1%の資産割当がビットコイン価格を「120,000ドル」に=ARKレポート
ビットコインを「価値ある資産クラス」と評価
ビットコイン(BTC)の価格は2021年末に記録した過去最高値に迫ってきていますが、著名投資家キャシー・ウッド氏が率いる大手資産運用会社「ARK Invest」はBTCの将来に対して強い期待感を示しています。
ARK Investは「BIG IDEAS 2024」というレポートの中で『ビットコインは機関投資家のポートフォリオに組み込む価値のある独立した資産クラスになった』と述べた上で、ビットコインに関する以下のような調査結果を報告しています。
主要資産を大幅に上回るリターン
ARK Investは「ビットコインは長期間にわたってあらゆる主要資産のリターンを上回っている」と述べており、BTC以外の主要資産のリターンは平均5.7%だったが、BTCの過去7年間の平均リターンは約44%だったと報告しています。
以下の画像は「過去3年間〜過去7年間における主要資産の年間リターン」をまとめたものとなっていますが、このデータではビットコイン(黄色)が特に大きなリターンを記録していることが示されています。
BTCは主要資産よりも大幅なリターンを記録(画像:ARK Invest)
ビットコインは「長期投資」が鍵
同社は「ビットコイン投資では"長期投資"が鍵になる」とも述べており、BTCでは短期的に価格が高騰・急落する可能性はあるものの、長期的にBTCを保有してれば、利益を得られる可能性が高まるということを説明しています。
『5年以上BTCを保有し続けた投資家は"いつ購入したか"に関係なく利益を得ている』と説明する同社は、「いつ投資すべきか?」と質問するよりも「どれくらいの期間投資すべきか?」と質問する方が良いとも述べています。
BTCの長期投資家はより多くのリターンを得ている(画像:ARK Invest)
カウンターパーティーリスクに対するヘッジ手段
今回のレポートでは「ビットコインと他の資産クラスの相関性は低い」とも報告されており、過去5年間におけるビットコインと他資産の相関係数はわずか0.27だったと説明されています。
具体的には、2023年初頭に米国の地方銀行が破綻した時の比較チャートが掲載されていて、『米地方銀行が破綻した際にはビットコイン価格が40%上昇し、カウンターパーティーリスクに対するヘッジとしての役割が浮き彫りになった』との説明がなされています。
米地方銀行の破綻時にBTC価格は40%上昇(画像:ARK Invest)
2023年は「19.4%の配分」が最適
このように報告するARK Investは「ビットコインはリスク調整後のリターンを最大化する上で重要な役割を果たす可能性がある」と述べています。
具体的には「2023年にはポートフォリオの19.4%をビットコインに割り当てるのが最適だった」ということが報告されています。
2023年のBTC最適配分は19.4%(画像:ARK Invest)
機関投資家の参入がBTC価格を押し上げる?
今回のレポートでは「機関投資家が実際にビットコインをポートフォリオに組み込んだ場合、ビットコイン価格はいくらまで上昇するか」に関する予測も掲載されています。
同社は、世界の投資可能資産を250兆ドル(約3京7,280兆円)と推定した上で、1%、4.8%、19.4%がビットコインに割り当てられた場合のBTC価格を以下のように予測しており、世界中の機関投資家がポートフォリオの19.4%をBTCに割り当てた場合には、BTC価格は230万ドル(約3億4,300万円)になると説明しています。
BTCへの割り当て(%) | BTC価格予想 |
1% | 120,000ドル(約1,790万円) |
4.8% | 550,000ドル(約8,200万円) |
19.4% | 2,300,000ドル(約3億4,300万円) |
機関投資家がBTC価格に与える影響(画像:ARK Invest)
なお、ARK Investのキャシー・ウッドCEOは先月半ばに「BTC価格は60万ドル〜150万ドルまで上昇する可能性がある」との予想を語っており、今月4日には「金投資家はBTCに移行し始めている」とも語っています。
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(BIG IDEAS 2024)