エミレーツ航空、仮想通貨決済導入に向けCrypto.comと提携|2026年開始目指す

エミレーツ航空、仮想通貨決済導入に向けCrypto.comと提携|2026年開始目指す(Emirates partners with Crypto.com to introduce cryptocurrency payments by 2026)
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2026年から仮想通貨決済サービスを開始予定

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイを拠点とする航空大手エミレーツ航空は2025年7月10日、仮想通貨決済の導入に向けて仮想通貨サービス企業「Crypto.com(クリプトドットコム)」と提携し、覚書(MoU)を交わしたことを発表しました。

今回の提携により、エミレーツ航空は仮想通貨決済手段としてCrypto.comの「Crypto.com Pay」を導入する計画で、ビットコイン(BTC)などで航空券の支払いが可能になる見通しです。

公式発表によると、サービス開始は早ければ2026年を見込んでおり、技術的な統合や規制対応が完了し次第、段階的に運用が始まる予定です。

エミレーツ航空は今回の提携を、デジタル志向の若年層を含む顧客ニーズへの対応と位置づけており、ドバイ政府が推進する金融イノベーション戦略にも合致すると説明しています。

エミレーツ航空の仮想通貨決済導入計画

エミレーツ航空とCrypto.comの提携は現時点では覚書に基づく協力段階にあり、今後は本格導入に向けて技術的および規制面での検討が進められる予定です。

エミレーツ航空のカジムCCOは「仮想通貨の導入は、多様化する顧客ニーズへの対応策であり、特にテクノロジーに精通した若年層に柔軟な支払い手段を提供するものだ」と述べています。

2022年発表のブロックチェーン活用計画

エミレーツ航空は2022年5月の時点で、ビットコイン決済対応や独自NFT(非代替性トークン)の販売計画など、仮想通貨・ブロックチェーン技術の活用構想を発表していました。

当時、同社は新規顧客の獲得策として仮想通貨決済の導入を検討していると報じられており、今回のCrypto.comとの提携は、こうした計画の具体化に向けた一歩と見られています。

Crypto.comのエリック・アンジアニCOO(最高執行責任者)は「世界的な航空会社との提携により、湾岸協力会議(GCC)諸国での仮想通貨の実用化がさらに進展する可能性がある」と述べ、決済分野での協業が仮想通貨の普及促進に寄与するとの見解を示しています。

即時換金型の仮想通貨決済モデル

エミレーツ航空は、仮想通貨の価格変動リスクを回避する手段として、即時換金型の決済モデルを導入する方針です。

支払い時に、利用者が送信した仮想通貨はリアルタイムの為替レートで即座にUAEディルハム(AED)へ換金される仕組みとなっており、エミレーツ航空は仮想通貨を保有せずに取引を完結できます。

今後は、システム統合や規制当局との調整を進めながら、まずは限定的な路線や地域でパイロット導入を行う予定です。その後、検証結果を踏まえて本格展開へと移行する方針が示されています。

グローバルで進む仮想通貨決済

今回のエミレーツ航空の取り組みは、ドバイ首長国をはじめ、世界各地で進む仮想通貨決済の普及の流れと歩調を合わせるものです。

公共料金の仮想通貨支払いを可能に

UAEドバイ政府は2025年5月12日、政府サービス料金の支払い手段として仮想通貨を導入する目的で、ドバイ財務局(DOF)がCrypto.comと新たな覚書を締結したと発表しました。

この官民連携により、行政サービスの利用料を仮想通貨で支払うことが可能になると見込まれています。決済にはCrypto.comのウォレットが活用される予定です。

支払われた仮想通貨は、Crypto.comが即座に現地通貨AEDに換金し、財務局へ送金する仕組みが採用されています。これにより、政府機関は価格変動リスクを負うことなく仮想通貨決済を受け入れることが可能となります。

国営石油会社も仮想通貨決済を導入

同月、UAEの国営石油会社エマラート(Emarat)もCrypto.comと提携し、ガソリンスタンドで仮想通貨決済サービスの提供を開始しました。

同社の発表によると、ドバイ市内の10か所のサービスステーションで仮想通貨による支払いが可能となり、給油所で直接ビットコインなどを使って決済できるようになりました。

この取り組みは、中東・北アフリカ(MENA)地域の燃料小売業界において初の試みとされており、今後はエマラート全土のガソリンスタンドへのサービス拡大が計画されています。

航空・不動産業界でも進む仮想通貨対応

仮想通貨決済の導入はドバイを中心にさまざまな業界で急速に広がりを見せています。

ドバイ首長国では、不動産デベロッパーや通信事業者など多くの企業がすでに仮想通貨による支払いに対応しており、こうした動きが都市全体のデジタル経済の成長を後押ししています。

航空業界でも同様の動きが広がっており、スペインのブエリング航空は2023年、仮想通貨取引所との提携を通じて航空券の仮想通貨決済導入計画を公表しています。

ラトビアのエアバルティック航空もすでにビットコイン決済を導入していますが、今回エミレーツ航空が仮想通貨決済に参入することで、仮想通貨決済対応航空会社としては世界最大規模となる見込みです。

政府・民間を問わず仮想通貨の実用化が進む中で、エミレーツ航空の仮想通貨決済導入は、航空業界における象徴的な転換点として注目を集めています。

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Source:エミレーツ航空公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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