Circle、USDCのXRPL統合を発表
米Circle(サークル)は2025年6月13日、同社が発行するステーブルコイン「USDコイン(USDC)」が、他のブロックチェーンを経由せずXRP Ledger(XRPL)上で直接利用できるようになったと発表しました。
これによりXRPL上でブリッジ(他ブロックチェーンからの橋渡し)を介さずUSDCを直接利用できるようになり、開発者・金融機関・個人ユーザーはXRPLの高速かつ低コストなネットワークでUSDCの流動性にアクセスできるようになります。
XRPLは価値のトークン化と交換を効率的に行うために設計された分散型レイヤー1ブロックチェーンです。2012年の運用開始以来、33億件以上の取引を処理してきた実績があります。
Circle社とRipple(リップル)社は、規制に準拠した信頼性の高いUSDCをXRPLに直接導入することで、XRPLの実用性向上やオンチェーン流動性の拡大、新たなイノベーション創出を図っています。
両社が語るステーブルコイン「USDC」統合のメリット
米Ripple社でRippleX部門のマルクス・インファンガー上級副社長は「ステーブルコインは従来の金融市場と仮想通貨空間をつなぐ主要な入り口であり、投機ではなく実用性に焦点を当てたユースケースにとって不可欠だ」と述べています。
またCircle社のニキル・チャンドック最高プロダクト・技術責任者は「XRPL上でのUSDC稼働は開発者にシームレスで実世界の金融アプリケーションを構築するための新たな可能性を解き放つ」とコメントし、USDCがXRPLエコシステム全体の利便性向上とイノベーション促進に期待を示しました。
XRPLの機能と新たなユースケース
XRPLは分散型取引所(DEX)機能と、XRPを仲介通貨として異なる資産間の交換を自動化するオートブリッジ機能を標準で備えており、この機能を通じてUSDCと他資産間で効率的な交換が可能となります。
今回の統合により、リアルタイムの国際送金や決済サービス、DeFi(分散型金融)アプリにおける取引や融資、法定通貨とUSDCの低コストな交換環境(オンランプ・オフランプ)の実現などのユースケースが期待されています。
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国際市場で拡大するUSDCの存在感
SBI VCトレードが国内初のUSDC提供へ
3月、日本の暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードがUSDCのベータ提供を開始すると発表しました。これは国内で初めてのUSDC導入事例となります。
さらに4月には、Circle社がUSDCとユーロ連動ステーブルコイン「EURC」を活用して世界中の金融機関を結び、即時のクロスボーダー決済を可能にするネットワーク「Circle Payments Network(CPN)」を立ち上げました。
Circle IPOとSBI連携でUSDC事業加速
6月5日、Circle社はニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式上場しました。公開価格31ドルで始まった株価は、初日の終値が83ドルに達する大幅な上昇を記録しています。
日本のSBIホールディングスは、このIPOに5,000万ドル(約72億円)を出資し、USDCの普及促進を目的とした合弁会社「Circle SBI Japan」の設立も発表しています。
World ChainでUSDCの利便性が向上
6月11日には、OpenAIのCEOサム・アルトマン氏が主導する仮想通貨プロジェクトWorld(旧:Worldcoin)のブロックチェーン「World Chain」上で、Circle社がネイティブUSDCとクロスチェーン転送プロトコル「CCTP V2」を稼働開始しました。
従来World Chain上で流通していたブリッジ版USDCは同一アドレスのままネイティブUSDCへ自動的に置換され、追加の手続きなしで、資産が完全に裏付けられた規制準拠のステーブルコインに自動的にアップグレードされます。
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XRPL活用で広がるUSDCの可能性
USDCがXRP Ledger(XRPL)でネイティブ稼働を開始したことは、グローバル送金市場やDeFi分野に新たな可能性をもたらす重要な転換点となります。
Circle社とRipple社の連携により、USDCは実用的なユースケースを拡大し、国際送金やリアルタイム決済サービスにおいて一層の効率化が見込まれます。
ステーブルコイン市場において信頼性と規制準拠の重要性が高まる中、世界的な金融インフラとしてのUSDCに大きな注目が集まっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.99 円円)
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Source:Circle公式発表
サムネイル:Circle公式発表より引用




























