仮想通貨KIN(キン)を開発しているKik Interactive社は、自社開発のメッセンジャーアプリKik(キック)でKINを実際に使用できるように統合し、1,000人ほどのテストユーザー向けにベータ版サービスの提供を開始したことを6月27日に発表しました。
メッセージアプリ「Kik」とは
Kik(キック)は、2009年に大学生グループが立ち上げたメッセージアプリです。アメリカやカナダの若者を中心に大きな人気を誇る同社は、創業から10年も経たない間に3億人ものユーザーを抱える大企業へと成長しました。
iOSとAndroidの両方に対応しており、世界の230カ国以上の人々とチャットをベースとした様々なサービスを通して繋がることができます。
2017年9月12日に、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を通じて約1億ドル(約110億円)を調達したKikは仮想通貨KIN(キン)を発行しており、その後も着々とプロジェクトを進めてきた結果、今回ついに待望の機能を実装しました。
KINを獲得できる『Kin Marketplace』
Kikは今回の統合によって、仮想通貨KINをプラットフォームに統合する初めてのアプリケーションとなりました。
この統合によって、テストグループのユーザーはKikのアプリを開いて(+)アイコンをタップすることで『Kin Marketplace』に入ることができます。
ここでは、初めてKINを利用するユーザーのための簡単なチュートリアルが流れます。チュートリアルを見た後は、実際に投票やクイズをしたりしてKINを取得することができます。ユーザーは自らの時間と引き換えに、タスクの複雑さやレベルに応じた量のKINを受け取ることができます。
また受け取ったKINは、追加コンテンツの購入にも利用できるため、ユーザーは新しいチャットテーマなどのプレミアムバージョンを利用することができるようにもなります。
KINを世界一の仮想通貨へ
Kikの創設者兼CEO:テッド・リビングストン氏
Kikの創設者兼CEOであるテッド・リビングストン(Ted Livingston)氏は、「私たちの目標は、KINを世界で最も使用頻度の高い仮想通貨にすることであり、KINをより多くのKikユーザーの手に渡すことは、これを達成するための重要なステップである」と語り、次のように説明しています。
ブロックチェーンは新しい複雑な技術ですが、消費者はその技術を理解する必要はありません。 これらの新しい経験を生かして、シンプルでシームレス(*1)な仮想通貨を利用した体験がいかに簡単かを実証したいと考えています。
(*1)シームレス:それぞれの機能が区切られることなく一貫してスムーズな操作ができる状態のこと
Kikのプロダクトマネージャー:ローラ・ニュートン氏
Kikのプロダクトマネージャーであるローラ・ニュートン(Laura Newton)氏は「Kinを製品戦略の柱として確立することは、Kikユーザーにとってより良い経験を生み出すのに役立つだろう」と説明し、次のようなコメントも述べています。
これはKINとの仕事の始まりに過ぎません。より多くの機能を試してみるとともに、Kinをさらに活用して製品の機会を広げ、Kikのユーザーエクスペリエンスを向上させる方法を探求していきたいと考えています。
KINがブロックチェーンを進化させる
KINはブロックチェーン技術を進化させ続けています。最近では、毎秒20トランザクションの割合で1日に120万トランザクションを達成しました。KikはKINを製品戦略の柱として、最も主流な仮想通貨に導くための支援を行なっています。
KikはすべてのユーザーにKINを利用したユーザー体験を提供することを予定しており、ユーザーがKINからアクセスできる『独自のチャットテーマなどのコンテンツを作成できるクリエイターマーケットプレイスの導入に向けて引き続き取り組んでいく』と説明しています。
KINは、イスラエル初の注目度の高い仮想通貨プロジェクトの開発に取り組んでいるSIRIN LABSやORBSを支援する分散型ソリューション企業『HEXA LABS』からの支援も受けています。
KINとも関係のあるSirinLabsやORBSに記事はこちら
KINの価格|2018年6月27日
ベータ版がリリースされた2018年6月27日以降、KINの価格は複数回の上昇を繰り返していますが、全体で見ると大きな価格の変化は見られていません。
価格も安定した状態を保ちつつ、順調に実用性を高めているKINやKikに今後も注目です。