ドイツ・フランス・イタリア・スペイン・オランダの財務大臣が2020年9月11日に開かれた欧州連合(EU)の会合の中で、欧州委員会に対して『消費者や金融政策における国家主権を保護するために、ステーブルコインなどの資産担保型暗号資産に対する厳格な規制を作成すべきだ』と要請したことが「ロイター」の報道で明らかになりました。
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ステーブルコインの運用「課題解決まで禁止すべき」
欧州連合(EU)に加盟する5ヵ国(フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・オランダ)の財務大臣は、2020年9月11日の共同声明で『法律・規制・監督面の課題が解決されるまでは、EUに加盟する27ヵ国でステーブルコインの運用を禁止するべきだ』と語ったと報じられています。
具体的には『ステーブルコインがEU圏内で運用される場合には、全てのステーブルコインの価格がユーロまたは他のEU諸国が発行する法定通貨に1対1の比率で固定され、そのステーブルコインの裏付けとなる資産はEUから承認を受けた金融機関で保管されるべきだ』との要請が行われたことが報告されています。
各国の財務大臣たちは「ステーブルコインを運営する全ての事業体に登録を義務付けること」を求めているとのことで、フランスのBruno Le Maire(ブルーノ・ル・メール)財務相は「Libra(リブラ)」の名前を挙げながら次のように語ったと報じられています。
私たちは委員会がテロ活動やマネーロンダリングで暗号資産が悪用されるのを避けるための、非常に強力で明確なルールを定めるのを待っています。
中央銀行、つまり欧州中央銀行(ECB)は、通貨発行を許可された唯一の銀行です。そしてこの権限は「Libraプロジェクト」を含めたいかなる種類のプロジェクトによっても、危険に晒されたり、弱められたりすることができないものです。
Libraプロジェクトでは元々複数の法定通貨によって裏付けられた「バスケット型のステーブルコイン」が発行される予定となっていましたが、各国の規制当局や政府関係者から『既存の金融システムを脅かす可能性がある』と懸念する意見が多数出ていたことなどを受けて、現在は各国の法定通貨に裏付けられた複数のステーブルコイン「リブラUSD・リブラEUR・リブラGBP」などを発行する方針に切り替えられています。
今回「ステーブルコインに対する厳格な規制」を求めた5ヵ国は、昨年10月時点でもLibraに対して厳しく対応をとっていく方針を示したことが報告されているため、ユーロに裏付けられた「リブラEUR」の発行に関しては今後も厳しい議論が続けられていくことになると予想されます。