フランス人口の33%が仮想通貨新規購入・保有を検討|欧州各国で関心高まる

by BITTIMES

フランス、仮想通貨の購入意欲が前年比10ポイント増加

フランスの仮想通貨業界団体Adan(アダン)と大手監査法人Deloitte(デロイト)は2025年4月11日に、ヨーロッパ各国における仮想通貨(暗号資産)への関心と普及状況をまとめた共同報告書「ETUDE25」を発表しました。

この年次報告書によると、仮想通貨への一般市民の関心は欧州全体で高まっており、特にフランスでは国民の3分の1にあたる33%が2025年中に仮想通貨を購入・保有したいと考えていることが示されています​。

現在、フランス人の仮想通貨保有率は約10%と前年から横ばいですが「今後購入したい」と回答した人は前年より10ポイント増加して33%に達しました。報告書はこの増加を「仮想通貨がより一般的に浸透しつつある兆候である」と指摘しています。

フランスのこの数値は調査対象国の中でイタリア(37%)に次ぐ水準であり、ヨーロッパ全体で仮想通貨への関心が広がっていることが明らかになりました。

欧州で高まる仮想通貨のニーズ

今回の調査はフランス国内の成人2,000人に加え、ドイツ、イタリア、オランダ、イギリス、ベルギーの5か国(各約1,000人)を対象に2025年1月に実施されました​。

その結果、各国で仮想通貨の保有率や関心には差があることが明らかになりました。イギリスでは回答者の19%が仮想通貨を保有しており、オランダとベルギーでも17%とフランス(10%)を上回っています。

一方でフランスは現時点の保有率こそ他国より低いものの、今後の購入意欲が高いため、ユーザー数が大きく増える可能性があります。

このように保有率と意向率(将来的に参入する可能性がある層)の差がフランスで大きく、今後ユーザー数が増加すると見られています。

レポートによると、仮想通貨を保有している人の多くは、株式や債券などの従来の金融商品にも投資しており、資産を分散させる傾向があるとのことです。

近年では、フィンテック企業「Revolut(レボリュート)」などの新しい取引サービスが普及し、同社アプリはフランスの仮想通貨取引でユーザー数第2位(全体の24%が利用)となるなど、一般の人々が仮想通貨を手軽に取引できる環境が整ってきています。

仮想通貨の用途も多様化しており、フランスでは「分散型デジタルID」としての活用(回答者の48%が支持)や、決済手段(24%)、分散型金融サービス(22%)など、投資目的以外の実用的な使い方にも注目が集まっています。

欧州連合(EU)全体でも規制の整備が進んでおり、2024年に施行されたMiCA(欧州仮想通貨市場規制)は業界に法的な明確さをもたらしました。

これにより投資家保護とイノベーション促進の両立が期待され、欧州各国で仮想通貨市場が安定して成長する基盤が整いつつあります​。

日本の仮想通貨普及は遅れを取る

欧州で仮想通貨への関心が高まる一方、日本国内の普及は相対的に遅れていると見られています。

仮想通貨決済企業TripleA社のレポートによれば、日本の仮想通貨保有者は全人口の約4%(約500万人)程度とされており、フランスの約10%やイギリスの19%と比べて少ない状況です。別の国内調査(2025年1月実施)でも、仮想通貨を保有する日本人は全体の13%にとどまっていることが報告されています。

金融庁が発表したデータによると、2025年1月時点の国内仮想通貨取引のアクティブ口座数は約734万件ありますが、これは人口比で見ると5~6%程度にすぎません。フランスでは500万人以上(人口の約10%)が仮想通貨を保有しているのに対し、日本ではそこまで普及しておらず、市場規模や利用者数に差が見られます。

日本政府も近年はWeb3推進や税制改正などを通じて、仮想通貨業界の発展を後押しする姿勢を見せています。今後、こうした政府の取り組みが進めば、日本でも仮想通貨の普及率が欧州並みになる可能性があるのかもしれません。

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Source:共同レポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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