仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

仮想通貨経済学を学べるオンラインコースを開始|ロンドン研究大学


イギリスの研究大学「ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics)」は、仮想通貨やブロックチェーンが現在の経済に与える影響などを基礎から詳しく学ぶことができるオンラインコースを8月中旬から開始します。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(London School of Economics/LSE) は、イギリスで唯一社会科学に特化した、ロンドン大学群を構成する教育機関の一つです。

経済学の分野で特に有名な大学であるLSEは、世界でもトップレベルの研究と教育を誇っています。その他にも国際関係学、社会学、社会政策学などといった、その他多くの分野で開拓を続けてきており、経済学だけでなく社会科学全般に大きく貢献しています。また近年では、非政府組織(NGO)の運営に関する研究や、欧州共同体研究、環境経営学、開発学、紛争解決学などのような分野でもパイオニア的な存在となっています。

仮想通貨と社会科学

今回の新たに開始されることになった、仮想通貨やブロックチェーンに関するオンラインコースは、初めてのクラスとして6週間のコースが8月14日から開始される予定となっています。このコースは「物事の原因を理解する」ことをモットーに、仮想通貨に関する基本的な内容から実践的な知識までの幅広い授業が行われます。

公式サイトに記載されているオンラインコースの詳細には、仮想通貨が経済社会にどのような影響を与えるかを正しく理解するために必要不可欠なトピックが数多く掲載されています。コースに参加する生徒は、仮想通貨取引、ICOの分析や評価、仮想通貨ウォレットの使用といった基本的なスキルだけなく『仮想通貨の規制とリスク』などのような社会科学に関連した専門的な知識も身につけることができます。

授業の内容としては、”将来的に伝統的な金融市場と仮想通貨市場がどのように交わるか“についてや、”分散型元帳技術(DLT)がビジネス界を根本的に変え、主要産業を変革する方法を理解する“といった内容にも触れるように設定されています。

しかし、このコースは仮想通貨投資を促進するためのものではないため、”仮想通貨にどのように投資するか”といったアドバイスは提供されません。公式の発表では次のように述べられています。

このコースでは、ブロックチェーン技術と仮想通貨の理解を深めるための情報や知識、およびフレームワークが提供されます。これらはビジネスの運営方法やビジネスと経済への影響につながります。仮想通貨投資のアドバイス、投資や財政的な助言を何ら与えられません。

2018年に入ってからは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのように、ブロックチェーンや仮想通貨を実用的な技術価値として生かすための研究開発が世界中で進められています。

仮想通貨は未来の決済手段に|ロンドン公立研究大学

先日は、イギリスの公立研究大学であるインペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究者たちが「仮想通貨は今後10年間で主流の決済手段になる可能性を秘めている」という調査結果を発表しています。

インペリアル・カレッジの教授であるWilliam Knottenbelt(ウィリアム・ノッテンベルト)教授とインペリアル・カレッジ・ビジネス・スクール(Imperial College Business School)のZeynup Gurguc(ゼイネープ・グルグゥク)博士は、『Cryptocurrencies:Overcoming Barriers to Trust and Adoption(仮想通貨:信頼と採用の障壁を克服する)』と題された研究報告で、仮想通貨は現時点でもすでに法定通貨と同じように”価値のあるストア”として働いていると主張しています。

しかし彼らは、それと同時にいくつかの改善すべき問題点があるとも述べており、仮想通貨が改善すべき6つの課題についても具体的に説明しています。

「DApps」16種類を学生が開発|スタンフォード大学

スタンフォード大学(Stanford University)は、ブロックチェーンの研究を促進するためのセンターを設立しています。この施設の立ち上げにはイーサリアム財団(Ethereum Foundation)をはじめとした複数のブロックチェーン団体が支援を行なっています。

このブロックチェーン研究センターは、ブロックチェーンの技術が従来のビジネスにどのような変化をもたらし、法的・社会的・実用的課題にどのように対処できるかを検証しています。またそれらの研究に加えて、将来の学生や専門家が金融商品を開発し、知的財産を保護し、重要な記録を管理するためにブロックチェーンを活用する方法を学ぶための役立つコースも作成されます。

これらの授業に参加したスタンフォード大学の学生たちはDApps(分散型アプリケーション)を作成するのに、数千万円ものICOが必要ないことを証明しています。彼らはイーサリアムベースのDAppsを自らの力で16個も構築し、仮想通貨業界の新たな道をリードしています。

ブロックチェーンの研究を支援|Ripple

リップル(Ripple)社はトップクラスの大学に大規模な寄付を行い、ブロックチェーンや仮想通貨の普及に取り組んでいます。

リップルは、ノースカロライナ大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、ペンシルバニア大学などを含む17の学校との提携を発表しており、「University Blockchain Research Initiative」プログラムを通じて、ブロックチェーン、仮想通貨、デジタル決済の研究開発に5千万ドル(約55億円)を寄付することを6月の初めに発表しています。

現在の社会では、仮想通貨やブロックチェーンが急速に普及したことによって、専門的な知識を持った人が不足していると言われています。ブロックチェーン関連の求人は近年急速に増えているため、各大学や研究機関、その他の学校でも今後はさらにこのような専門コースが開始されることになるでしょう。それらの技術を勉強してみたいと考えている方は、無料で勉強できるサービスもいくつか提供されているのでそちらを利用してみると良いでしょう。