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ケイマン諸島:FATF国際基準準拠に向け「暗号資産規制」を強化


ケイマン諸島の金融サービス省は2020年10月31日に、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)を適切に規制するための新たな規制枠組みの適用を開始したことを発表しました。新たな規制が導入されることによって、同国の暗号資産関連企業が資金洗浄防止などのグローバル規制に準拠していることを実証することができると期待されています。

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「仮想通貨事業者の適切な規制」に向け法改正を実施

ケイマン諸島の金融サービス省は2020年10月31日に、仮想通貨サービスプロバイダー(VASP)を適切に規制するための新たな規制枠組みの適用を開始したことを発表しました。同省はこれによって『暗号資産をビジネスとして扱う個人や企業を規制し、誘致する能力が強化された』とコメントしています。

仮想通貨事業者を対象とした新たな規制の適用は2段階に分けて実施されることになっており、「仮想通貨法・金融当局法・証券投資事業法・投資信託法」などの分野で法改正を行うと説明されています。

第1段階目は2020年10月31日の時点で正式に施行開始されており、『マネーロンダリング防止(AML)とテロ資金供与(CFT)のコンプライアンス・監督・法執行に焦点を当てる』とされています。第2段階目は2021年6月から施行される予定となっており、これにはライセンス要件と慎重な監督などが含まれると説明されています。

新しい規制の適用が開始されたことによって、現在ケイマン諸島でサービスを展開している仮想通貨サービスプロバイダーと新規参入する仮想通貨サービスプロバイダーは「ケイマン諸島通貨局(CIMA)」にそのことを通知して登録を完了する必要があるとされています。

新たな規制導入で「グローバル規制への準拠」を実証

新しい規制枠組みはマネーロンダリング対策における国際協調を推進するため設立された政府間機関である「金融活動作業部会(FATF)」や、FATF基準への準拠を監視する地域団体「カリブ海金融活動作業部会(CFATF)」が定めている基準に沿うためのものとなっており、特にマネーロンダリング防止とテロ資金供与対策の遵守と施行に焦点が当てられています。

カリブ海金融活動作業部会(CFATF)はケイマン諸島を再評価して2020年11月の本会議で結果を報告することを予定しているため、新しい規制枠組みは再評価前にCFATFに提出されることになっています。金融活動作業部会(FATF)による評価はその後実施され、2021年第1四半期の終わりまでに調査結果が発表される予定となっています。

ケイマン諸島の金融サービス省は『第1段階の規制は、国内の仮想通貨サービスプロバイダーがマネーロンダリング・テロ資金供与・大量破壊兵器への資金提供を防止する取り組みに関するグローバル規制に準拠していることを実証する機会を提供する』と説明しています。

タックスヘイブン(租税回避地)としても有名なケイマン諸島は、2020年2月に欧州連合(EU)のタックスヘイブン・ブラックリストに追加されており、『税の濫用を防ぐための適切な措置を実施していない』と指摘されていましたが、先月にはブラックリストから除外されており、現在は金融業界でのイメージ向上のための取り組みを進めています。

新たな規制枠組みの導入によって「同国の仮想通貨サービスプロバイダーがグローバル規制に準拠していること」が実証されることによって、従来の悪いイメージを払拭して新たな仮想通貨関連企業を誘致することができると期待されています。

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