
ビットコイン政策研究所、米国債「ビットボンド」採用を提案|年間700億ドルの利子削減へ
利息負担の軽減とBTC保有を増やす「ビットボンド」
米非営利シンクタンクのビットコイン政策研究所(BPI)は2025年3月31日に、ビットコイン(BTC)を活用した新たな米国債「ビットボンド(BitBonds)」の発行を米政府に提案したことを明らかにしました。
この政策提言は、米国債の利息負担を軽減すると同時に国家のビットコイン保有を増やすことを目的としています。
また、今回の提案は、トランプ米大統領が3月6日に署名した大統領令「戦略的ビットコイン準備金の設立」を受けたもので、納税者負担を増やさずにビットコインを追加取得する「予算中立的戦略」を具体化したものであると説明されています。
トランプ政権の仮想通貨戦略
米国財政に迫る金利負担
米国政府は現在、巨額の債務返済コストという財政課題に直面しています。BPIによれば、今後12ヶ月で約9.3兆ドル(約1,400兆円)もの連邦債務が満期を迎える見通しで、金利は現行でおよそ4.5%と高止まりしています。
莫大な借換需要と高金利が相まって生じる利払い負担は納税者に重くのしかかり、財政の柔軟性や経済成長を大きく制約しています。こうした中、米政府は近年ビットコインを国家資産として重視し始めています。
トランプ政権は戦略ビットコイン準備金を創設し、政府が押収保有する約20万BTC(175億ドル/2兆8,000億円相当)を原資として蓄える方針を打ち出しました。これらのビットコインは「価値の保存手段」として長期保有され、将来的に売却せず国民の利益最大化を図る戦略と説明されています。
米国戦略ビットコイン準備金設立
米国債「ビットボンド(BitBonds)」の仕組み
こうした背景中提案されたビットボンドは、米国債とビットコインのハイブリッド債券とも言える仕組みを備えています。
BPIの発表によると、投資家には通常の米国債利回り(約4.5%)より低い、年利1%の固定利息(米ドル建て)が支払われます。その代わり、満期償還時にはビットコイン価格が上昇していればその利益の一部を受け取ることができます。
一方、政府は調達資金の90%を通常の政府歳出に充当し、残りの10%でビットコインを購入して戦略準備金に組み入れます。
BPIは、ビットボンド構想によって以下のような政策目標が達成できるとしています。
- 国債の金利負担を大幅に削減し、即時の財政的救済をもたらすこと
- ビットコイン購入により戦略的ビットコイン準備金を拡充しても追加の税負担を生じさせないこと
- 国民にとって安全かつ成長性のある税制優遇の貯蓄手段を提供できること
- ビットコインの価値上昇によって将来的に増税や歳出削減に頼らず債務の相当部分を償還し得る道を開くこと
BPIの試算では、2025年に必要な借換資金のうち約20%にあたる2兆ドル(約300兆円)をビットボンドで調達した場合、従来型の米国債と比べて年間700億ドル(約10.5兆円)の利払いを削減できるとしています。
10年間では累計で最大7,000億ドル(約105兆円)の削減効果が見込まれ、現在価値にして約5,544億ドルに相当します。
仮に初年度に約2,000億ドル(約30兆円)を投じて購入したビットコイン分を差し引いても、ビットコイン価格が横ばいであれば約3,544億ドル(約53兆円)の節約効果があります。また、価格が中央値程度まで上昇した場合には、将来的な連邦債務を大幅に圧縮できる可能性があるとしています。
億万長者が語るBTCの未来と可能性
米国債最大の保有国である日本にも影響?
今回のビットボンド提案は、米国外の市場にもインパクトを与える可能性があります。米国債の最大の海外保有国は日本で、その保有額は約1.08兆ドル(約161兆円)に達します。
米国が国債の発行形態をビットコイン連動型に変更すれば、日本の金融機関や投資家にも大きな影響が及ぶ可能性があります。記事執筆時点で日本政府がビットコインを国家資産に組み入れる計画は明らかになっていませんが、米国発のこの斬新な取り組みにより「安全資産」と「仮想通貨(暗号資産)」の融合が現実味を帯びつつあります。
日本の仮想通貨業界からも「米国の動きがビットコインの地位向上につながる」と期待する声が上がっており、今後の展開次第では日本国内でもビットコインと国債に関する議論が活発化する可能性があります。
BPIが提案したビットボンドが米国財政の新機軸となるのか、そしてその影響が世界にどう広がっていくのかに大きな注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=149.63円)
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Source:BPI公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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