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米海軍がブロックチェーン技術の調査を開始 ー DARPAも関わる「SIMBA Chain」採用


ブロックチェーン(Blockchain)の技術は軍事産業でも活用されています。米国の「海軍航空システム司令部(Naval Air Systems Command/NAVAIR)」は、それらの技術が持つ”透明性”や”高度なセキュリティ”などの利点を上手く取り入れていくために「Indiana Technology and Manufacturing Companies(ITAMCO)」との提携を結び、具体的な活用方法を模索しています。

こちらから読む:米海軍も大きな可能性を感じている「ブロックチェーン」の仕組み

ブロックチェーンで航空機の部品を追跡|NAVAIR

海軍航空機や空中兵器システムの重要なサポートを提供している「海軍航空システム司令部(Naval Air Systems Command/NAVAIR)」は、航空機の部品を追跡するためにブロックチェーン技術を活用していく方法を模索しています。

9月20日に公開されたプレスリリースによると、海軍航空システム司令部(NAVAIR)は航空機に関連する部品の追跡にブロックチェーン技術を取り入れることによって「コストの削減」や「効率的な追跡」ができるかを調べるための調査を行なっているとされています。

これまでに利用されていたシステムでは、部品が配送されたのちに「“紙ベース”の方法を用いて追跡が行われていた」とのことで、「情報の記録は手動で行われていた」と説明されています。このような方法では多くの資源が必要となり、人為的な手間もかかるため、軍用機の運用コストを押し上げる原因となっていたとのことです。

これらの問題を解決するために、NAVAIRは「Indiana Technology and Manufacturing Companies(ITAMCO)」と提携を結んでいます。

DARPAとITAMCOが共同開発「SIMBA Chain」

ITAMCOは「アメリカ国防高等研究計画局(DARPA)」と協力して「SIMBA Chain」というブロックチェーン・プラットフォームを開発しており、NAVAIRはこのプラットフォームを利用して追跡の効率化を測ることになります。

このパートナーシップは、最終的に透明性とセキュリティを兼ね備えたブロックチェーン物流システムの概念フレームワークを開発することを目指しています。

しかしプレスリリースでは”克服すべき問題点”についても説明されており、「分散型のサプライチェーン」は外部からの攻撃に対する脆弱性を高めるため、サイバーセキュリティを特に考慮する必要があるとも説明されています。

このような懸念もあることから、これらのシステムの専門家を初期段階から集めて、分散型システムのメリットやリスクについてしっかりと理解する必要があることも強調されています。

これらの複数の問題点などもあることから「SIMBA Chain」はビットコインのブロックチェーンのような”パブリックチェーン”ではなく“パーミッション型”のプライベートチェーンになるだろうと言われています。

海軍艦隊の支援チームは、ブロックチェーン技術を活用することによって、従来のシステムよりも安全かつ低コストな方法で追跡できるため、海軍の航空ミッションの焦点をより深めることができると考えています。

国家規模のプロジェクトでも活用される「ブロックチェーン」

ブロックチェーンの技術は、今や世界中のあらゆる業界で活用されています。これらの技術は、軍事関連の用途で活用されているだけでなく、宇宙開発などでも利用されており、その他の分野では選挙投票などのような政治の分野でも応用されています。

ブロックチェーン技術に関しては、技術的な内容や専門的な話が難しいと感じている人も多いと思われますが、それらの様々な活用事例を知り、具体的な利用方法を見ていくことによって、注目されている理由や将来的にこれらの技術がどのような社会を作り上げていくのかなどについても、少しづつ理解できるようになってきます。

当メディアでは、ブロックチェーン技術の持つ可能性や、現時点で知っておくべき問題点などについての理解をより高めていただくことなどを目指し、数多くの活用事例を紹介させていただいています。より多くのプロジェクトを簡潔に知っていただくためにも、それらの事例を業界ごとにシンプルにまとめた記事も複数紹介していますので、それらのまとめ記事も合わせて読んで見てください。