リップル社とXRPの違いとは?関係性・歴史・SEC訴訟までわかりやすく解説

リップル社とXRPの違いとは?関係性・歴史・SEC訴訟までわかりやすく解説

仮想通貨XRP(エックスアールピー)は、2012年に稼働した分散型ブロックチェーン「XRPレジャー(XRP Ledger/XRPL)」上で使われるデジタル資産です。国際送金の場面で中継役となるブリッジ通貨として活用されてきた経緯があり、日本国内でも複数の仮想通貨取引所が取り扱っています。個人投資家の認知度も高く、主要銘柄の一つとして広く知られています。

XRPに関する話題では、XRPレジャーの開発と普及に深く関わってきた米リップル(Ripple)社の名前が頻繁に登場します。ただし、リップル社は企業であり、XRPはデジタル資産です。両者の結びつきは強いものの、同じものとして扱うと情報を誤って受け取りやすくなります。ニュースや投資情報を読む際には、この違いを最初に押さえておく必要があります。

この記事では、XRPの基本的な仕組み、リップル社の事業内容、両者の関係、さらにSEC訴訟を通じて整理された法的な位置づけまでを、2026年時点の動向を踏まえて解説します。

目次

リップル社とXRPは何が違うのか

Rippleの画像

リップルは企業、XRPはデジタル資産

リップル(Ripple Labs Inc.)社は、米国サンフランシスコに本拠を置くフィンテック企業です。国際送金や機関投資家向け決済インフラを提供するソフトウェア事業を展開しており、従業員や株主を抱え、事業収益を上げながら運営される一般的な企業体です。

一方、仮想通貨(暗号資産)XRPは、XRPレジャーというパブリックブロックチェーン上で利用されるネイティブトークンです。XRPレジャーはオープンソースで公開されているネットワークであり、XRPは価値移転や手数料支払いの単位として機能しています。

この違いを整理すると、ニュースの意味もつかみやすくなります。たとえば「リップルが◯◯と提携した」という報道は企業活動に関する話であり、「XRPの価格が変動した」という報道はデジタル資産の市場動向を伝えるものです。両者は無関係ではありませんが、同じ性質の話題ではありません。

リップル社がXRP表記を求めた理由

こうした混同を避ける動きとして、2025年1月28日、米リップル社は仮想通貨取引所やプラットフォームに対し、暗号資産を「XRP(エックスアールピー)」と表記するよう公式に要請しました。対象は同社のパートナー企業や業界関係者にも及んでおり、呼称の整理を業界全体に広げようとする姿勢が示されています。

リップル社はこの要請について、暗号資産としてのXRPと企業としてのリップル社を明確に区別するためだと説明しています。同社は以前から、XRPは独立したオープンソースのデジタル資産であり、リップル社とは別個の存在だという立場を示してきました。2025年の要請は、その考え方をよりはっきり外部に共有する動きと受け止められます。

日本国内でも、SBI VCトレードをはじめとする大手仮想通貨取引所の多くが、「XRP(エックスアールピー)」または「エックスアールピー(XRP)」という表記を採用しています。BITTIMESでも、ニュース記事や特集記事では「XRP(エックスアールピー)」を基本表記としています。

リップル社とXRPを分ける重要性

リップル社の事業展開とXRPの市場動向は、同じ方向に動くこともあれば、別々の理由で変化することもあります。たとえば、リップル社が金融機関との提携を発表した場合には、XRPの実需拡大を期待する見方から価格が反応することがあります。その一方で、XRPレジャーの技術アップグレードやコミュニティ主導の動きは、リップル社の業績とは別の文脈で注目される材料です。

そのため、ニュースの主語が「リップル社」なのか、「XRP」なのか、「XRPレジャー」なのかを意識するだけでも、何について語られているのか整理しやすくなります。投資判断でも、企業としてのリップル社の価値と、デジタル資産としてのXRPの価値を一緒にせず、それぞれ切り分けてみる必要性があります。

リップル社とXRPが混同された歴史

Rippleの画像

XRPレジャー初期に起きた名称の揺れ

XRPレジャーは2012年に稼働を始めたオープンソースのブロックチェーンネットワークです。その源流は、2004年にカナダのRyan Fugger(ライアン・フッガー)氏が提唱した「RipplePay」にさかのぼります。2011年には、ビットコイン初期の開発者らがRipplePayの考え方を引き継ぎながら、新たな分散型ブロックチェーンとして再設計を進め、翌2012年にネットワークが公開されました。

