![](https://bittimes.net/wp-content/uploads/2017/09/ethereum-metropolis-byzantium.jpg)
イーサリアムハードフォーク「メトロポリス」9月18日から導入スタート
イーサリアムハードフォーク「メトロポリス」が、9月18日から運用されることが、コア開発者から正式に発表されました。
メトロポリスへのアップグレードは二段階に分かれて行われ、最初の段階を「 Byzantium(ビザンチウム)」、次の段階を「 Constantinople(コンスタンティノープル)」と言います。
つまり、メトロポリスでは「 2回連続でハードフォークが行われる」ということです。
9月18日に行われるアップグレードは「 Byzantium 」で、その後テストネットへ導入し、問題がなければ「 10月9日」に、「 Constantinople 」がリリース予定のようです。
当然ですが、Constantinople リリースされればメトロポリスへのアップグレードが完了したことになります。
現実的には、Byzantium 導入後、テストネットでの修正期間は 3週間から 4週間ほど必要だと言われているので、予定では「 10月中旬」には、メトロポリスがスタートする可能性が高いです。
イーサリアムハードフォーク「メトロポリス」までの時系列
イーサリアムハードフォークのタイムスケジュールは、やや複雑なので、簡単な時系列にします。
Byzantium ハードフォーク(9月18日)
↓
Byzantium EIP の統合(ネットワーククライアント次第)
↓
Ropsten testnet にて修正( 3週間〜 4週間)
↓
Constantinople ハードフォーク( 10月中旬〜)
この流れです。
短期間で 2回のハードフォークを行い、ネットワークエラーを最小限に抑える方針ですね。
ニュースの拡散の程度にもよりますが、導入前後ではイーサリアム価格が上昇する可能性が高いですね。
メトロポリスが導入されると何が変わるのか?
メトロポリス導入は、イーサリアムにとって大きなターニングポイントになるでしょう。
「セキュリティの向上」「手数料の自由化と確認方法の改善」「アプリケーション構築作業の軽減」「マイニング報酬量の減少」「 PoW から PoS への転換」など、ユーザー、ビジネスプラットフォーム構築者にとって大きなメリットがあります。
現在のイーサリアムブロックチェーン上での新トークン作成もそうですが、ユーザービリティの向上、ビジネスでの利用幅も広がり、よりサービスが向上します。
メトロポリスの「Byzantium」とは?
では具体的に、Byzantium アップデートでイーサリアムの何が変わるのでしょうか。
現在、Byzantium には「 EIP( Ethereum Improvement Protocols ・イーサリアム改善プロトコル)」が合計 9個が含まれています。
EIP についてですが、ビットコインの場合は「 BIP 」でしたよね。
「 Ethereum 」は「 EIP 」、「 Bitcoin 」は「 BIP」ということです。
それでは EIP の内容を確認していきましょう。公表されているので、内容を簡単に下記にまとめてみました。
EIP 100(ブロック難易度の変更)
EIP 140( Ethereum 仮想マシンのREVERT命令)
EIP 196(楕円曲線の加算とスカラー乗算のプリコンパイルされた契約)
EIP 197(プリコンパイルされた契約楕円曲線のペアリングチェック)
EIP 198( bigintモジュラ累乗のためのプリコンパイル済み契約)
EIP 211(新しいオペコード:RETURNDATASIZEとRETURNDATACOPY)
EIP 214(新しいオペコード:STATICCALL)
EIP 649(難点爆弾遅延と発行削減)
EIP 658(領収書の取引返品データ)
以上9点です。
「Byzantium」を簡単解説
ただ、これだけでは何が何だか分かりませんので、これらの EIP で何が実現できるかというと、
・ブロックの難易度調整
・zk-SNARK(ジーケー・スナーク)の導入
・ユーザー自身での秘密鍵のコントロール
・送金手数料のコントロール
・ハッキングリスクの軽減
・マイニング報酬の減額
・トランザクションの成否を仮想的に確認
以上のようなことが可能になります。
特に注目すべきは「ハッキングリスクの軽減」「 zk-SNARKの導入」「マイニング報酬の減額」と「トランザクションの成否を仮想的に確認」という部分でしょう。
セキュリティに関しては、以前よりイーサリアムは「 ICO 」に乗じてイーサリアムが盗まれる。という問題が多く発生していました。こうした「ハッキングによる盗難リスク」を軽減するための処置ですね。
また、 zk-SNARK は、「 Zcash 」で使用されている暗号技術で、イーサリアムの匿名性が向上します。
次に「トランザクションの成否を仮想的に確認できる。」という部分ですが、イーサリアムではこれまで「送金手数料不足による送金失敗」をすると「送金手数料が戻ってこない」というデメリットがありました。
Byzantium 導入後は「この送金手数料で送金できるかどうかがが予め分かる。」ということですね。
むしろ、「なぜ今まで導入していなかったんだ!」とも言えるアップデート内容になります。
最後に最も大きな変更点といえば「マイニング報酬の減額」です。
お気付きの方もいたかもしれませんが、現在イーサリアムの「ブロック生成時間」と「マイニング報酬の減額」が行われています。
もともと 20秒ほどだったブロックの生成時間は現在、30秒にまで伸びています。
メトロポリス導入後は 39秒までに延長する予定です。
ブロックの生成時間が超過するということは、それだけ「マイニング報酬を受け取るタイミングの減少」につながるので、時間だけを見ればイーサリアムマイナーは報酬額が「約半分になる」ということです。
また、報酬額も「 5ETH」から「 3ETH」に減額されます。
単純に Byzantium 導入後はマイニング報酬は「 70%減額」になるということですね。
これは「 PoS 」への移行を本格的に始めるというイーサリアム財団の方針ですね。
メトロポリスの「Constantinople」とは?
Constantinople の運用が開始されれば、「システム開発者」の労力を軽減します。
これはトランザクション評価プロセスを簡略化することで実装されます。
またアカウントのセキュリティの向上もこの段階で反映され、アカウントの柔軟性とカスタマイズ性を向上させることで、ユーザーが独自のセキュリティモデルを使用することができます。
現状、Constantinople に関してもは対応内容に不明確な部分も存在するため、今後 Byzantium 導入後のテスト段階で新しいアナウンスがあるかもしれません。
とりあえずは、「 Byzantium 導入が 9月18日」に行われ、「 10月中旬にはメトロポリスアップグレードが完了する」という認識で大丈夫です。
引き続き見守り、新しいアナウンスが出次第報道していきたいと思います。
![](https://bittimes.net/wp-content/uploads/2017/09/ethereum-metropolis-byzantium.jpg)
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