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メルセデス・ベンツ:ブロックチェーンで「コバルト」の生産情報管理


大手自動車メーカーである「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」は、イギリスのブロックチェーンスタートアップ企業である「Circulor(サーキュラー)」と協力して、バッテリーに使用するコバルトのサプライチェーン管理を行い、CO2排出量の記録を効率的に管理するためのプロジェクトに取り組んでいます。

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「リサイクル材料・CO2排出量」などを追跡

Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)とCirculor(サーキュラー)は、コバルトサプライチェーンにおけるCO2(二酸化炭素)排出量に透明性をもたらすためのパイロットプロジェクトに取り組んでいます。

Daimler AG(ダイムラー)が2020年1月30日に公開したプレスリリースによると、このプロジェクトは次世代自動車の特定を目指す「Startup Autobahn」と呼ばれるイニシアチブの一環として行われており、具体的には自動車のバッテリーなどで使用する”コバルト”のサプライチェーンをブロックチェーンで管理することによって、リサイクル材料やガス排出量を追跡すると説明されています。

メルセデスベンツは20年以内に「カーボンニュートラル(*1)な新しい乗用車」を製造することを目指しており、今回発表されたテストプロジェクトで収集されたデータはこの目標を実現するためにも活用されることになっています。

(*1)カーボンニュートラル:特定の活動が大気中の炭素量を増加させないこと。「何かを生産したりする際に排出される二酸化炭素」と「吸収される二酸化炭素量」が同じであるという概念

「児童労働問題」などにも対処

「メルセデス・ベンツ」と「サーキュラー」が使用するブロックチェーンネットワークは「労働条件・人権・環境保護・安全性・企業論理・コンプライアンス」などに関する情報を確認するためにも活用されると説明されています。リチウムイオン電池を製造するために使用されるコバルトの大部分はコンゴ民主共和国で生産されていますが、コンゴでは非常に多くの子どもたちが過酷な労働環境の中で働かされているため国際的な問題となっていました。

ダイムラーとベンツは、コバルトの生産情報をブロックチェーン上で管理することによって、関連企業が”非論理的”な活動を行なっていないかを監視し、このような問題を解決することを目指しています。

自動車業界では、ブロックチェーン技術でコバルトのサプライチェーン管理を行う企業が増えてきており、
Volkswagen(フォルクスワーゲン)
Ford(フォード)
VOLVO(ボルボ)
なども同様のプロジェクトを発表しています。

またその他の企業では「自動車部品のサプライチェーン管理」などでもブロックチェーン技術が活用されているため、近い将来にはブロックチェーン技術を用いたサプライチェーン管理が世界的に主流になっていくことになると予想されます。

>>「ダイムラー」のプレスリリースはこちら