シンガポール大手銀行:暗号資産取引所「DBSデジタル取引所」設立を公式発表
シンガポール最大の商業銀行である「DBS銀行」は2020年12月10日に、以前一時的にウェブサイトが立ち上げられていた機関投資家向けの暗号資産取引所「DBS Digital Exchange(DBSデジタル取引所)」を立ち上げることを正式に発表しました。同取引所は「BTC・ETH・XRP・BCH」などの仮想通貨に加えて、セキュリティトークン(デジタル証券)関連のサービスも取扱うと報告されています。
機関投資家向けに「デジタル資産関連サービス」を提供
DBS銀行が新たに立ち上げる「DBS Digital Exchange(DBSデジタル取引所)」は機関投資家向けのデジタル資産取引所であり、機関投資家や認定投資家向けにデジタル資産の取引サービスや保管サービスを提供します。
DBS Digital Exchange(DBSデジタル取引所)の存在は今年10月に一時的にウェブサイトが公開されたことによって明らかになっていましたが、2020年12月10日には「DBS銀行」から正式に取引所設立に関する発表が行われました。
公式発表によると「DBSデジタル取引所」は、セキュリティトークン(デジタル証券)プラットフォーム・デジタル資産取引・デジタル資産カストディなどのサービスを提供するとのことで、「法定通貨と暗号資産の取引サービス」だけでなく「非上場企業の株式・債券・プライベートエクイティファンドなどの金融資産に裏打ちされたデジタルトークンの発行・取引サービス」なども提供するとされています。
「BTC・ETH・XRP・BCH」などを取り扱い
DBSデジタル取引所がサポートする法定通貨・暗号資産としては以下のようなものが挙げられています。
【法定通貨】
・シンガポールドル(SGD)
・米ドル(USD)
・香港ドル(HKD)
・日本円(JPY)
【暗号資産】
・ビットコイン(Bitcoin/BTC)
・イーサリアム(Ethereum/ETH)
・リップル(Ripple/XRP)
・ビットコインキャッシュ(BitcoinCash/BCH)
DBSグループのCEOであるPiyush Gupta(ピユッシュ・グプタ)氏は「DBS Digital Exchange」の立ち上げについて次のようにコメントしています。
指数関数的に成長しているデジタル資産市場は、資本市場を再構築するための計り知れない機会を提供しています。シンガポールがグローバルな金融ハブとして競争力をさらに高めるためには、デジタル資産と通貨取引の採用を歓迎する準備を整える必要があります。DBSはこれを促進するための完全に統合されたエコシステムの開発を加速するための取り組みを進めています。これは多くの点で差別化された、この種の統合された製品の最初のものであると信じています。
シンガポール証券取引所が「株式の10%」を取得
DBS銀行は今回の発表の中で、シンガポール最大の証券取引所である「シンガポール証券取引所(SGX)」がDBSデジタル取引所の株式の10%を取得していることも明らかにしており、『両当事者は、デジタル資産とデジタル通貨の成長分野におけるシンガポールの資本市場の流動性・規模・成長を深める機会を模索する』と説明しています。
DBSデジタル取引所の「暗号資産取引サービス」は来週にも開始される予定だとされており、「セキュリティトークン関連サービス」は1〜2ヶ月ほどで開始される可能性があると伝えられています。