その後、同年後半に、このネットワークの開発を支援する営利企業としてサンフランシスコで「Ripple Labs」(現在のリップル社)が設立されます。この時期には、プロジェクト全体、開発企業、ネットワーク、ネイティブ資産が、いずれも「リップル」という言葉で呼ばれる状態になっていました。

当初、デジタル資産のコードも「リップル」と呼ばれていましたが、名称の混乱を避けるため、コミュニティの中で通貨コードとして「XRP」が使われるようになったとされています。つまり、XRPという呼び方は最初から完全に定着していたわけではなく、識別しやすくする過程で広まっていったものとなっています。

初期コミュニティで残った「リップル」呼称の慣習

名称の使い分けが進んだあとも、日本を含む多くの市場では、仮想通貨XRPを「リップル」と呼ぶ慣習が残りました。初期の報道や取引所の表記で「リップル(XRP)」「XRP(リップル)」といった併記が広く使われたこともあり、読者の間でも「リップル=XRP」という理解が浸透していきました。

この呼び方には分かりやすさがありますが、その反面、「企業としてのリップル社の動き」と「デジタル資産としてのXRPの動き」を一つの話として受け取りやすくする面もありました。実際、リップル社の経営判断や規制対応に関するニュースが、XRPそのものの性質に関する話のように受け止められることもありました。

今も日本語メディアに残る「リップル(XRP)」

現在でも、日本語圏の一部メディアや投資解説コンテンツでは「リップル(XRP)」という併記が見られます。検索面では理解しやすい表現ですが、企業としてのリップル社と、独立したデジタル資産であるXRPを同一視しやすいため、正確性を重視する文脈では注意が必要です。

リップル社が2025年1月に表記要請を出した背景には、こうした併記慣行がなお残っていた事情もあります。CEOのブラッド・ガーリングハウス氏も以前から、「XRPは独立したオープンソースのデジタル資産であり、リップル社とは別の存在である」と繰り返し説明してきました。

リップル社が展開する金融インフラ事業

Rippleの画像

サンフランシスコ発のフィンテック企業

リップル社は、2012年にRipple Labsとしてサンフランシスコで設立されたフィンテック企業で、金融機関向けのクロスボーダー決済ソリューションや、デジタル資産を使った流動性サービスを中心に、事業領域を広げてきました。

同社は米国のほか、欧州、アジア、中東などでも規制関連ライセンスの取得を進めており、2026年1月時点で取得している規制関連ライセンスは75件を超えると報告されています。さらに2026年1月には、ルクセンブルクの金融規制当局CSSFからEMI(電子マネー機関)ライセンスの予備承認を取得し、EU全域を見据えた規制対応型クロスボーダー決済の体制強化を進めています。

米国内でも事業基盤の整備が進んでいます。2025年12月12日には、米通貨監督庁(OCC)がリップル社を含む5社に対し、米連邦信託銀行(National Trust Bank)の設立を条件付きで承認したと発表しました。これにより、同社は米国の連邦銀行法に基づく金融機関として業務を行う土台づくりを進めています。

主力事業「Ripple Payments」と機関投資家向けサービス

リップル社の主力事業の一つが、クロスボーダー決済ソリューション「Ripple Payments」です。金融機関やフィンテック企業に対して、国境をまたぐ送金や決済を効率化する仕組みを提供しており、その中では同社のステーブルコイン「RLUSD」やXRPが決済手段として使われる場面もあります。

機関投資家向けでは、2025年11月3日に米国で始動した「Ripple Prime(リップルプライム)」が、マルチアセット型のプライムブローカレッジサービスとして展開されています。Ripple Primeは、同社が2025年に約12.5億ドル(約1,960億円)で買収したHidden Road(ヒドゥンロード)の事業基盤を引き継いだもので、機関投資家向けに、仮想通貨やRLUSDを含む主要デジタル資産のOTC取引や清算サービスを提供しています。

