今月2日に米バイデン政権が提案して議論となっていた「米国のビットコインマイナーに対して30%の税金を課す」という内容の予算案が廃止されたことが明らかになりました。
この予算案は「デジタル資産マイニングエネルギー(DAME)消費税」と呼ばれるものであり、”仮想通貨マイニング企業に対してマイニングに使用する電力コストの30%に相当する税金を課すこと”が提案されていましたが、DAME税に対しては反対意見も多数出ていました。
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今回の予算案廃止に関する内容は、アメリカ・オハイオ州のWarren Davidson議員が2023年5月29日に投稿したツイート内で明らかにされたもので、ビットコインマイニング企業「Riot Platforms」のリサーチ担当責任者であるPierre Rochard氏のコメントに回答する形で”税金の提案が阻止されたこと”が報告されています。
Warren Davidson議員は今回のツイートで日曜日に新たに提案された債務上限に関する文書を公開していましたが、Pierre Rochard氏はこのツイートに対して『文書を見てみたが、ビットコインマイニングに関する言及がなかった』と指摘、『これは米政府のDAME税提案がなくなったことを意味するのか?』と尋ねていました。
Warren Davidson議員はこの質問に対して『Yes』と回答しており、『提案された税金の中には阻止されたものもある』と語っています。
Pierre Rochard氏
文書を調べてみましたが、ビットコインマイニングに関する記述はありませんでした。これは「政権のDAME税提案がなくなった」ということなのでしょうか?Warren Davidson氏
はい。提案された税金の中には阻止されたものもあります。
DAME消費税の提案は「暗号資産マイニングに関するエネルギー消費問題に対処すること」を目的とした提案であり、「仮想通貨マイニングによるエネルギー消費の増加は、環境に悪影響を及ぼし、マイナーと電力網を共有している人々のエネルギー価格上昇に繋がる可能性もあり、地域の電力会社やコミュニティにもリスクをもたらす可能性がある」と指摘されていました。
この提案に対しては、ケネディ元大統領の甥で弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏が『バイデン政権が提案した仮想通貨マイニングへの課税は悪いアイデアだ』とツイートするなど複数の批判が出ていたため、その後の動きには注目が集まっていましたが、今回の文書でDAME税に関する項目が除外されたことによって、仮想通貨業界では喜びの声が多数上がっています。
ただし、債務上限の法案からDAME税に関する項目が除外されたからといって、「仮想通貨マイニングとエネルギーコスト」に関する議論が終わるわけではないため、今後は新たな増税案が提案される可能性もあるとして、今後の動きにも注目が集まっています。
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