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ビットコイン(BTC)が「エルサルバドルの法定通貨」に?大統領が法案提出を表明

エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は2021年6月5日にアメリカ・フロリダ州マイアミで開催された「Bitcoin 2021」にビデオ出演した際に『仮想通貨ビットコインを法定通貨として認める法案を今週にも国会に提出する予定であること』を明らかにしました。

BTCを法定通貨として認める「世界初の法案」

エルサルバドルのNayib Bukele(ナジブ・ブケレ)大統領は2021年6月5日に、アメリカ・フロリダ州マイアミで開催された「Bitcoin 2021」にビデオ出演した際に『ビットコインを法定通貨として認める法案を、早ければ今週にも国会に提出する予定であること』を明らかにしました。


この法案が承認されるためには議会の審査を受けて承認を得る必要がありますが、実際に承認された場合には”世界で初めてビットコインが法定通貨として採用される”ことになるため、今回の発表は世界的に大きな注目を集めています。

ブケレ氏によると、エルサルバドル国民の約7割は銀行口座を持っていないとされているため、スマートフォンなどで簡単に自分のウォレットを作成して世界中に送金することができるビットコインが法定通貨として採用されれば、外国で働く労働者からエルサルバドルに住む親族への送金がより簡単になり、国の経済が活発化すると期待されています。

なお「Bitcoin 2021」に出席していたビットコイン決済関連企業「Zap」のJack Mallers(ジャック・マラーズ)氏CEOは、ブケレ大統領の計画を支援していることも明かしており、カナダのブロックチェーン企業「Blockstream(ブロックストリーム)」とのパートナーシップを強化する方針を示しています。

Zap」はビットコインを安い手数料で少額送金できるLightning Network(ライトニングネットワーク)を活用した決済アプリ「Strike」を提供している企業であり、NFLのアメフト選手ショーン・カルキン氏が『2021年の給与全てをビットコインに交換する』と明かした際には同社の「Strike」を通じてBTCへの交換が行われることが報告されていました。

「ビットコイン経済移行」の動きは2019年頃から

エルサルバドルでビットコインを基盤とした経済システムが導入されたのは、2019年初頭に『エルゾンテ村を愛するもの』と名乗る匿名の人物によって10万BTCの寄付が行われたことがきっかけであり、その後は現地の人々にビットコイン関連の教育活動が行われています。

この匿名の人物は『個人間で資産を直接やり取りすることができるビットコインはエルゾンテ村の住民に役立つ』との考えから、エルゾンテ村でボランティア活動を行なっていた人物に寄付したBTCの管理を任せましたが、BTCの管理を任せる際の条件として『ビットコインを現金化しないこと』を提示していたため、BTCを受け取った人々は”現物BTCを使用して経済を構築する方法”について学び始めています。

エルサルバドルは中央アメリカ中部に位置する人口640万人という比較的小さな国であるものの、実際にビットコインが法定通貨が採用されれば、BTCの本格的な採用を示す世界初の事例となり、そこからより多くの発見・研究・開発が生まれると期待されるため、今後の新たな発表にも注目が集まります。