トランプ政権、USAID再編でブロックチェーン導入検討か=報道

by BITTIMES   

人道支援にブロックチェーン導入か

米政治専門メディア「​POLITICO(ポリティコ)」は2025年3月19日に、トランプ政権が対外援助の全面的な見直しを計画しており、米国国際開発庁(USAID)を「米国国際人道支援局(IHA)」へと改名を計画していると報じました。

同メディアが入手した政府内部のメモによれば、この再編によってUSAIDは国務省の管轄下に置かれ、この再編により、援助資金の配分や追跡にブロックチェーン技術が導入される予定だと報じられています。

このメモは、3月中旬にトランプ政権の高官らによって共有されたもので「すべての援助支出はブロックチェーン技術によって追跡され、支出の透明性と説明責任を大幅に高めることができる」と記されています。

また、新設されるIHAは「米国の国益に明確に合致する人道的支援に特化」を目的として設立される予定であり、民主主義推進や女性の権利促進など、政治的色彩の強いプログラムを縮小する意向も明記されていることが報じられています。

なお、この提案をマルコ・ルビオ国務長官やトランプ政権の他の高官が承認したかどうかは、記事執筆時点では明らかにされていません。連邦地裁は3月18日にUSAIDの再編計画に対し一時差し止め命令を出しており、議会や司法との調整も含め、今後の実施には大きなハードルが予想されています。

USAID再編計画の背景

トランプ大統領は再就任初日の2025年1月20日、大統領令ですべての対外援助資金の90日間凍結を指示し、その直後からUSAIDの大規模見直しに着手しました。イーロン・マスク氏が率いる新設の「政府効率化省(DOGE)」が中心となり、米政府は「米国の利益にならない無駄遣いを是正する」として対外援助を抜本的に縮小してきました。

この改革に伴い、USAIDがこれまで担当していた援助プロジェクトの約83%が停止され、大規模な職員解雇も行われました。マルコ・ルビオ国務長官は3月10日に自身のX(Twitter)に「継続されるのは米国の国家安全保障や人道支援に直接関わる約18%のプログラムのみ」と投稿しています。

今回明らかになった内部メモは、トランプ政権が進める援助削減政策の中で、USAIDの将来像を示すものです。

メモは現行の援助体制について「対象分野が広すぎて非効率であり、一部の国々に援助依存を生み出している」と問題視し、支援を人道援助・災害対応・グローバルヘルス・食料安全保障といった限られた分野に絞り込むべきだと提言していると報じられています。

その一環として、民主主義推進や女性の権利促進、宗教の自由促進など「政治色の強いプログラム」はIHAの所管外とし、国務省本体で直接扱うよう再編する計画です。

ブロックチェーン導入に賛否の声

しかし、ブロックチェーン技術の導入に関しては専門家から懐疑的な見方も出ています。人道支援分野の専門家であるリンダ・ラフトリー氏は「ブロックチェーンは援助業務に新たな複雑さを加えるだけで、 現場のニーズには合致しない可能性がある」と指摘しました。

また、デジタル人権団体「Access Now」のジュリオ・コッピ氏も「現状の技術で十分対応可能であり、ブロックチェーン技術が費用対効果を改善するかは疑問だ」と述べています。

一方で政権側は、ブロックチェーン導入がイノベーションを促し官僚的な非効率を是正すると期待を寄せています。

DOGEを率いるマスク氏は連邦政府の各種プロセスへのブロックチェーン活用に意欲を見せており、連邦支出の追跡やデータ管理、支払いの合理化などで同技術を活用できないか模索しているとも報じられています。

USAID再編、実現の課題

この改革プランの実現には、議会との協議や法改正も含めた多くのハードルが予想されます。国務長官に就任したルビオ氏はメモを受け取ったものの、提案内容がどこまで採用されるかは未定です。

また、連邦地裁は3月18日に「USAID閉鎖の試みは憲法違反の恐れがある」としてマスク氏とDOGEによる更なる組織解体の停止を命じています。そのため、IHAへの改編やブロックチェーン実装に踏み切るには慎重な検討が続く見通しです。

もし計画通り実施されれば、米政府としては過去最大規模のブロックチェーン活用事例となるだけに、その進捗と影響を今後も注視していく必要があります。

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Source:​POLITICO報道
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像

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