2026年2月4日には、Ripple Primeに分散型取引所「ハイパーリキッド(Hyperliquid/HYPE)」を統合したことを発表しました。これにより、機関投資家は仮想通貨、伝統的金融資産、DeFi(分散型金融)上のポジションを、単一のリスク管理フレームワークのもとでクロスマージン取引できる環境を利用できるようになっています。

カストディと自社ステーブルコイン「RLUSD」

機関投資家向けのデジタル資産保管サービスとして、リップル社は「Ripple Custody」も提供しています。銀行やカストディアンがデジタル資産を保管・運用するための基盤であり、近年はセキュリティ強化に加えて、ステーキング機能の統合も進められてきました。

また、自社発行のドル連動型ステーブルコイン「RLUSD」も、同社の事業戦略の中で存在感を強めています。RLUSDは発行開始から約1年で流通額が10億ドル(約1,530億円)を突破し、機関投資家を中心に利用が広がっています。さらに2026年1月には、大手資産運用会社BlackRock(ブラックロック)がRLUSDを担保運用に活用し始めたことも確認されました。

これらの動きを見ると、リップル社はクロスボーダー決済、プライムブローカレッジ、カストディ、ステーブルコインといった金融インフラを一体で整えていく方向にあります。業界関係者の間では、「金融界のAmazon」を志向するようなインフラ構築だと受け止める声も出ています。

XRPの独立したデジタル資産としての性質

Rippleの画像

XRPはXRPレジャーのネイティブ資産

XRPは、XRPレジャー上で使われるネイティブ資産です。XRPレジャーは2012年の稼働開始以来、10年以上にわたって運用が続いてきた分散型ネットワークであり、XRPはその中で価値移転や取引手数料の支払いに使われています。

とくに注目されるのが、トランザクション処理の速さです。XRPの送金は約3〜5秒で完了する設計で、ビットコイン(BTC)の平均約10分と比べると、決済や送金用途と相性が良いとされています。この処理速度を背景に、XRPは異なる通貨ペア間の流動性をつなぐ「ブリッジ通貨」として、国際送金の領域で利用されてきました。

XRPの発行上限と焼却(バーン)メカニズム

XRPの最大発行量は1,000億XRPに設定されており、XRPレジャーの稼働時点ですでに全量が発行されています。イーサリアム(ETH)のように、ネットワーク参加者が新規発行を行うマイニング報酬の仕組みはなく、あとから追加発行されることもありません。

その一方で、XRPレジャーでは取引ごとに微小な手数料が発生し、通常は0.00001XRP程度が支払われます。この手数料分のXRPはネットワークから恒久的に除去される仕組みで、いわゆる「焼却」にあたります。発行量には上限があり、取引が行われるたびに供給量がわずかに減っていく構造です。

リップル社は運営者ではなく参加者に過ぎず

XRPレジャーはパーミッションレスのオープンソースブロックチェーンであり、特定の中央管理者が存在する仕組みではありません。リップル社はその開発に深く関わってきた企業ですが、ネットワーク全体を支配したり、一方的にルールを変えたりする権限は持っていません。

実際、XRPレジャーのバリデーター(取引検証者)は各地に分散して運営されており、コンセンサス(合意形成)もノードごとの独立した判断に基づいて行われます。

リップル社の名誉CTOであるデイビッド・シュワルツ氏は2026年2月25日、XRPレジャーが中央集権的だとする批判に対し「各ノードが信頼するバリデーターの合意状況をもとに判断する仕組みであり、リップル社が絶対的な支配力を持つわけではない」と技術面から反論しました。

さらに、2026年2月26日にリップル社が発表したXRPレジャー支援体制の再編では、これまで同社主導で運営されてきた開発者向け助成プログラムを、独立組織や地域ハブ、コミュニティ主体のプログラムを通じた分散型の支援体制へ移す方針が示されています。

同社は2017年以降、累計5億5,000万ドル(約855億円)超をXRPレジャーのエコシステム支援に投じてきましたが、今後は複数の独立した経路を通じて資金を供給する形へと軸足を移します。

2028年までの量子耐性化ロードマップ

XRPレジャーでは、将来の量子コンピューターによる暗号解読リスクを見据えた対応も進められています。リップル社は2026年4月20日、XRPレジャーを量子攻撃から保護するための4段階ロードマップを公式ブログで公開し、2028年までに本番ネットワークへの完全移行を終える方針を示しました。

