
クリプトパンクス保有者、18億円所得隠しで最長6年の懲役刑に
クリプトパンクス保有者が利益を隠蔽
米国ペンシルベニア州中部地区連邦検事局は2025年4月11日に、同州在住のウェイロン・ウィルコックス氏が所得隠しを認めたと発表しました。
同検事局の声明によると、同氏は2021年から2022年の所得を過小申告しました。2年で合計1,300万ドル(約18億円)以上の利益を隠蔽したと見られています。
利益の大半は、NFTコレクションである「クリプトパンクス(CryptoPunks)」の売却によるもので、同氏は2021年から2022年にかけて同コレクションのNFTを97個売却しました。
同氏は、該当の期間における所得税申告書で「仮想通貨またはデジタル資産の売却・交換などで利益を得ましたか?」という質問に対して「いいえ」と回答し、NFT関連の利益を一切申告していませんでした。
現時点で量刑は宣告されていませんが、ウィルコックス氏には最長6年の懲役が言い渡される可能性があります。
担当のユーリー・クルティ捜査官は、声明に際して以下のようにコメントしました。
IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)犯罪捜査局は、課税所得を隠蔽するために設計された仮想通貨や非代替性トークン(NFT)取引を含む複雑な金融スキームの解明に尽力しています。
今日の経済環境において、全てのアメリカ国民がルールを守り、納税義務を果たしていると確信することがこれまで以上に重要です。
低迷が続くNFT市場
同氏がクリプトパンクスを売却した2021年から2022年は、NFTブームが最高潮に達していました。特にクリプトパンクスは、同ブームにおける代表的なNFTコレクションです。
同ブームの終焉以降、NFT市場は低調なパフォーマンスが続いています。NFT関連のデータ分析ツールCryptoSlamによると、NFT市場全体の年間取引高は2022年の230億ドル(約3.2兆円)から、2024年には89億ドル(約1.2兆円)まで減少しました。
直近では、クリプトパンクスを売却して多額の損失を出した事例が仮想通貨業界で注目されました。
同ツールによると、該当の取引では2024年4月に約1,600万ドル(約22億円)で購入したクリプトパンクスのNFTが、2025年4月11日には約600万ドル(約8.5億円)で売却されました。
所有者は上記の取引によって、約1,000万ドル(約14億円)の損失を出したと見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.4円)
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Souce:米国司法省
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像