仮想通貨ニュースメディア ビットタイムズ

優れた仮想通貨が必ず成功するとは限らない:MySpace 元CEO Michael Jones


仮想通貨(Cryptocurrency)の世界には現在非常に多くの銘柄が誕生しており、大量の取引を短時間で高速に処理することができる新しい技術も複数存在していますが、依然として「暗号通貨の王」にはビットコイン(BTC)が君臨しています。このような現状について、SNSの先駆け的存在である「Myspace(マイスペース)」の元CEOであるMichael Jones(マイケル・ジョーンズ)氏は「Bitcoin」という”ブランド”がその他のアルトコインに影響を及ぼしていると説明しています。

こちらから読む:世界中で利用される「地球通貨」ビットコイン関連ニュース

Michael Jones(マイケル・ジョーンズ)とは

Michael Jones(マイケル・ジョーンズ)氏は、アメリカ出身の起業家兼投資家であり、2003年に設立されたソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の先駆け的存在である「Myspace(マイスペース)社」のCEOを務めていたことでも知られている人物です。

2010年から2011年にかけてMyspace社の復興に携わっていた同氏は、Myspaceを退社した後にスタートアップ企業「Science(サイエンス)社」設立しており、現在はサイエンス社でCEOを務めています。

ジョーンズ氏は、サイエンス社での活動を通じてブロックチェーン関連の事業にも積極的に取り組んでおり、2017年9月にはICOによって集められた資金を用いて「Science Blockchain(サイエンス・ブロックチェーン)」の立ち上げを発表しています。

またジョーンズ氏は「アイデンティティの保護・検証」に重点を置いたブロックチェーン・スタートアップにも投資していると伝えられており、2017年にはロサンゼルス・ビジネス・ジャーナルによって「ロサンゼルスで最も影響力のある500人の1人」にも選ばれています。

ビットコインが持つ「ブランド力」

ジョーンズ氏は最近行われたインタビューの中で、現在の仮想通貨市場には『まだ注目されていない仮想通貨が眠っていると信じている』と語っています。しかし同氏は、自分自身の経験を元にそれらの仮想通貨は「一部で有名であっても成功することができないその他の製品」に似ているとも述べています。

同氏は「ビットコイン」という仮想通貨が持つ”ブランドの力”が非常に強力であることを強調しており、たとえどんなに優れた機能を備えた仮想通貨が誕生したとしても、詳しい知識を持っていない一般的な人々は最も広く知られている”ビットコイン”を選び続けると説明しています。

もし一般の人々が仮想通貨の世界に参加しようとするのなら、その人たちはおそらくビットコインを購入するだろうし、普通のお店が仮想通貨決済サービスを導入するなら、おそらく最初はビットコイン決済を採用するでしょう。しかしこれは”ビットコインが最高である”という意味ではありません。

ジョーンズ氏はビットコインはすでに「ブランド化」されているため長期的に繁栄し続ける可能性が高いものの、その他の仮想通貨は”ビットコイン”というブランドの影に埋もれることによって見落とされる傾向があると述べており、金よりも高価なチタンのような材料が取引の標準として使用されていないことを例に挙げて説明しています。

プロジェクト「成功の鍵」は実用化

「ビットコイン」というブランドの影響力を強調するジョーンズ氏は、数多く存在するその他の仮想通貨が一括りに「価値の保存手段」として認識されていることも多いため、それぞれの仮想通貨が持つ技術的な細かいメリットを大衆に理解させようとすれば少々苦労することになるだろうと説明しています。

ビットコインとは異なる「高い利便性」を備えた仮想通貨は実際に数多く存在していますが、専門的な知識を持っていない人々はそれらの通貨の違いを認識するのに苦労しています。その結果、最終的には最も一般的に知られている「ビットコイン(BTC)」に投資しているという人も多く、その他の仮想通貨を購入する場合にも基軸通貨として世界中で利用されている”ビットコイン”をはじめに購入する人も多いため、ビットコインは依然として時価総額ランキングでもその他の仮想通貨と圧倒的な差をつけて1位に君臨しています。