ロードマップはPhase 1からPhase 4までの4段階で構成されています。Phase 2(2026年前半)では、量子耐性署名アルゴリズム「ML-DSA」をはじめとするNIST標準方式の実環境評価を進め、Phase 3(2026年後半)では既存の楕円曲線署名と量子耐性署名を並行稼働させるハイブリッド方式をDevnet上で展開します。最終段階のPhase 4(2028年)では、本番ネットへの完全移行を終える計画です。

利用と所有は別、リップル社とXRPの関係

XRPがリップル社製品で果たす役割

リップル社とXRPの関係を理解するうえで押さえておきたいのは、「リップル社はXRPを自社製品に組み込んで使っているが、XRPそのものを所有・支配しているわけではない」という点です。同社はRipple Paymentsなどの決済ソリューションでXRPをブリッジ通貨として活用し、機関投資家向けのRipple PrimeでもXRPを取扱資産の一つとして提供しています。

ただし、リップル社がXRPを利用しているからといって、XRPレジャーネットワーク全体を運営しているわけではありません。リップル社以外にも、金融機関、フィンテック企業、個人投資家、開発者コミュニティなど、さまざまな参加者がそれぞれの目的でXRPレジャーを利用しています。

エスクローで管理されるXRPの位置づけ

リップル社は2012年のXRPレジャー稼働時、創業者らから寄付を受ける形で大量のXRPを受領しており、現在もその一部をエスクロー(第三者預託)口座で管理しています。XRPScanのデータによれば、2025年9月時点でエスクロー口座には約353億XRPが残っていると確認されています。

同社は毎月エスクロー口座から10億XRPを引き出し、事業に必要な分を保持したうえで、残りを再びエスクロー口座へ戻す仕組みを採用しています。これは2017年に公表したロックアップ方針に基づくもので、市場への供給ペースを予測しやすくすることが目的です。

重要なのは、このエスクロー残高が「発行済みXRPのうち、リップル社が保有・管理している分」に限られるという点です。総発行量1,000億XRPのうち、同社が保有していない約640億XRPは、すでに市場参加者や各種保有者のもとで流通しており、同社の判断とは切り離された状態で存在しています。

XRPレジャーの分散性をめぐる論点

XRPレジャーの分散性については、業界内でも長く議論が続いてきました。一部では、バリデーターリストの構成やリップル社の関与度合いを根拠に「中央集権的」とみる立場があります。その一方で、リップル社側や独立した技術者は、各ノードが自律的にバリデーターを選び、合意形成に参加する仕組みを踏まえ、「十分に分散化されている」と説明しています。

2026年2月のシュワルツ氏の反論以降も、分散性の定義そのものをめぐる議論は続いています。ただ、少なくとも「リップル社がXRPレジャーのルールを一方的に変更したり、取引を検閲したりすることはできない」という点については、同社関係者だけでなく、多くの独立した開発者も共有している認識です。

SEC訴訟で整理されたXRPの法的評価

Rippleの画像

リップル訴訟の出発点と主な争点

リップル社とXRPの関係を法的な観点から整理するきっかけになったのが、米国証券取引委員会(SEC)との訴訟です。SECは2020年12月、「リップル社およびその幹部が約13億ドル相当のXRPを未登録証券として違法に販売した」として同社を提訴し、証券法違反を主張しました。

ここで争点となったのは、XRPが米国証券法上の「有価証券」に該当するかどうか、そしてリップル社によるXRPの販売方法が投資契約として規制対象になるかどうかという点です。リップル社は一貫して、「XRPはデジタル通貨であり、有価証券ではない」という立場をとっていました。

XRP自体は「有価証券ではない」と判断

2023年7月13日、ニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所のアナリサ・トーレス判事は「XRPトークン自体は有価証券に該当しない」と判断しました。判決では、デジタルトークンとしてのXRPそのものは、Howeyテスト上の投資契約にあたる「契約・取引・スキーム」には該当しないとの見解が示されています。

ただし、この判決では販売方法によって法的評価が変わる点も明確にされました。取引所を通じたプログラム的な販売は投資契約に該当しないとされた一方で、機関投資家向けの直接販売については証券法違反にあたると判断されています。

