リップル社、米国の教育支援で自社ステーブルコイン「RLUSD」2500万ドルを寄付

リップル社、米国の教育支援で自社ステーブルコイン「RLUSD」2500万ドルを寄付(Ripple donates $25 million in RLUSD stablecoin to support U.S. education)

この記事の要点

  • リップル社、教育支援にRLUSDで2,500万ドルを寄付
  • 寄付先は米国の教育系非営利団体2団体
  • 寄付金は教材購入や教師育成プログラムに活用
  • 仮想通貨を活用した教育支援の先進事例として注目
目次

リップル、RLUSD寄付で教育格差を支援

ブロックチェーン関連企業のRipple(リップル)社は2025年5月5日に、米国の教育支援として、同社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」を通じ、教育系非営利団体2団体に総額2,500万ドル(約36億円)の寄付を行うことを発表しました。

この資金提供は、若い世代の学習環境向上や経済的な基盤づくり、そして変化の激しい就職市場で成功するために必要な教育リソースの提供を目的としています。

背景には米国の小中高教育(K-12)での予算削減や教育環境の低下があります。2024年にギャラップ社が実施した調査では、米国の保護者や成人の55%がK-12教育の質に満足していないことが明らかにされています。

リップル社はこのような教育格差の是正に取り組み、生徒と教師が安心して学び教えられる環境作りを支援しています。

同社CEOのブラッド・ガーリングハウス氏は次のように述べ、教育支援に取り組む意義を強調しました。

当社は継続的に金融アクセスと教育機会の拡大に力を注いできました。

ドナーズ・チューズやティーチ・フォー・アメリカと提携することで米国中の何千もの教室を支援し、教師への感謝を表す米国のイベント「教師感謝週間(Teacher Appreciation Week)」を皮切りに年間を通じて学生と教師に必要なリソースを提供することで、他の人々にも同様の行動を促したいと考えています。

Ripple社の教育団体支援策

リップル社によれば、寄付金の大半はRLUSDで提供され、米国教育分野における仮想通貨(暗号資産)を用いた大型寄付としては初の取り組みとなります。

この資金は「教師感謝週間」から始まる今後1年間、教育系非営利団体2団体「ドナーズ・チューズ」「ティーチ・フォー・アメリカ」を通じて現場の教育支援に使われる予定です。

ドナーズ・チューズへの支援内容

ドナーズ・チューズ(DonorsChoose)では、全米の教師たちが現場で必要とする数千件のプロジェクトや教材購入の要望にこの寄付金を充て、十分な教材や学習資源を提供できるようにします。

現在多くの教師が生徒のために私費を投じて教材を用意している状況について、ドナーズ・チューズのアリックス・ゲリエCEOは次のように述べています。

多くの先生方は子どもたちに必要な学習教材を確保するため、毎年数百ドル、時には数千ドルもの個人資金を使っています。

リップルの今回の支援によって、教師たちは必要な道具を直接手に入れることができ、子どもたちは学びを深める教材を使いながら、より良い将来への一歩を踏み出せるようになります。

ティーチ・フォー・アメリカへの支援内容

ティーチ・フォー・アメリカ(Teach For America/TFA)は、学習支援プログラム「Ignite」の拡充に取り組みます。

またTFAは、新たに教壇に立つ数千人の新任教員への奨学金や研修費用などの経済支援にも、この寄付金を役立てる方針です。

ティーチ・フォー・アメリカのアニーシュ・ソホーニCEOも次のように語っています。

私たちはリップルの大きな支援に心から感謝しています。この寄付によって、Ignite指導者育成プログラムを拡充し、Reinvention Labでの革新的な取り組みを進め、未来の教員である新メンバーへの重要な経済支援を実現できます。

リップル社との協力関係により、すべての子どもたちが質の高い教育を受け、豊かな未来を築く機会を得られるよう、私たちの使命を前に進めることができます。

またリップル社と両団体は、全国規模のSTEM(科学・技術・工学・数学)教育革新コンテストの実施や、学生の金融リテラシー向上を目指す新たなプロジェクトも立ち上げると発表しています。

Ripple社が取り組む教育・社会貢献活動

リップル社は今回の教育支援だけでなく、これまでも世界中で様々な社会貢献活動に取り組んできました。

Ripple Impactの取り組みと実績

リップル社の社会貢献部門「Ripple Impact」は2018年から、世界80カ国以上で人道支援、教育機関・非営利団体への寄付、ブロックチェーン技術研修など様々な活動に、合計2億ドル(約288億円)以上を投じてきました。

同社では社員の約8割が募金や地域奉仕活動に自ら参加するなど、社会貢献の精神が企業文化として定着しています。

過去の教育支援実績

教育分野では、2018年に全米の公立学校教師を支援するDonorsChoose.orgを通じて、3万5,000件を超える教室プロジェクトの全額を負担し、当時最大となる2,900万ドル(約41億円)相当の仮想通貨「XRP」を寄付して注目を集めました。

また同年、世界各国の大学でのブロックチェーン研究と教育促進のため、5,000万ドル(約72億円)の支援を表明し、学術界でも積極的な貢献を続けています。

さらに、2019年には共同創業者のクリス・ラーセン氏(当時リップル社理事長)が母校サンフランシスコ州立大学へ約2,500万ドル相当のXRPを寄贈し、フィンテック分野での起業を目指す学生を支援する基金を設立しました。

直近の社会支援活動

最近では、2025年初めにカリフォルニア州で発生した大規模山火事への対策支援として、リップル社がRLUSDで5万ドル(約720万円)を寄付し、ロサンゼルス消防局財団(LAFD Foundation)を通じて最前線で活動する消防士たちを支える取り組みも行われました。

このようにリップル社は、ブロックチェーン技術や自社発行のデジタル通貨を使った社会貢献を続けており、特に教育現場への資金援助や人材育成に力を入れています。

教育×ブロックチェーンの可能性

今回のRLUSD寄付は、仮想通貨が教育現場にもたらす可能性を示す代表的な事例といえます。

ガーリングハウスCEOは「アメリカのイノベーションと経済成長は教室から始まる」と述べ、基礎教育への投資が将来の技術革新や経済発展の基盤になるという考えを示しました。

ドナーズ・チューズとティーチ・フォー・アメリカ、そしてリップルの協力のもと、RLUSDを活用した最初の大規模な社会貢献プロジェクトに参加できることを誇りに思います。

アメリカのイノベーションや経済的な成長は、教室から始まります。今回の2,500万ドルの支援は、生徒や教師、教育関係者がより良い未来を築くために必要なリソースを提供するものです。

寄付金の一部は金融教育プログラムにも充てられる計画です。ブロックチェーンやデジタル通貨に親しんだ世代を育成することで、将来的な経済的包摂につながると期待されています。

教育分野とブロックチェーン技術の連携により、新しい資金調達モデルや学習環境の向上策が開発される可能性が高まっており、リップル社の今回の取り組みはその先進事例として注目を集めています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=143.97円)

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Source:Ripple公式発表

サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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