ジョーンズ氏はビットコインなどの主流な仮想通貨が選ばれ続けている具体的な事例として、実際に法定通貨のインフレ問題などに直面しているベネズエラなどの国の人々は、ビットコインなどの主要な仮想通貨で資産を保管していると説明しています。

このようなことを含めて考えると、優れた技術を持っているにもかかわらず今までにあまり大きな成果が上がっていなかった仮想通貨プロジェクトが成功していくためには、実際に日常生活で使用できる環境を構築した上でその利便性をしっかりとユーザーに示していくことが重要になると考えられます。

着実に可能性を広げる「アルトコイン」

主要な仮想通貨が常に注目を集めており、その成長速度を加速しているというのは事実ではあるものの、ジョーンズ氏が語る「ブランドに埋もれている仮想通貨」の中には、実際に技術的な特徴や利点で高評価を獲得し、大きな成長を続けているものもあります。

ベーシック・アテンション・トークン(Basic Attention Token/BAT)

ベーシック・アテンション・トークン(Basic Attention Token/BAT)は、2017年5月31日に公開されたWEBブラウザ「Brave(ブレイブ)」上で取引される仮想通貨です。

Braveのブラウザは現在一般的に使用されている「Internet Explorer(IE)」や「Google Chrome」とは異なる仕組みを採用しており、ウェブサイトで”広告を見る人”にも仮想通貨BATで報酬が支払われる仕様となっています。これはBraveユーザーが実際にブラウザを使用している際の情報を匿名で提供する代わりに支払われる報酬であり、「ネットサーフィンするだけで仮想通貨が貰える」という魅力的な仕組みとなっています。

発行された当初は一般の人々にはあまり知られておらず、一部の投資家などの間で話題となっていただけでしたが、最近では世界中の複数のメディアでも取り上げられる仮想通貨の一つとなっており、昨年の時価総額ランキングでは40位前後だったものの、その後は順調に順位を上げており2018年11月17日時点では29位にまで順位を上げています。

プンディエックス(PundiX/NPXS)

プンディエックス(PundiX/NPXS)は、主に日常的に利用する各種店舗での支払いに特化した決済用の仮想通貨として知られています。

元々は「PXS」という仮想通貨が発行されていましたが、PXSはイーサリアム(ETH)の価格が高騰したことによってPXS価格も高騰し、決済通貨としての利便性が損なわれる結果となりました。この問題への対処法として作成された「NPXS」は、より価格の安定性を維持することができる設計に組み替えられており、今年のBINANCE上場通貨人気投票では見事1位を獲得し、時価総額ランキングでは42位にまで浮上してきています。

ヴィチェーン(VeChain/VET)

ヴィチェーン(VeChain/VET)は、2014年9月に公開された、商品が本物か偽物かを判断する「真贋判定(しんがんはんてい)」の手段として利用されているブロックチェーンプラットフォームです。

一般的な商品やブランド品、食品、自動車といった様々な商品に活用することができることなどから、最近では特に注目を集めてきており、最近では大手自動車メーカーである「BMW」や、中国の大手電気自動車メーカーである「BYD」とも協力してプロジェクトに取り組んでいます。

ディセントラランド(Decentraland/MANA)

ディセントラランド(Decentraland/MANA)は、2015年から徐々にプロジェクトが進められてきた仮想現実(VR)ゲームとブロックチェーン技術を組み合わせて作られたプラットフォームです。ゲーム内で利用できる仮想通貨MANAは2017年8月に発行されており、プロジェクトの進行とともに成長してきています。

最近では複数の企業とも提携を結んでおり、レーシングゲームなども発表されているため、話題性も高まってきており、海外メディアでも頻繁に取り上げられています。

時価総額ランキングでは90位前後の時もあったものの、2018年11月18日時点では62位にまで順位を上げています。