Verify to earnで職務経歴・資格情報を報酬に「SHAREプロジェクト」公開:canow株式会社
canow株式会社は2023年2月22日に、分散型ID(DID)によるデータ管理を中心としたブロックチェーン「canow chain」のリリースに先立ち、職務経歴・履歴・資格などの情報を報酬に変える「Verify to earn」を実現するSHAREプロジェクトを発表しました。
こちらから読む:NFT詐欺防止ツールKEKKAI、5,000万円の資金調達「国内ニュース」
ビジネスデータを個人の報酬に変える仕組みを構築
canow株式会社は2023年2月22日に、分散型ID(DID)によるデータ管理を中心としたブロックチェーン「canow chain」のリリースに先立ち、職務経歴・履歴・資格などの情報を報酬に変える「Verify to earn」を実現するSHAREプロジェクトを発表しました。
canow株式会社はブロックチェーンやトークンを活用したデジタルマーケティング・インキュベーション事業を展開している企業であり、DIDフレームワーク・インフラサービスの「BRIDGE」、健康分野の「mine」、エンターテイメント分野の「YELLtum」、人事・金融分野の「Share」など様々な分野のサービスを展開、昨年末にはDIDによるデータ管理を中心とした独自のブロックチェーン「canow chain」をテストローンチしたことも発表されています。
今回の発表では、職務経歴・履歴・資格証明などといった転職時に必要となるビジネス上の歴史を可視化して、それぞれの情報について所属企業や資格発行団体からの証明を得ることによって、ビジネスデータを個人の報酬に変える『Verify to earn』の仕組みを構築するということが報告されています。
「LinkedIn」や「Facebook」などのビジネスSNSでは『どこまで本物の情報なのか?』ということがわからない状態となっていましたが、canow株式会社は「所属企業や同僚から"過去に在籍・貢献していたこと"について承認を得る」「免許・資格の発行団体が証明書を発行する」など第三者からの承認を得ることによって、それらの個人情報の真偽を確かめることができると説明しており、その承認・証明プロセスを『Verify to earn』の仕組みでトークン報酬に変えることによって、ビジネスデータにWeb3.0のメソッドを活用し金銭的価値をもたらすと説明しています。
SHAREプロジェクトでは「canow chainを活用して個人のビジネス上の歴史を可視化、その情報を第三者が承認、それらをVerify to earnとして報酬に変える」という仕組みを構築するサービスを検討しているとのことで、サービス提供は2023年第3四半期を予定、SHAREプロジェクトの概要については以下のように説明されています。
UNICA(SHARE Card)
UNICAは、canow株式会社が2021年11月にサービスリリースした「次世代型デジタル名刺サービス」で、2023年2月時点では100社以上が同サービスを活用中。リリース時点では訪問営業マン向けのデジタル名刺サービスとして提供、NFCチップを搭載したICカードをスマホで読み取ることで、商談相手にデジタル名刺として渡すことができる。
そのまま営業マンに直接メールを送れたり、商材の紹介資料や申し込みリンクを添付できる機能を持ち、それ以外にも、商談履歴やGPSを活用した訪問履歴を残すことが可能。営業マンの個人情報の取得が可能なため、SHAREプロジェクト第一弾として位置づけられている。
個人のビジネス情報を管理するウォレット:SHARE
SHARE(仮称)は、SHAREプロジェクトの根幹となる「個人の就労等に関するデータウォレット」。個人の学歴や職務経歴などの就労情報を管理し、ビジネスジャーニーとして可視化する。また、個人情報をユーザー自身が管理することが可能で、SHAREを通して職務経歴等を承認、証明された情報に対する報酬を受取るウォレット機能を有している。
デジタル証明書発行プラットフォーム:SHARE Credentials
SHARE Credentials(仮称)は、企業が個人の職務経歴や資格証明などをVC(Verifiable Credentials)として発行するための「デジタル証明書発行プラットフォーム」。ビジネスや仕事に紐づく様々な証明書(例:学生証、入館証、アクセス管理、顧客・株主など名簿管理など)をデジタル発行することが可能となる。
このデジタル証明書発行プラットフォームは行政や金融機関などの各種機関でも利用ができるため、役所で何度も個人情報を手書きで書いたり、必要な書類を取得するために窓口に訪れる必要がなくなり、営利・非営利関係なく証明書のデジタル化に貢献できると期待される。
個人と企業の人財マッチングプラットフォーム:SHARE Career
SHARE Career(仮称)は、『人材→人財へ』のモットーを掲げる、転職・就職のための個人および企業向け「高信頼性人財マッチングプラットフォーム」。第三者から承認・証明された職務経歴や資格証明などによって、より信頼性の高い情報を元に人財マッチングが可能となり、既存の人材業界の課題の一つでもある採用のミスマッチの確率を下げることが期待される。
このプラットフォームはブロックチェーンの特性を活かして企業が個人に直接リクルーティングオファーを行うことができる「P2Pの人財マッチングプラットフォーム」となる。現在、企業は就職・転職エージェントを活用した場合の成約時に年俸の30%程度の仲介手数料を支払っているが、SHARE Careerを通じた成約の場合は個人と企業間で完結する仕組みとなるため、企業が支払う仲介手数料が極端に小さくなるほか、所属していた企業への手数料還元が可能となる。
高精度広告配信プラットフォーム:SHARE ADs
SHARE Ads(仮称)は、個人情報ウォレットである「SHARE」を利用するユーザーに向けて、広告やアンケート配信などを行うことができる企業向けの「広告配信プラットフォーム」。canow chainを利用したデータ管理ツール「bridge」をベースに、個人情報を保護しながら、既存の広告プラットフォーム以上に詳細なデータで条件指定した広告配信が可能になるため、より広告効果の高い収益化への貢献が期待できる。