Ripple・XRP裁判で続報|米SECの「ヒンマン文書の非公開要求」裁判所が却下
裁判所がヒンマン文書の非公開申し立てを却下
Ripple(リップル)と米国証券取引委員会(SEC)の間では「仮想通貨XRPの有価証券性」に関する議論が続けられていますが、2023年5月16日にRipple社の一部主張が認められ、"ヒンマン文書の非公開措置"を求めるSEC側の申し立てが却下されたことが明らかになりました。
ヒンマン文書とは?
ヒンマン文書とは、元SEC企業金融部長のウィリアム・ヒンマン氏が2018年6月に発表したスピーチの内容を指す文書です。
ウィリアム・ヒンマン氏はこのスピーチで「ビットコインやイーサリアムなどの特定の仮想通貨が証券とみなされるかどうか」についての説明を行なっており、当時は「ETHはイーサリアムのネイティブトークンで証券ではない」と発言していました。
スピーチでは特定の取引が証券取引の定義の1つに該当するかどうかを判定する「Howeyテスト」と呼ばれる基準を引用しながら"仮想通貨の証券性"を判断する要素が説明されており、米SECとRipple社の訴訟問題では"Ripple社側にとって重要な証拠となる可能性がある"ともみられています。
XRP関連の訴訟問題とヒンマン文書
米国証券取引委員会(SEC)は「Ripple社が未登録証券に該当する仮想通貨XRPを販売した」と主張して、Ripple社や同社のブラッド・ガーリングハウス氏やクリス・ラーセン氏を提訴しています。
ヒンマン文書はこの裁判に関連する重要資料の1つであり、Ripple社は「ヒンマン氏のスピーチなどはSECのスタンスを反映するものなので公開されるべき」と主張、米SECは「ヒンマン文書は法的保護を受けるべき」と主張しています。
2022年4月にはサラ・ネットバーン判事が「ヒンマン氏のスピーチは法的特権で保護されるべきではない」との判断を下していましたが、SECはこれに意義を唱えています。
透明性のための新たな勝利
米SECは「ヒンマン文書を封印して非公開化すること」を求めていましたが、アナリサ・トーレス連邦地裁判事は今回このSEC側の申し立てを却下し、ヒンマン文書は一般公開の対象であるとの判断を下しています。
今回の判断では、個人情報や財務情報の削除などを含む"特定の情報を保護するための編集"は認められているものの、Ripple社のXRP販売に収入や取引プラットフォームへの報酬に関する情報を削除・修正しようとする試みについては「過大な範囲」として却下されています。
米SECには最高裁判所に上告を請求する権利が残されているものの、最高裁判所が上告を受け入れるには、一定の基準を満たす必要があるため、今回の判決は仮想通貨コミュニティにとっての勝利であるとして注目されています。
Ripple社のCEOであるブラッド・ガーリングハウス氏は2023年5月17日のツイートで、今回の判決について『透明性のための新たな勝利である』とコメントし、『修正されていないヒンマン氏の電子メールがまもなく公開される』とも語っています。
Another win for transparency! Unredacted Hinman emails to be publicly available soon - stay tuned as the lawyers work through the mechanics to make that happen. https://t.co/o6puPypRHd https://t.co/qmaLVeQaP8
— Brad Garlinghouse (@bgarlinghouse) May 16, 2023
透明性のための新たな勝利!修正されていないヒンマン氏の電子メールがまもなく公開されます。弁護士たちがそのための手続きを進めるのでご期待ください。
XRPの価格は2023年5月16日時点で57円前後となっていたものの、今回の判決を受けて価格は回復しており、記事執筆時点では「1XRP=62円」まで上昇しています。
(裁判文書)
UpHoldは一貫してXRPを支持