この判決を受けて、SECは一般投資家向け販売も違法と認めさせるために控訴し、リップル社側も不利な部分の見直しを求めてクロス控訴に動く姿勢を示していました。さらに、2024年8月には、同裁判所がリップル社に対して1億2,500万ドルの罰金支払いを命じる判決も出しています。

2025年の控訴取り下げと最終決着

約5年にわたって続いたこの訴訟は、2025年に大きく動きました。2025年3月19日、リップル社のCEOブラッド・ガーリングハウス氏は、SECが同社に対する訴訟を正式に取り下げる予定であることを明らかにしました。同氏はこの動きを、リップル社と仮想通貨業界にとって大きな前進だと位置づけています。

2025年8月7日、SECとリップル社は第二巡回区控訴裁判所に共同で書類を提出し、双方の控訴を取り下げました。これにより、2023年7月の地裁判決が最終的に確定し、約5年に及んだ法的紛争は終結しました。この発表を受けて市場も反応し、直後にはXRP価格が前日比で一時約12%上昇したと報じられています。

控訴取り下げ後も、地裁の最終判決は維持され、リップル社に科された1億2,500万ドルの罰金と差止命令は引き続き有効となりました。このうち5,000万ドル(約74億円)は米国財務省に納付され、残る7,500万ドル(約110億円)はリップル社に返還される形で決着しています。

判決が示したリップル社とXRPの境界線

この一連の判断で重要だったのは、XRPというデジタル資産そのものと、リップル社による販売行為とが、法的に切り分けて評価されたことです。裁判所は「XRPトークン自体は有価証券ではない」と判断する一方、「リップル社が機関投資家向けに行った直接販売は投資契約に該当する」と認定しました。

この整理によって、XRPは独立したデジタル資産として存在し、リップル社の企業活動とは別のレイヤーで評価されるべきものだという考え方が、法的にも補強されました。言い換えれば、リップル社の販売方法が規制対象となっても、それによってXRPそのものの性質が有価証券に変わるわけではない、ということです。

リップル社とXRPを区別する実務的な意味

主語を見分ければニュース理解は深まる

リップル社の事業ニュースとXRPの市場動向ニュースを分けて捉える視点は、日々の情報収集で実際に役立ちます。たとえば「リップルが英アビバ・インベスターズとXRPレジャー上で伝統的ファンドのトークン化を開始」という2026年2月11日の発表は、XRPレジャーの利用拡大という意味ではXRP需要に影響し得る話題ですが、直接的にはリップル社の事業展開に関するニュースです。

同様に、2026年1月26日にリップル社がサウジアラビア大手銀行のイノベーション部門Jeelと提携したというニュースや、2025年12月1日のシンガポールMASによるMPIライセンス適用範囲拡大の承認も、企業としてのリップル社の海外展開として整理できます。

その一方で、XRPレジャーのアメンドメント、バリデーターの分散状況、取引量の推移といった話題は、XRPレジャーそのものに関するニュースです。両者を分けて捉えることで、どの話題がどの範囲に影響するのか見通しやすくなります。

国内取引所はどう表記しているのか

国内の主要な仮想通貨取引所の多くは、リップル社の表記要請を踏まえ、「XRP(エックスアールピー)」または「エックスアールピー(XRP)」という表記を採用しています。SBI VCトレードでも「エックスアールピー(XRP)」という名称で説明が行われており、XRPがXRPレジャー上のネイティブ資産であることや、リップル社がXRPレジャーの開発に関与するプレイヤーの1社であることが明記されています。

こうした表記整備も、リップル社とXRPを区別する考え方が業界全体に広がっていることを示しています。投資家が取引所で情報を確認する際にも、「XRP」という独立した名称で銘柄が扱われていると理解しておくと、ホワイトペーパーや公式ドキュメントにも当たりやすくなります。

投資判断に必要な2つの評価軸

投資判断では、リップル社の事業動向とXRPネットワークの動向を別々の評価軸としてみることが大切です。リップル社の提携拡大や新サービスの発表は、XRPの実需拡大につながる可能性がありますが、XRPの価格を左右する要因はそれだけではありません。マクロ環境、ETF動向、他の仮想通貨市場との相関、XRPレジャーの技術アップデートなど、複数の要素が重なって価格形成に影響します。

そのため、「リップル社が好調だからXRPも上がる」「リップル社に規制リスクがあるからXRPも下がる」といった単純な見方だけでは不十分です。各ニュースがどのレイヤーに作用するのかを分けて考えることが、情報収集や投資判断の精度を高めることにつながります。

>> 最新のXRP関連記事はこちら

よくある質問(FAQ)

リップル社はXRPを発行した会社?

