラム
実際に彼がTwitter上に投稿した内容には『ブロックチェーン』の話題も多く、これまでにも「ChainLink」や「Zilliqa」などのブロックチェーンプロジェクトでアドバイザーを務めています。
独自通貨でテクノロジー産業を修復
5月に報じられた内容によると、Facebookに関係のある匿名の人物は「フェイスブックは独自の仮想通貨を発行することについて”非常に真剣である”」と語ったとされています。また6月末には仮想通貨広告の出稿を一部許可する方針も発表されているため、今後は本格的にブロックチェーンや仮想通貨に関するプロジェクトが発表されるのではないか?との見方も強まっていました。
このようなことなどから、Cheng氏が新たに就任したことによって、独自の仮想通貨の研究を加速されるのではないか?という見方も強まっています。
FacebookのCEO兼会長及び共同設立者であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、2018年の抱負の中で「中央集権化してしまったテクノロジー産業を修復するために、仮想通貨等の新技術を研究しフェイスブックのサービスにどう活用できるか検討する」と語ってもいたため、これから新たなプロジェクトが発表されていくことは間違いないと言えるでしょう。
マーク・ザッカーバーグ氏の抱負はこちら
ここ最近では、LINE(ライン)やKik(キック)などのようなメッセージアプリ開発企業もブロックチェーンや仮想通貨関連のプロジェクトを発表しており、多くの注目と期待を集めています。20億人が利用するSNS業界の巨人、Facebookも水面下で着々とその基盤を整えています。