ラトニック米商務長官「ビットコインは新たな金」米政府のマイニング産業支援も明言

by BITTIMES   

米政権、BTCマイニング支援表明

米国のハワード・ラトニック商務長官は2025年4月、Bitcoin Magazineのインタビューに対し、ビットコイン(BTC)を「新たな金(ゴールド)」と位置づけ、米国内のビットコインマイニング産業への政府支援を進める方針を明らかにしました。

ラトニック長官は、バイデン前政権時代にはビットコインが「何か問題があるもの」として扱われていたと指摘した上で、現政権ではその認識を一新し「過去の政策に戻ることはない」と強調しました​。

今回の発言は、米国政府がビットコインを国家の重要資産として公式に認めたことを意味するものとして、業界内外から大きな関心を集めています。

ラトニック長官が語る米国のビットコイン戦略

ラトニック長官への取材は2025年4月23日、ホワイトハウスで実施され、トランプ政権が進めるビットコイン戦略について詳しく語られました​。

ビットコイン「金や石油と同じ商品」に位置付け

ラトニック長官は、ビットコインは法定通貨ではなく金や石油と同様の「商品(コモディティ)」として扱うべきだとの見解を示し、その価値は発行上限である2,100万BTCという希少性に由来すると強調しました。

また、自身も2017年頃からビットコインに着目し始め、2020年までに「全面的に投資した」と明かしました。

さらに、長官はビットコインを国の経済統計に取り入れる構想についても言及し、米国商務省経済分析局(BEA)が発表する経済指標に、金と同じ扱いでビットコインを追加する検討に入ったことを明らかにしました。

ビットコイン産業を誘致する新プログラム

長官はビットコイン関連企業を米国へ積極的に呼び込む意向を表明し、商務省が立ち上げた「投資アクセラレーター」プログラムの詳細を説明しました。

このプログラムは10億ドル以上(約1,420億円)の投資案件を対象に、規制手続きの簡素化や許認可の早期取得を支援するもので、ビットコインマイニング事業者にとって大きなメリットがあるとしています。

マイニング施設における電力供給の自立促進

ラトニック長官は具体的な支援策として「ビットコインマイニングを希望する企業には、最適な立地を選定し、隣接地に独自の発電施設を建設できるよう支援する」と述べました。

また「マイナー(採掘事業者)は今後、天然ガス田の近くにデータセンターを設置し、隣接地に発電所を建設する流れが進むだろう」という具体的な展望も示しました。

こうした取り組みにより、既存の電力網に頼らず安価で安定した電力確保が可能となり「米国内のビットコインマイニング事業が大幅に加速する」との見通しを示しました。

米政府内におけるビットコイン支持者の存在

ラトニック長官はビットコイン産業の米国進出を積極的に後押しする考えを重ねて示しました。

そして、自身とホワイトハウスの仮想通貨責任者デビッド・サックス氏をはじめ、政府内には多くの「熱心なビットコイン支持者」が存在することも明らかにしました。

このような体制によりビットコイン産業が米国内で安定して発展できる基盤が整うとして「米国は一度受け入れた産業を後になって拒絶することはない。歴史的に見てもそうした例はない」と強調しました。

米国のBTC国家戦略に高まる期待感

ラトニック長官の一連の発言は、ビットコインを国家の重要政策として位置づける米国の姿勢転換を象徴しています。この新たな政策方針に対して、仮想通貨(暗号資産)業界からは様々な反応が寄せられています。

米国大手取引所Coinbase(コインベース)のブライアン・アームストロングCEOは、国の備蓄資産に複数の仮想通貨を含める構想に触れながらも「金の後継者としては、ビットコインこそが最適な選択だ」とX(Twitter)上で見解を示しました​。

また、ビットコイン支持派として知られる米ワイオミング州選出のシンシア・ルミス上院議員も「ラトニック氏なら経済を活性化できる」とX上で期待を示しています​。

米国政府がビットコインを国家戦略の重要要素として公式に認めたことで、仮想通貨市場はもちろん、世界各国の政策判断にも大きな影響を与えることが予想されます。

今後の米国のビットコイン政策が国際経済に及ぼす影響に、業界関係者の注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.83円)

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Source:Bitcoin Magazineインタビュー
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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