XRPは2012年のXRPレジャー稼働時点で全量1,000億XRPが生成されており、リップル社(当時のRipple Labs)は創業者らから大量のXRPを寄付として受け取る形で保有を始めた経緯があります。

そのため「リップル社がXRPを発行した」と表現されることもありますが、より正確には、XRPレジャーのプロトコルによって一括生成されたXRPを同社が事業資金として受け取った関係です。現在は保有分の一部をエスクロー口座で管理し、毎月計画的に一部を放出する形で供給管理を行っています。

「リップル(XRP)」と書かれていたら何を指す?

日本語圏の多くのメディアや情報サイトでは、「リップル(XRP)」という表記が、仮想通貨XRPを指す慣用表現として使われてきました。ただし、厳密には括弧内のXRPがデジタル資産としての正式名称であり、括弧外の「リップル」は企業名や過去の呼称と混同しやすい言い方です。

2025年以降はリップル社自身が「XRP」単独表記を推奨しているため、記事やニュースを読む際は、文脈に応じて何を指しているのか確認する必要があります。

リップル社の事業に連動してXRPの価格は上がる?

必ずしも直接的に連動するわけではありません。リップル社の事業拡大によってXRPの実需が増えれば、価格に影響する要因になる可能性はあります。

ただし、XRPの価格は仮想通貨市場全体の地合い、規制動向、ETFの承認状況、XRPレジャーの技術的進展、他銘柄との相関など、多くの要因によって変動します。そのため、リップル社の業績だけでXRP価格を説明する見方では足りません。

XRPレジャーはリップル社が停止できるのか?

できません。XRPレジャーは分散型のブロックチェーンネットワークであり、各地のバリデーター(取引検証者)によって運営されています。リップル社もその参加者の一つですが、単独でネットワーク全体を停止したり、取引を検閲したりする権限はありません。

仮に同社が事業を縮小または撤退したとしても、他のバリデーターが合意形成を継続することで、ネットワーク自体は稼働を維持できる設計です。

海外の英語メディアではどう表記されているのか?

英語圏の主要な仮想通貨メディアや金融メディアでは、企業名を指す場合は「Ripple」または「Ripple Labs」、デジタル資産を指す場合は「XRP」と、基本的に明確に使い分けられています。

日本語圏で見られる「リップル(XRP)」に相当する併記はあまり一般的ではなく、主語が「Ripple」であれば企業の話、「XRP」であればデジタル資産の話として整理されるのが通常です。

まとめ

リップル社とXRP(エックスアールピー)は密接に関わっているものの、役割も性質も同じではありません。リップル社は米国サンフランシスコを拠点とするフィンテック企業であり、クロスボーダー決済、機関投資家向けプライムブローカレッジ、カストディ、ステーブルコインRLUSDといった金融インフラ事業を展開しています。これに対し、XRPは2012年から稼働するパブリックブロックチェーン「XRPレジャー」上の独立したデジタル資産であり、発行上限1,000億XRPのもとで国際送金のブリッジ通貨として利用されています。

リップル社はXRPを自社製品に組み込んで活用していますが、XRPレジャーネットワーク全体を支配しているわけではありません。プロトコル変更も同社だけで決められる仕組みではなく、コミュニティとバリデーターの合意が前提です。2023年7月の地裁判決と、2025年8月の控訴取り下げによって確定したSEC訴訟の帰結は、XRP自体が有価証券に該当しないという判断を示し、両者を切り分けて評価する見方を法的にも補強する内容となりました。

2025年1月のリップル社による公式表記要請以降、国内外の取引所やメディアでは「XRP(エックスアールピー)」という独立した名称での表記整備が進んでいます。ニュースや投資情報に触れる際には、リップル社の企業動向とXRPの市場・技術動向を別のレイヤーとして捉えることが、仮想通貨市場を正確に理解するうえでの基本になります。

  • URLをコピーしました!

Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

仮想通貨ニュース|新着

仮想通貨入門 - 基礎知識

市場分析・価格予想

目次