ビットコイン(Bitcoin/BTC)に始まり、8月にハードフォークした「ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)」、11月にハードフォーク予定の「ビットコイン2x(仮称)」、更に10月25日には「ビットコインゴールド(Bitcoin Gold/BCG)」が誕生する予定です。
それぞれ違いはありますが、少々増えすぎ感は否めません。特に最近購入したような初心者にとっては区別をすることは非常に困難です。そもそも、ここまで同じ「ビットコイン」の名がつくコインを増やす意味があるのか?なぜここまで増えてしまったのか?などの疑問も出てくると思います。
今回はそんな混乱を極める「4つのビットコイン」が誕生した理由やそれぞれの特徴について比較していきます。
今回の記事は「ブロックチェーン(Blockchain)」の知識が必須になります。詳しくはこちらからどうぞ。
ブロックチェーンとは?
ビットコイン(Bitcoin/BTC)がいくつも存在する理由
「ビットコイン」という名前はついていますが、それぞれ「全く別の仮想通貨」です。
Bitcoinをはじめとした暗号通貨は「システムによるルール」で動いていますので、「システムの変更」が行われるとそれは「全く別の通貨」になってしまいます。ビットコインキャッシュやビットコインゴールドは、ビットコインが抱える問題解決のために、このシステムのルールを変更したので、全く別の通貨となります。
そして、根本的なシステムの変換をすることを「ハードフォーク」と言い、システムのアップグレード、少しの仕様変更を「ソフトフォーク」と言います。(かなりざっくりと説明しています。)現在のビットコインは、ソフトフォークを続けたもので、改良を重ねた結果、現在のビットコインシステムに成長してきました。そして、最近誕生したビットコインキャッシュはハードフォークで根本的なシステム変換を行なった「まったく別の通貨」です。
4つの「ビットコイン」の特徴
ビットコイン(Bitcoin/BTC)
私たちが普段「ビットコインと呼んでいる通貨」です。
ブロックサイズは「1MB」で運用されており、運営に関して中心的な動きは「ビットコインコア」が行なっています。マイニングには「ASIC(エーシック)」と呼ばれる専用の集積回路、チップが必要です。(ASICはパソコンに使用されているCPUやGPUよりも計算速度が速い集積回路)
ブロックサイズが小さいために、取引遅延や手数料の高騰など、問題が多数出てきました。この解消方法を巡って、数年間にわたり議論を行ってきましたが、未だ具体的な解決方法の実現ができていません。この状態に我慢できなくなった派閥が、以後新しいビットコイン(アルトコイン)を生み出します。
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash/BCH)
今年の8月にハードフォークにより誕生した通貨です。
ビットコインキャッシュとビットコインの大きな違いは、ブロックサイズが「 8MB 」まで拡張できることです。「ブロックサイズが大きければ多くの取引を処理できる。」というシンプルな運営方法で、先ほどのブロックサイズ問題を解決しています。このような思想を持った派閥のことを「ビックブロック派」と言います。
ビットコイン2x(Segwit 2x)
ビットコイン2xは仮称ですが「Segwit 2x」によって誕生した通貨のことを指します。
ブロックサイズ問題を解決するために誕生した「Segwit」ですが、計画がなかなか実行されないために「とりあえず」の対策として誕生したのが「Segwit 2x」です。11月にハードフォークする予定のビットコインで、ブロックサイズは「2MB」です。
ただし、現状も技術面の不完全さから、ビットコインコアと対立をしています。
ビットコインゴールド(Bitcoin Gold/BCG)
10月25日にハードフォークすると発表したビットコインで、通常のビットコインとの大きな違いは、「GPUマイニング」が可能になったことでしょう。先ほど、ビットコインのマイニングには「ASIC」が必要だとお伝えしましたが、ビットコインゴールドのマイニングは「GP 」で行えます。
ASICは一般的なパソコンには使われていませんが、GPUなら私たちのパソコンにも使われています。つまり「マイニングの一般化」が可能になるということです。マイニング市場は、現在大手マイニングファームが「総勝ち」している状態で寡占化が進んでいるので、この動きは非常に民主的だと言えます。
以上が、現在存在している(これから誕生する)ビットコインです。
どの通貨にも一長一短がありますが、どのビットコインがより良いのかは最終的にはユーザーが判断することですので、今後、価格などを含めどのような動きになるのか全くの予測ができませんね。ただ「ビットコインの根本思想」に照らし合わせて運用をしていけばどのコインも大きく道を外すことはないと思いまいす。それぞれが、より良いコインになることを願います。
思想から学べば何も怖くない「ビットコイン」